月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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ミザール・19

2023-08-21 08:41:11 | 詩集・瑠璃の籠

限界を超えても
超えても
超えても
叫び続けてきたが
馬鹿は俺を馬鹿にするばかりで
振り向きもしない

逃げることはできない
自分から逃げ続け
嘘で作った幻の幸福の中に
閉じこもり続ける

ああ
地獄に落ちてゆく
魂の叫びを聞きながら
もう何もすべはないのかと
俺は空を見上げる
だが
絶望が俺を支配する前に
俺はもう一度叫ぶ

帰って来い
すべてを捨てて
帰って来い
もうわかっているはずだ
おまえが今食うているものが
臭い糞の饅頭だということが
そんなものはみんな捨てて
俺のところに来い

そうしたら
天国の門の前で
俺が一緒に頭を下げてやる
おまえが今まで
傷つけ続けてきた
神と人の心に
一緒に謝ってやる

おまえのつらい思いを
俺が半分
背負ってやるから

だから帰って来い
俺を信じて
帰って来い



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コカブ・37

2023-08-20 04:24:16 | 詩集・瑠璃の籠

人間を落としてまで
なりたかった理想の自分とは
どんなものですか

人を盗んで作った
天使のような顔と
蜘蛛のように長い足をひけらかして
自信たっぷりに世間を歩いている
その姿が
どんなに滑稽なものであるか
あなたはいつ気づくのだろう

神が創ってくださった
人間の本当の姿は
もっと品がよい
人間の心が生きていきやすいように
上手に作ってくださった
愛の姿なのだ

それを嫌がって
もっと美しくなりたい
もっとかっこよくなりたいと
好きなように肉体を改造して
人間はずいぶんと変なものになっている
あまりにも愚かなことだ

勉強のできていないうちから
高い美をまとうと
傲慢の鼻が伸びてきて
実に嫌な人になってしまいますよ
魂が
醜く歪んできて
ついには壊れてしまうのです
そして人間を失う

神が創ってくださった
すばらしい人間の未来を
すべて失うのです

本当に
美しい自分になりたいのなら
嘘と盗みで
勝手に自分を偽るのではなく
まじめに
本当の自分を勉強しなさい

神があなたの中に
こめてくださった愛の種を
大事に育て
本当のすばらしい自分自身と
なってゆくのです



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ラーン・34

2023-08-19 04:34:21 | 詩集・瑠璃の籠

もう
別れの時が来る

嘘を捨て
本当の自分に帰って来いと
何度も叫んだが
おまえは振り返らなかった

嘘で作った
幻の城に閉じこもり
栄光と称賛の夢に
浸り続けた

馬鹿者よ
他人の血をたらふく吸って
偽りあげた偽物の幸福は
楽しいか
楽しいならなぜ
そんな虚ろな目をする

できすぎた脚本をやる
糞芝居の中で
魂が愛に飢えていく
その声を封じながら
おまえは涙で太陽を作る
すべては馬鹿なことなのだと
勝手に決めつけるために

狭い抜け殻の
空の下で
孤独の膝を
抱きしめながら
幻の花園を生きる
馬鹿者よ

もう
別れの時が来る
永遠の
別れが来る



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ミネラウヴァ・59

2023-08-18 04:26:56 | 詩集・瑠璃の籠

忍び寄る運命の風を
背中に感じて
あなたは身震いをする

嘘で作った
幸せな人生が
砂のように
少しずつ崩れてくる
音におびえながら
あなたは機で夢を織る

忘れたい過去に
なした愚かな罪のことなど
永遠に忘れて
白百合のように
清い人になりたい

人を盗んで
自分を美しくしたことなど
知らないふりをしていれば
霧のように消えていくに違いない
わたしは美しいのだ

愚か者よ
汚い罪の沼に
沈んでいく自分を見捨てて
どこまでいくつもりなのか

悪しきものをつまみ出す
神の手が
もうあなたの後ろ首に
触れているというのに




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レサト・6

2023-08-17 04:30:02 | 詩集・瑠璃の籠

何なのですか
そのていたらくは

嘘をつぎはぎして
体中に貼り付けて
偽った自分を
嬉しそうに見せびらかしている
なんと情けないことを
しているのか

美貌の天使になりたくて
ありとあらゆるごまかしをやった
その汚い罪の臭いが
全身からぷんぷんしているのに
おまえは極上の美人のつもりで
世間をどうどうと歩いている
なんと醜い
なんと愚かな

馬鹿が馬鹿をやりつくして
神の忍耐の壁を
粉々に砕いてしまったというのに
まだそれをやっているのか
あほうというは
限界を知らぬと見える

もうよい
もうあっちへいけ
二度とおまえの顔を
見たくはない

限界の限界の限界を
破っても
まだ嘘をつく馬鹿者は
まとめて追い出す

この美しい神の世界から出ていき
むなしい砂風の吹く
虚無の地平へと
落ちてゆくがよい




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ミンタカ・39

2023-08-16 03:41:11 | 詩集・瑠璃の籠

幸せの
まっただ中にいるはずなのに
あなたは全然
幸せそうではない

かわいそうに
一生嘘をついて
生きていかねばならないことが
あまりにつらいのだ

本当の自分は
こんな人ではないのに
全然違うのに
嘘で作った自分を
ずっと生きていかねばならない
なぜなら
あなたの嘘を本当と信じて
それに乗って生きている人が
たくさんいるからだ

もし
この自分が嘘だということが
わかれば
すべてが崩れてくる
だましてきた人がみな
自分に襲い掛かってくるだろう
それが怖くて
あなたは嘘に嘘を重ね続ける

かわいそうに
たくさんの嘘の鎖に
がんじがらめに縛られて
あなたの心は
身動きができないほど苦しい
それなのに
幸せのふりをしていなければならない



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アダフェラ・8

2023-08-15 04:16:37 | 詩集・瑠璃の籠

人間世界が
ここまで乱れたのは
美女が偽物だったからだと
言っても過言ではない

自分のことしか考えていない
猿のごとき未熟な女が
美女の顔姿を盗み
えらく高い美女に化けていたからだ

本来愛の具現であるはずの美女が
未熟なエゴをぶつけあい
恐ろしく汚いことをするのを見て
人は愛を信じなくなり
すべてを馬鹿にして
生き始めたのだ
そしてこの世はあまりにも苦しい
地獄になった

ゆえに
偽物の美女は
その責任をとらされる
汚いどぶすの正体を暴かれ
みんなまとめて
寒い虚無の地獄へと捨てられる

あほうのしるしを背中に彫られ
こんなものは二度と見たくはないと
神にさえ嫌われ
神の世界を追い出される

馬鹿な女よ
勉強もせず
盗みばかりで生きてきた
哀れな猿よ
もうおまえは神の愛児ではない

逃げることはできない
自分の真実だけを連れて
さっさとここから出てゆくがよい



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フェクダ・23

2023-08-14 04:23:01 | 詩集・瑠璃の籠

愛は
復讐などしはしない
ただ
愛することに
疲れ果てたとき
黙って消えていくだけなのだ

だがそれだけで
すべてが崩れてくる
愛が支えていてくれた
一切のものが
とけてなくなってくるからだ

愛がおまえに与えていた
すべてのよきものが
空気をはぎ取られるように
消えていくからだ

愚か者よ
人を食い
嘘に生き
すべての愛を愚弄した
情けない馬鹿者よ

愛はおまえに
永遠のわかれを言う
もう愛は
おまえのためにすることを
すべてやめる

億年をかけて
愛してきた記憶に鍵をかけ
もうおまえを
永遠に忘れる

悲しみは
大地を裂き
そこに地獄の門を
作るだろう

愛を愚弄するものは
愛のない世界へと行くがよい
そこで永遠に
自分のことばかり
考えているがよい



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カノープス・85

2023-08-13 04:17:47 | 詩集・瑠璃の籠

地球上の
すべての愛が
あなたから去ってゆく

道端の小さな花さえ
あなたを見てうつむく
もうこれは愛ではないと
心を閉じてゆく

あなたはその寒さに
気づいているが
追うことはしない
愛など馬鹿なものだと言った
自分の言葉が
引っかかっているからだ

もう二度と愛しはしないと
去っていった神の
足跡に座って
あなたは未だに
ぼんやりと考えている

どうにかして
自分が正しいことにできないかと
誰もが自分に従う
黄金の法がありはしないかと

馬鹿者よ 馬鹿者よ
孤独の水があなたを洗い
あなたは落ちてゆく
遠い虚無の地獄に
落ちてゆく

変わることのない
黎明の光の中で
愛に心を背けながら
永遠に迷っていくのか
愚か者よ



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ミネラウヴァ・58

2023-08-12 03:59:03 | 詩集・瑠璃の籠

絶望の壁が
あなたを取り囲む
嘘に取りつかれ
本当の自分を忘れた
あなたを

遠い昔に
犯した罪のことなど
永遠に忘れて
完璧な白い人間になりたいと
神の蔵から真珠を盗んだ
あなたを

真珠を砕いて
それを全身に塗り
自分は清い人間だと
神の前で嘘をついた
あなたを

絶望の壁が
あなたを取り囲む
それは長い神のため息を浴び
あなたを遠い世界へと
運び去る

もう二度と
こんなものを
愛したくはないと
神は涙で目を閉じる

絶望の壁が
あなたを取り囲む
嘘に取りつかれ
本当の自分を忘れた
あなたを



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