28日で仕事納め。
そしてススキノで忘年会。
今年1年いろんな事がありました。
心がしぼむこともあったし、
顔の知らなかった後輩にも会えたし。
何とか健康で1年を過ごせました。
また来年も
よろしくお願いします。
そして師走の読書は
●てふてふ荘へようこそ 乾 ルカ/著
敷金礼金なし、家賃は月13000円…。
破格の条件に隠された理由とは?
特異な事情を抱えた6人の住人たちの、笑いあり涙ありのおんぼろアパート物語。
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舞台はおそらく小樽。(本の中には地名は記されていませんが)
それぞれが抱える悩みや苦悩を[とある]事とともに解決してゆきます。
読み始めから引き込まれるストーリー展開で
読み終わると心がホンワカになれるオススメの一冊です。
●三十光年の星たち (下) 宮本 輝/著
佐伯から事業の後継者に指名された仁志。
悪戦苦闘の日々を過ごす中、仁志が経営を託された「ツッキッコ」の開店日が近づき…。
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30年後の自分の姿、100年後の森の姿。
そして30光年先・・・。
そのどちらもまったく想像できません。
でも、その先のために新しい種を蒔く、意志を引き継ぎその先を目指す。
人と人、そして未来を繋ぐ、紡ぐ物語です。
良かったぁ!
●ゆくとしくるとし 大沼 紀子/著
神様、私はなにを祈ればいいでしょう?
年末、久しぶりに帰省すると、そこには母と、明るくたくましいオカマのお姉さんがいた。
ヘッポコ助産所で育まれる、母とオカマと私の物語。
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「ゆくとしくるとし」と「僕らのパレード」の2話収録されてます。
どちらもけっこう地味な感じで話は進みます。
「ゆくとしくるとし」はコミカルに。
でも大晦日の夜に起こる事件によって
母との心の絆を取りもどし、他の人たちとの心の交流をも結び直します。
「僕らのパレード」は、小学生の僕が主人公。
彼もまた、心の中に「ある蓋」をしていたんだけれど
そんなことは後半になるまでストーリーの中には出てきません。
「ある蓋」のために彼はとても心の中に「優しさ」を育んでいたのです。
物語に出てくる「心の森」の話は後をひくいい言葉でした。
●まひるの月を追いかけて 恩田 陸/著
失踪した一人の男を探して、奈良を旅する二人の女。
それぞれの過去と現在を手探りしながら続く、奇妙な旅の行き着く先は?
夢と現実が交錯する旅物語。
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所々に挿入される寓話、おとぎ話。
それが登場人物の心の中を、物語全体を暗示しています。
淡々と進んでいるかのように見える旅の行程(物語)なのに
それぞれの心の動きがドラマチックに綴られていきます。
なぜかテレビでドラマを見ているかのように、
なんななくナレーションまでもが頭の中にひびいてくる、
そんな表現力がこの作家にはあるようです。
●猫鳴り 沼田 まほかる/著
ままならぬ人生の途に「奇跡」は訪れた-。
宿した命を喪った夫婦。闇にとらわれた少年。愛猫の最期を見守る老人。
濃密な文体で、人間の心の襞に分け入ってゆく長編小説。
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解説のように「濃密」で、濃密すぎるかも知れないほど。
3つの章になっていますが、最初から心情の表現がものすごく
途中で退散しようかと思うほどです。
でもこの表現の濃密さを耐えながら読み進むと
最終章で「ほわっ」とした安堵感に包まれるような
読後感に浸ります。
時間をおいてから、もう一度読み直した方がいいかなと思ってます。