● 森に眠る魚 角田 光代/著 双葉社
東京の文教地区の町で出会った5人の母親。
育児を通してしだいに心を許しあうが、いつしかその関係性は変容していき…。
母親たちの深い孤独と痛みを凄みある筆致であぶりだした母子小説。
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★★★☆☆
母たちの心理描写はものすごいと思うのですが
自分としてはあまり好きになれない一冊でした。
母たちの感情表現がリアルなせいなのか、
読んでいる最中その母たちの心の憔悴感やイライラ感が伝染してくるのです。
だから、読むスピード上がらず
常にジメジメとしたいらだち感が
もう読むのを止めようかなぁ、と思いながら
どんな展開がこの後あるのだろうとついつい読了してしまいました。
苦手な一冊でした。
● 花の降る午後 上 宮本 輝/[著] 講談社
● 花の降る午後 下 宮本 輝/[著] 講談社
神戸を舞台に繰広げられる宮本文学愛の傑作
典子が営むフランス料理店アヴィニョンを乗っ取ろうと何人もの男たちが狙っていた。
そんなある日、店に飾ってある油絵を貸してくれと、ひとりの青年が現われた。
異国情緒あふれる神戸の老舗フランス料理アヴィニヨン―。
夫亡き後、懸命に店を切り盛りする若い女主人典子と、彼女をめぐる人々の物語。
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★★★★☆
あとがきで著者も書いていましたがハッピーエンドのお話。
新聞連載の作品の為か、いろんな事件が主人公の回りで起こりますが
本人が大きく動き回る事もなく
周囲の人物のおかげでうまく解決して行きます。
こんな恵まれた人間関係を持つ主人公、ちょっと浮き世離れ感がありますね。
でも、読んでいると
不思議に引き込まれます。
ちなみに、この本も映画化されていました。
主演は古手川祐子、敵役に桜田淳子、懐かしいですね。
●氷の轍 桜木 紫乃/著 小学館
釧路市の海岸で男性の他殺死体が発見された。
北海道警釧路方面本部刑事第一課の大門真由は、被害者の自宅で北原白秋の詩集「白金之獨樂」を発見し…。
『STORY BOX』連載に書き下ろしを加え単行本化。
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★★★★☆
読み始めて、どうにも不思議な既視感。
あれぇ、前に一度読んだのかなぁ
と、感じていたら去年の後半にTVドラマで放送していたんですね。
TVドラマでは登場人物のポジションが異なっていたので
後半は引き込まれて読み進みました。
交わることのない2つの車輪跡、轍。
事件核心の姉妹の生い立ち、暮らしがタイトルをシンボライズしていました。
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