残像モノクローム

遠い記憶の彼方にある故郷。
そして今、こころに渦巻く断片の想いを。
と、思い始めたのですが・・・。

3月の読書

2016年04月05日 16時46分26秒 | Weblog



● ミツハの一族 乾 ルカ/著 東京創元社

未練を残して死んだ者は鬼となって井戸の水を濁す。
鬼となった者の未練を解消し常世に送れるのは、ミツハの一族の「烏目役」と「水守」だけ…。
大正時代の北海道を抒情豊かに描くミステリ。『ミステリーズ!』掲載を単行本化。
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★★★☆☆

物語の設定はとってもおもしろいのですが、
小編ごとの謎を解決に至る箇所がなんとも物足りない感で・・・。

全編を通す「烏目役」と「水守」の間柄だけが
救いのネタです。










● 砂の王国 上 荻原 浩/[著] 講談社

大手証券会社勤務からホームレスに転落した男。
段ボールハウスの設置場所を求めて辿りついた公園で出会ったのは、
怪しい辻占い師と、若い美形のホームレス。
世間の端に追いやられた3人が手を組み、究極の逆襲が始まる…。
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★★★☆☆


上巻だけの読後ではなんとも・・・。
ただ、前半のホームレス部分は果たしてこんな感じで良かったのか、
グチとぼやきのような、投げやり感がちょっと長いと感じてしまった。


下巻の展開に期待!







● ライアの祈り 森沢 明夫/著 小学館

弘前市の老舗そば店の一人娘の桃子は、35歳バツイチ。
恋に臆病な桃子の前に現れたのは、不器用な考古学者の五朗だった。
遙かな時を超えて愛の絆が甦る。
「津軽百年食堂」「青森ドロップキッカーズ」に続く青森三部作完結編。
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★★★★☆


太古と現代の二つのストーリーを通して描かれる、ひとつの物語としてはとっても良い小説だと思います。

ただ青森三部作完結編としてとらえた場合、果たしてこの登場人物で良かったのか疑問が残ります。

三部作を通して登場する意味があったのでしょうか?














● わたし、型屋の社長になります  上野 歩/著   小学館文庫

OLだった明希子は、脳出血で復帰できなくなった父親に替わって花丘製作所の社長になった。
銀行からは借入金の返済を求められ、社員は同業社の引き抜きに。
そんなとき、大手自動車メーカーから仕事が入り…。製造業応援小説。
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★★★★☆


ビジネスエンターテイメントとして、とっても面白いです。

現実の世界でも苦労しながらでも、こううまく仕事が進んでくれると良いのになぁ!、と
個人事業主としてうらやましく読ませていただきました。










● 霧(ウラル) 桜木 紫乃/著 小学館

国境の街・北海道根室。
有力者の娘・珠生が恋に落ちたのは、北の海の汚れ仕事を牛耳る相羽組の組長だった…。
昭和30年代の根室を舞台に描く、桜木紫乃の記念碑的作品。
『STORY BOX』掲載を加筆修正し単行本化。
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★★★★★


久々に面白い一冊に出会えました。

やっぱり、紫乃さんの文章は面白いなぁ。
なんだろう、淡々としていながら色気があるのかなぁ。

こういう話は、この桜木紫乃さんしか書けないという気がしてしまします。

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