月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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ウラヌス・13

2017-03-01 04:15:31 | 詩集・瑠璃の籠

つらいつらいというだけで
何もせず
誰かに助けてもらえるのを
待っているだけのものは
もう永遠に捨ておかれるだろう

何もできないと思い込んでいる自分を
濡れた毛皮のように着込んで
寒い虚無の暗闇の中に
永遠に魂を閉じ込め続けるだろう

そのような馬鹿になるのが
いやだと思うものは
腐りきった自分の幻を脱ぎ
何もかもをやるために
飛び立っていくがよい

すべては終わった
あれらの苦悩はすべて
自分がつらいものだと思い込んでいた
その自分に
キノコのように生えていた幻だったのだ
阿呆だと思っていた自分の目に
絢爛豪華なものに見えていたものは
すべて糞のように何の意味もないものだったのだ

本当の自分は
自分であることこそが
真の幸福であることを見抜き
それゆえに
永遠に
つらいなどということはない
苦悩は
鋼のように清い自分を使い
刃のように馬鹿を切り払うときに生じる
かすかな愛の痛みに
自分が濡れる時に生じるが
それも一瞬のことだ

阿呆はもう
二度といやだと思うものは
飛び立っていくがよい




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