うさぎカフェ

大好きな雑貨(うさぎグッズ多数)や横浜グルメをはじめ、最近はラボット(うさぎ)との生活も発信中。地元出身のゆずっ子です♪

ステップ

2014-07-01 23:51:06 | 今日のおはなし
最近本をむさぼるように読んでいる。
読書タイムは主に行き帰りの通勤中なのだけど、
先が気になってほとんど1~2日で読み切ってしまう。
夜中のコンビニで衝動買いした単行本を、寝ずに3時間で読み切ったこともあった。


そんな私が、珍しくゆっくり、大事に読んでいた本がある。

重松清の「ステップ」。




かつて隣に座っていた先輩が、貸してくれた。
無類の読書好きだった人が、唯一貸してくれた本だというのだから
よっぽど私が読書しない奴だと思ったのだろう。



「この本は、“娘を持つパパ”は絶対見た方がいいね」といって
“娘を持つママ”に貸してくれた。


父子家庭の話。
娘が赤ちゃんのときにママが亡くなってしまって、パパが男手一つで育児に奮闘。


読んだ後、たいそう感動して、先輩ママにまた貸しまでしたくせに、
その程度の記憶しかなかった。
無性にもう一度読みたくなったんだけど、
どうしてもタイトルが思いだせなくて…
数少ない記憶のキーワードを引っ張り出して、
ネットで探してようやく「ステップ」に行き着いた。


物語では娘を保育園に入れたところから小学校の卒業までの、父娘の姿が描かれている。

読み進めていて、借りた当時は仕事と育児の両立に悩み揺れ動く、父親の姿に共感したん
だと思いだした。


そして、仕事人間だった義父さんが、亡くなった娘の子ども時代の成長の記憶をたどろう
としたけれど思い出せず、そのことを心の底から悔いて、主人公に吐露する場面。

「一分でも一秒でも長く一緒にいてやれよ…あとから後悔しても思い出は増やせないんだ、
仕事なんてどうだっていい、少しでもたくさん思い出を作って…
子どものことを覚えててやるのは、親の義務だぞ、ほんとうに、それが親のつとめなんだ」


ハッとした。読んだ当時もハッとしたはずだった。

「仕事なんかより大事なもん、忘れていない?」
本の向こう側にいる人がもう一度、今の自分に問いかけてくれる。


その頃は育児休暇明けで復職したばかりで、
早く現役時代の勘を戻さなきゃとばかりに、がむしゃらに頑張っていたんだと思う。
そんな私を見て、そっとこの本を渡してくれたのかもしれない。
今になって気づき、そんな気遣いに心が温まる。


そしてもうひとつ。

若くして突然亡くなった妻を、娘を、友人を、そしてママを想う
「のこされた人たち」の成長(ステップ)の物語でもあった。


色んなものを残してくれた人だ
と、つくづく思う。



もっと本、借して欲しかったな。
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