部活日誌

部活動(ひとり文楽部)の記録など

9月公演スタート

2011-09-06 | 文楽

あ~、5月から長かった。

大阪に行かないと、こんなに間が空くものか。
あんまり長いこと見てないので、

 「文楽?なんだっけそれ。どこが面白かったんだっけ?」

なキモチになりそうでしたね。

が、東京公演が始まっちゃあ、そんなツンデレ気取り言ってる場合じゃない。


初日1部と翌日2部、まずはスタートダッシュで行ってみました。


第一部

【寿式三番叟】

【伽羅先代萩】
  御殿の段

【近頃河原の達引】
  堀川猿廻しの段

(配役表)


まず、【寿式三番叟】

これにはねー、やはり胸に堪えるものがありましたね。

国立劇場45周年記念と共に、震災後の国土復興祈念としてこの演目を 今、上演することで、
「天下泰平・国土安穏」という祈りの意味が一層の重みを増して迫ってきます。

住大夫はじめ床の面々から伝わる緊張と、客席から膨れ上がってくる期待感の中、
舞台に千歳・勘十郎さんが登場して儀式が始まります。
重々しい住さんの語りのうち、簑助さんの翁が表れ、一礼。

それだけで、もう、私の目からぶわっと涙が湧いてきましてですね。
それには自分でもビックリ。
私の中にも、澄んだ小川のような清らかなココロがまだあったようです。

文字久さんの緊張度も半端なかったですね。つられて私の背筋もチカラ入りました。
私が一緒になって緊張しても屁のツッパリにもなりませんけど。

三番叟の幸助・一輔さん、すけ&すけコンビのお二人も若々しくも清々しい舞でよかったです。
足もキビキビしてましたね。
初日故か、若干堅めの幸助さんでしたが、これから毎日遣っていくうちに、もっと茶目っ気が自然に出ていくことでしょう。
そして更なる飛躍が訪れるでしょう、と冥王星の角度が告げています。
 (占い:ルネ・ぱんだーる・さむこ)




【伽羅先代萩】
 御殿の段

私はこれ、文楽では初めて拝見。だと思った。
簑助さんの八汐、すごいねー!
嶋さんも初日っから熱い語りで、若君と千松の哀れさをこれでもかと。

千松が泣きながら歌うところなんて、もう、あーた。

話全然違いますが、ここでも「にぎにぎ」したおにぎり、次の「猿廻し」でも与次郎が白いご飯をあむあむ食べているので、見ている私のお腹も ぐーきゅるるる~ とやかましく鳴ってたまりませんでした。
でも、「おなかが 空いても ひもじうない!」
と健気に耐えまちた。(40代女・やや肥満)

 

 


【近頃河原の達引】
  堀川猿廻しの段


これは、私的に源さんの語りにやられましたねー。
娘・おしゅんを想う母と兄の情愛と、軽妙なおかしさの塩梅がまことによく、しみじみ聞き入りました。
笑いの中にはいつも哀しみがひそんでいるもんだ、という感じが伝わってくるのはさすがです。
「目は見えねども 見送る母」なんつって、もうたまらん。
また源さんで聞きたいです。

舞台でも、勘十郎さんの与次郎はちょっとしっかりし過ぎの気がしましたがもちろん素晴らしく、勘壽さんの母も簑二郎さんのおしゅんも、玉誉さんのおつるも、私のツボにびたーっときましたね。

中でも文司さんの伝兵衛のカッコイイことといったら!
色気があって、そらおしゅんじゃなくても惚れるというもんだ。

って、文司さんというと最近これ、ずっと言ってる気がする。年取るとねぇ、何度でも同じこと言うもんですよ。

 

そうそう、年取るって言えば、初日の前日のメトロ文楽、初めて見に行ってみました。

普段は仕事があるので間に合わないんですが、ちょうど台風が来ていて早く帰宅するよう言われたので、お!ちょうどいい、それじゃあ、とちょっくら寄ってみました。

しかし、開始時間ぎりぎりの到着で、半蔵門線の永田町駅ホームから改札までのながーーーい階段を走って上がるはめに… 

台風だから早く帰れ、つってんのに寄り道した罰が当たったのでしょう。

いまもって足腰が筋肉痛でございます。階段を降りる時、ガニマタです。