conparu blog

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私論「混乱情勢を観る」

2024-08-01 22:09:54 | 随想
混乱に拍車をかけた現在の世界情勢は、何が原因でこんなにもおぞましい姿を呈しているのだろうか?世界に蔓延る権力の二極化は、必然の帰結なのか、新しい世界構築の出発点なのか?起こっている騒乱に正当な理由なんかがあるのだろうか?素人の観察で漠然とであっても、これらの問題に疑いを抱いている人は多いのではないか。元々米露の二大勢力が拮抗していた米ソ時代は、第二次大戦の疲弊もあって変動の大きい事件はそれほど無かったのではないか。南太平洋、ビキニ環礁の核実験やキューバへの核弾頭移送という問題はあったが。

ロシアが対抗しようとしているのは煎じ詰めればアメリカであろう。ウクライナがEU加入ともなれば、地続きになる恐怖もあるだろうが、背後を固めているのは米国だからである。ペレストロイカ以降ロシアの存在は、やや弱体化してアメリカ一強を導いた。このことがロシアの再奮起に火をつけたのだと思う。されど国際舞台を牽引する力は弱く、何かの起爆剤が欲しいところで、これまでアメリカが起こした歴史上の先例にならい、ウクライナに核攻撃を仕掛けると脅し、或いは日本の北海道に侵攻して、沖縄の米軍基地と対等な位置関係を築こうとした節もある。極東の外れにあって北鮮や中国、それにロシアが協調して包囲網を築けば、米国のアジア支配を牽制することもできよう。しかし事はそんなに簡単に決まるものではない。最大の利益を得るアメリカが現状破壊を許さないからである。
 一方、中東に目をやれば、ロシアのウクライナ攻撃に匹敵する、ガザ地区への猛攻がジェノサイドとも言われる人身攻撃になっていても、国際的な批判や制裁がないのは如何したことか。ロシアは罰するがイスラエルはお咎めなしでは、事の始まりをハマスに限定していて、大元のパレスチナに入植して国家を樹立し、パレスチナ人を追放したことがそもそも紛争の始まりだと言うことを無視している。問題の起点を見誤っているではないか。更にネタニヤフのイスラエルがイランを訪問していたハマスの最高幹部、イスマイル・ハニヤ氏を殺害した特報が飛び込んできた。イランの主権を侵したと、イスラエルへの直接攻撃を命令したホメイニ師は、売り言葉に買い言葉の如くで応酬。ここまで来ると理性で構えている構図は吹っ飛んでしまい、歴史のブラックホールに吸い寄せられる様相が現実味を帯びてきた。
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