conparu blog

ささやかな身の回りの日常を書き綴ります。
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白河古事考が残したもの2

2023-06-12 23:47:03 | 随想

ウクライナのダム決壊では広範な地域が浸水したと、テレビニュースで流れた。東京23区に匹敵する地域の中には、住宅地はもちろん穀物を作付けする農地も浸水水没して、無機能状態が映し出されていた。そして地雷原も土中からプカリと浮き上がって、何かに接触する度に爆発して、まるで映画のシーンみたいだった。ロシア、ウクライナ双方がおまえがやったと擦り付けているが、被害は圧倒的にウクライナ側に多い。今後の展開によって穀物の生産に影響しなければよいが。
さて白川古事考を訳出して公開したわけだが、福島県南地方の戦国時代の様相を知って役に立ったと言う人もいれば、冷ややかな視線を向けた人たちもいて、訳出した者としては複雑な心境でもあった。かなりの人に見ていただいたことは、徒労ではなかったなと思っています。古文書は遠い過去の記録文書であるから、それ自体は貴重なタイムカプセルでもあります。原典では古文書を編集する過程で、編者の解説も「按」として出ることが多く、この「按」の中に類推すべき背景もあって奥行きを深めています。私は単なる現代文に訳しただけで、私の感想は極一部にして他愛ないものです。
私が非難の対象となったのは、実は私が「大塚氏」だからです。今から6代前の幕末、大塚氏は白河藩御典医でしたが、息子はなく娘の婿に迎えたのが、白河藩家老の小姓をしていた近藤與一郞でした。與一郞は利左衛門の一人息子で、婿に行く代わりに条件として、産まれた子供の一人を生家の養子にすることにしたのですが、産まれたのは全て女子の4人で、3女を利左衛門の養子にしたのです。大塚氏は年老いて典医を辞した後、他の娘たちは他家へ嫁いでいたので、3女の居る生家へ家具一式をまとめて白河から移り住みました。3女には婿を迎えて産みましたのが私の祖祖父です。明治の氏姓改めの時に大塚氏を名乗るべきところ、近藤のままにして大塚氏は陰に隠れていました。家制度からすれば私の家は後妻分家格ですが、霊的な大塚氏近藤氏の二家相続のどちらに産まれるかは、天のみぞ知るです。

つづき
大塚の祖は佐竹四天王の一でしたが、故あって白河結城家に属し、国久-昌久-吉久-宮内左衛門の四代まで羽黒(塙)城に居ました。宮内左衛門の時に佐竹氏に滅ぼされて、白河に移り住むことになります。菩提寺の徳林寺には吉久まで三代の位牌が残っています。秀吉によって白河結城家が改易され没落した後、徳川時代になってから白河は南郷を含めて松平氏の領地となり、後に南郷は幕府直轄の天領となるのですが、どさくさもあって徳林寺は近藤氏(別系)が住み着いたときに壇寺として後世に維持されることになります。徳林寺の寺格は真言宗豊山派の高い位にあったようで、檀家としては誇り高い存在だったと思います。ところが上に記したように、大塚氏の子孫が徳林寺の近くに戻ってきたことで、微妙な関係が存在することになります。祖祖父の時代に一族一党を引き連れて真言宗から神道に鞍替えしても、婚姻の結びつきで共存の知恵を計らってきたのですが、時代が下がるにつれ先人の知恵も狭量な独尊に押しやられ、一方の存在を否定する人が現れます。心での存在抹殺とも言えるでしょう。仏教で言うところの善因善果、悪因悪果、自因自課で、必ず応分の業報があるはずです。

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『白河古事考』が残したもの

2023-06-04 09:49:59 | 随想

「白川古事考」という、戦国時代の歴史資料を集めて編纂し、考察を交えて発表したのは江戸時代中期の奥州白河藩松平定信公が隠居してからで、老公の命を受けた老臣広瀬典によって序巻から六巻までを編集したもの。この歴史書を通読してみると、歴史書が世に出ることで快く思わない人もいたようである。広瀬典が藩内を初め諸藩の関係先を訪ね行きした折りに、古文書収集または事績確認の過程で困った様子がチラと見える。「この者親戚多し」を類推すると、抵抗もあったとみる。謎は「巻ノ四 その3」にある大塚氏の菩提寺にあるようだ。今更歴史を引っくり返すつもりもなければ、世に問うことも皆無であるが、ただ存在を否定されては困る。如何様な状態であれ人格の存在は認めなくてはならない。この白河古事考をほぼ現代文に訳出したことで、不当な非難にあっているのであれば、ユダヤ人呼称のイスラエル人とユダヤの血を受け継ぐパレスチナ人との関係、現在ではロシアによる侵攻と迫害に遭うウクライナの存在の危機と類似する問題でもある。ブログには様々な創作物や転用作品があふれているけれど、意図した誹謗中傷は最近では見られない。口伝てに広がる誹謗中傷の闇の中に広がる不条理こそ、古代インドのアショカ王とダイバダッタの関係に似て、見苦しい妬みそねみが潜んでいるのである。

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