部活日誌

部活動(ひとり文楽部)の記録など

文楽鑑賞教室 の巻~

2010-12-07 | 文楽
【文楽鑑賞教室】A・Bプロ
 
 伊達娘恋緋鹿子
   火の見櫓の段

 三十三間堂棟由来
   鷹狩の段
   平太郎住家より木遣り音頭の段


12月は公演の方もですが、鑑賞教室もなかなか贅沢な配役ですよね。
A・Bの違いも見比べられて楽しいし、これでチケットさえ取りやすければ尚よし、なんですけど。

で、鑑賞教室。

まず、『火の見櫓』ですがお七をAは紋臣さん、Bは簑紫郎さん。
いずれもフレッシュなお七でしたが、紋臣さんのお七の方が、若干柔らかといいますか、髪を振り乱していてもなお清楚な感じ。
お七の激しさは簑紫郎さんの方が感じられたような。

いつも思うんですけど紋臣さんの娘は、こう、エアリーといいますか、油圧式とでもいいますか、いや、「油圧式」がどういうシステムなんだかは全然知りませんけども。
とにかく、最後の当りが柔らかいといいますか、クッションが効いてるといいますか私はとても好きといいますか、

・・・全然伝わりませんね。言えば言うほどわけわからん。

とにかく、小住大夫を床で初めて拝見したってことですよっ。(話変えておく)

大夫も三味線もみな若々しくていいですねぇ。
私にもそんな時代があったようなないような、いや昔からふてぶてしく老けてたような。
まあ誰も私に鑑賞教室に出演しろと言うわけじゃないので、老け顔でも知ったこっちゃありませんが。


どうでもいい自虐はおいといて。

『三十三間堂棟木由来』

いよいよ勘十郎さんと和生さんのお柳、玉也さんと玉女さんの平太郎、の、いずれも甲乙つけがたい対決だ!(別に対決しちゃいない)

まずお柳、和生さんのお柳は人でない妖しのものの透き通るような美しさ、勘十郎さんのお柳は血の通った愛ある美しさ、とでもいいましょうか。
どちらも素敵、それをどちらも見られるああこのしあわせよ。

そして平太郎。
玉也さんは10月に休演されたと聞いていたので、今回拝見できてほんとによかったー

平太郎は玉也さんのも玉女さんのもいい男ぶりでは一緒でした。
が、玉也さんの平太郎の方が若干頼りがいがある父親感があり、玉女さんの方は端正さが勝った男前、って感じかな?

あくまで私の主観ですので、2パターンのお柳と平太郎を他のお客さんはどうご覧になったか、ぜひ教えてほしいものです。

それにしてもこのお話、最後の木遣り音頭のくだりで
「木遣り音頭は父が役、かざす扇も萎れ声~」
で、みどり丸が舞台中央に立つ場面。
そこで必ずぐっと胸が詰まってしまいます。何回見ても毎度毎度こみ上げる、こう見えて案外いい人な私。こんなにいい人なのに友達が少ないのはなぜなのでしょうか・・・


あ、忘れちゃいけないのが鑑賞教室といえば解説。
Bのつばさ・龍爾さん・簑紫郎さんの淡々とした解説もそれはそれで笑いましたが、(特に龍爾さんの「ヤマト」ネタとかね)
なんといってもAの相子・清丈'黄金コンビ+紋臣さん、こちらの特に黄金コンビは相変わらず冴えてましたねー
ネタ合わせとかするんでしょうか。
あの二人には何十年たっても、例え人間国宝になる日がきたとしても!

鑑賞教室で解説して欲しいです。素敵じゃないですか、国宝のする漫才解説。

「そんなことを目指して技芸員になったわけじゃない!」
などと堅いこと言わずに。

頼みます。永遠の解説担当をぜひ。