「物作り」ものつくりの手を持つ幸運、創意工夫の自我が年を追う毎に自己を形づくってきたと言えば大げさであろうか。確かに日々の生活の中で、些細な自分にできる範囲で工作する場合、家屋の補修をする場合などは、漫然と対処するのではなく最善の方法と思える方策を考え回らして、ああだこうだと思案することが楽しいのである。何事も疎かにできないのが建前であるが、人間生涯不完全、未完成の存在であるから、何をやっても完璧と言うことはない。不完全な証拠には「私」という個体は生死で一生を終わるけれど、本流を流れる命の大河には、連綿と続いてきた過去から現在、そして未来へと「私」と言う個体の組成が引き継がれてきたこと自体が、未完のしるしなのである。完成を以て人間卒業なのだ。生滅を繰り返しながら続いてきたということは、人間の修行が生半可だからやり直せと、人間を作った創造主に罰を食わされたのだ。そんなことで我が知恵工夫も全ては万全なものではないので、限定的なその場の創意工夫でしかないのだが、「これでよいのだ」充足感で足が地に着いている。
昨日はトイレのコンセント位置を変えようと、リード線を壁の内側を這うように張って、少し離れた壁に取り付けようとしたが、厚い板に遮られて断念した。穴を開けた壁はコンセント用のアクセサリーで隠し、次いで壁の表面に壁用コンセントを取り付けてリード線をつないだ。器具側電源コードの余裕ができて、床周りもすっきりしている。この作業もウオッシュレットトイレの便座保温機能が故障したためで、新しい便座を購入して設置していただいた後の一件でした。
一抹の不安を抱いていたマイPCですが、回復機能を使ってシステムの復元を断行しました。今まで何度も回復に失敗してきましたが、Windowsシステムの暗号化を解除してなかったのが原因でした。解除してからはスムーズに問題の日以前に回復完了です。全データーを削除する完全初期化をしないで良かった。何や彼やと更新と再インストールの面倒もありましたが、老躯をフル稼働して今朝の起きがけにPCの前に立ちました。その甲斐あって、インターネットの再設定が済んで、真っ先にしたのはWindowsのアップデートで、次いでgooブログのログインです。ネット検索もよくよく注意しないと、ハッカーの餌食に会うから、場合によってはPCの買い換えも強いられかねませんから、とは云っても日常の生活に身近な、地下鉄時刻表の検索の中に潜んでいようとは、ランサムウェアや国際詐欺師の巧妙な手引きには最大の注意を払いつつ、ネットサーフィンを楽しみたいものです。
3月19日Windows検索で都営地下鉄新宿線の時刻表を表示させようと、関連する項目をクリックした途端、赤と黒の基調で三角の形をした警告表示が現れた。「このコンピューターへのアクセスはセキュリティ上の理由でブロックされています。Microsoftサポートに連絡してください」
TEL（0101）20739－09758（日本フリーダイヤル）
シャットボタンも機能せず長押ししてもだめなので（今から思えばタスクマネージャーで消せたかと思うし、フリー電話局番号も0120でないのだが）電話をしてみると、「Microsoftサポートです。私はMikeと言います」と男の声。「今、あなたのパソコンはブロックされています。」と言って画面に暗号文字の漢字と記号のドキュメントファイルが表示された。「これ読めますか？読めないですね、これは中国語です。」話している言葉も中国人らしい発音です。「貴方のPCは自分で操作できません。ハッキングされています。これを解除するにはこれから手順を教えますから、その通りに操作してください」と云って[F1]キーを押すに始まり数字番号入力を求められ（これ完全にリモートコントロールではないか）、コンビニに行ってアップルカード￥40,000分を買ってきてPCの前に見せてください」、私「貴方どこから話しているのですか？」彼「アメリカMicrosoftです」私「Microsoftなら全てを登録していますから、その必要は無いはずですが」彼「貴方は企業ではありませんね、個人ですね。個人の場合はコンビニで支払いをします」ここで半分は信じてしまった。彼は続けて「このことはコンビニに行っても誰にも云わないで」普通ならここで完全に目が覚めるのだが、コンビニに行ってアップルカード40,000円ありますか？と言って事情を話したら、「それは詐欺です。警察に連絡した方がいいです」といわれた。アップルカードは買わずに済んだが、家に帰って直ぐに警察に連絡してからPCに戻ってくると、「カードは買ってきましたかー」と繰り返し大きな声で怒鳴っている。無視していると沙汰が止んだ。程なくしてパトカーが到着して玄関のチャイムを鳴らした。PCの現在は自分のIPアドレスでgooにログインしています。セキュリティによって不正外部の侵入を止めています。（ネット詐欺顛末記）
追記
ハッカーの彼がデスクトップに残していった「Mikeショートカット」は、セキュリティソフトで即時削除しました。その後PCをフルスキャンして異状ありません。
「私たちはどう生きるべきか」最近新聞などの広告見出しに散見するが、どう生きるかとは生き方について処方したものであろうから各人各様、千差万別のてんでんばらばらに生きると言うことではないか。であれば各様の志向を一つの方向へ導く目的性がないと、万物の頂点に立つ霊長としての牽引力が整わない。精神性とか信仰とかの崇高な存在に向けて、昇華しうる作業を付与されているのが人間なのだから。
最近覚えた仏教の本来の教えでは、冠婚葬祭に集約されるお寺さんの行事ではなく、衆生の私たちに課されているのは、生きているうちに人との交わりの中で行動を起こしつつ、相関関係に起因する諸々の運命へと導く業因を知らされること。因果を知らされるにつれて、良い因果関係を作りなさいと言うもの。悪い因を作れば悪い果が出て煩わせ、悩ませて苦しみの人生を歩まなければならないからである。仏教の根幹は因果の道理（法則）そのものだと知らされた。良い行いをすれば良い結果が現れ、悪い結果が出る場合は悪い原因を作っていることになる。始末の悪いことに過去世で起因した悪業が、何代も経った現在の身に起こりうることである。目に見えない運命の綾が纏わりつくと、対象となる相手も知らずの内に近接しているので、ドラマチックな人生模様が織りなされるのである。時と場所を選ばずに展開されるのは悲喜劇そのもの。
3月10日、毎年巡ってくる忌まわしい79年前の記憶、と言っても歴史上の記憶に他ならないのだが、東京大空襲のニュースが報じられている。B29の大編隊300機以上が来襲して１０万人の民間人が死亡したこと、焼夷弾の絨毯爆撃により東京都の４分の１の家屋が破壊され焦土化したことなど、記録による知識しか持ち合わせていないが、現今のロシアによるウクライナ侵略やイスラエルのパレスチナ、ガザへの無差別攻撃に重なるところがある。多くの民間人が犠牲になっているところに、非情な戦争の酷たらしさを見せつけられるのだ。あれから７９年が経っても人間の知性は地上に滞留し、理性は２０世紀のガラスの天井に覆われている。どうしようも無く人間の我が儘が幅をきかせて、私という個も含めて世界の時流にブレーキをかけている感が否めない。
人は何かを信じて生きているけれど、信じる対象が今ほど希薄なときもない。三大宗教でさえ、混沌の時代であれば頼れるはずの心の安息地なのに、頼り切れない空疎感が漂う。本来の仏教を除けば、と一言を入れておこう。イスラーム教は信者にとって絶大な信奉の的であろうから、その信仰の力は認めなければならないが、信奉の外にいる我々には内的なところはわからない。ただ外で起きている争乱の激しさに宗教そのものが追いつけていないもどかしさを感じるのだが、どうだろうか。産業革命以来の物量主義に奔走して生活の豊かさを求め、それなりの発展があり便利な社会を構築してきた。さらに利便を追求して次世代の通信技術で革新的な新世界を、と思っているところで地球にオデキができた。いや、人倫の健忘症である。物量と金銭主義の先に幸せはあるか?今はその狂騒の中にある。
安倍派と二階派に対する政治倫理審査会は、一応審査会の形を終えて後は藻屑のごとしか、予算案さえ通れば時間は稼げるとばかり、強行採決の自公らしい国会運営だと思った。体質的な党の国会運営方法は数の力で押し切るところだろう。ただ取り上げる政策には構造的に表と裏があるようで、自党に有利な解釈が織り込まれている。
自民党の裏金問題は戦後自民党政治の終わりを示しているかのようだ。ここまで来たか族議員、国民との認識のずれ、感覚の麻痺、無責任――政治は難しい、苦労も多い、政治家が誉れを持って国事に奔走されるためには、国民がもっと政治に関心を持って我が事として意識のレベルを上げていかれたなら、不祥事なんかもぐっと抑えられるのではないか。いつの日か戦後政治からの脱却、日本らしい姿を見たい。
