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保税展 出展ブランドについて

2024年03月10日 | 楽しいお話し

 今年の「啓蟄(けいちつ)」は、3月5日でした。
二十四節気の「啓蟄」は、春になって、土の中で冬眠していた虫たちが出てくる…という意味なのだそうです。次の二十四節気は3月20日の「春分」です
 私は、こういう「季節に関する様々な雑学」が大好きです。日頃、あまり意識せずに使っている言葉にも、様々な深い意味と歴史がある、と言うことを知ると、本当に心が豊かになります また、別の機会に、この二十四節気に関しても書いてみたいと思います。

 さてさて。
今日も前回にアナウンスをした通り、ジュエリーについて3連続の宝石関連…は今回で終了です。「最初のダイヤモンドの話しは面白かったけれど… さすがに、もうゲップが出そう…」と叱られてしまうかもしれません。すみません
 今日は、2週間後に迫った「春の保税展 2024」に出展されるいくつかのブランドのご紹介をさせてくださいね。それに付随した形で、ちょっとしたジュエリーの雑学も。

 ひとつめ「ロレンツ・バウマー」
前回の秋の保税展に、初めて出展されたフランスの工房です。パリのヴァンドーム広場にサロンを構えています
 さあ、ここで1つ目の雑学。「ヴァンドーム広場」というパリにある地名は、きっと女性であれば1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか? 日本の、比較的若い世代向けのジュエリーブランドに「ヴァンドーム〇〇」というのがありますが、その「ヴァンドーム」も、この広場の名前にちなむもの。
 ヴァンドーム広場は、もともとは1702年、ルイ14世の栄光を讃えるために計画された広場なのだそうです。でも、その後は様々な英雄達の思惑により、名前も使い方も変わりました ナポレオンもその中の一人です。
 そんなヴァンドーム広場が脚光を浴びるようになったのは、「ザ・リッツ」と称される超高級ホテル「リッツカールトン パリ」や、パーク・ハイアット・ヴァンドーム、ブリストル(現在は、オテル・ド・ヴァンドーム)がこの地に誕生し、そして、その後、多くの著名な服飾デザイナーや宝飾ブランドがサロンを開くようになったから、なのですね

 二つ目の雑学。
このヴァンドーム広場にサロンを構えている「世界5大ジュエラー」とは、何でしょうか?
 その答え。①ティファニー ②カルティエ ③ブルガリ ④ヴァンクリフ&アペル ⑤ハリーウィンストン です。
 …とここまでで雑学は終えるとして。
その由緒あるヴァンドーム広場に、自身のサロンを構えているロレンツ・バウマー(ブランド名であり、オーナーデザイナーの名前、です)。
 まだまだ歴史の浅い、新進気鋭の存在と言えるこのオーナーデザイナーは、私の勝手な想像ですが… 内原の保税展を足掛かりに、日本への出展を狙っている?!ここで自分のジュエリーを日本人の特別な人達に紹介し、知ってもらうことから日本での展開をスタートさせようとする思惑がある?!
 とまあ、そんなことは横に置き、とにかく、内原のバイヤーのご苦労で、前回の秋の保税展に続き、今回も2回目の出展となりました
 「そんなブランドの宝石ならば、どうせ、美術館に並ぶようなものばかりがやってくるのでしょう」と思われるでしょう?
 私も前回はそんな風に思い、ほとんど興味を持っていなかったのですが… いえいえ、超高価なものもありますが、そういうアート的な一品物的なものばかりではなく、彼の豊かな感性がうかがえる、ほどよい価格帯のシリーズも数多く出展されます。とても見ごたえ、学び甲斐のあるブランドでした。
 中でも、私が気に入ったのが「ハートビート」というシリーズ。
彼の第一子、息子が誕生した時に見た「心電図の波形」がモチーフになっています。波形ですので、折れ線グラフのような曲線なのですが、この波形を素敵なジュエリーのデザインに仕上げたのですねえ。リングだけではなく、ペンダントもあります 芸術性だけではなく、彼の人間味に溢れる愛情豊かな表現力が、そのままジュエリーになっているのも素敵。乞うご期待です

 そして、次は「クリヴェリ」。前回に少し触れましたが、イタリア最大のジュエリー企業です。このブランドでは、リングやピアスなど、多くのジュエリーに必ず使われている「メレ」と呼ばれる小さな小さなダイヤでさえ、品質の高いものしか使わないという徹底ぶりです。だからこそ、本当に輝きが違う… 毎回、保税展では優秀なデザイナー達が送り出した素晴らしいジュエリーが並びます。

 前回の復習ですが…
このクリヴェリの特長は、クリヴェリでデザインされ、製作されたジュエリー達は世界中に出回っていくものの、実際には「クリヴェリ 」というブランド名では展開されない、ということ。覚えていらっしゃいますか?
 つまり、世界各国のバイヤーや宝石店、ブティックが国際的な展示会に行き、クリヴェリのブースでジュエリーを買い付け、持ち帰り、そして「自社のブランド名を付けて、店頭に並べてる」という展開方法、なんですよね。
 クリヴェリは価格帯も広く、出展されるジュエリーもたーくさんです
保税展では根強い人気を誇り、内原のお客様の中では、非常にファンの多い人気のブランドです。今回も、本当にたくさんのキラッキラがやってくるでしょう

 最後に、もう一つ「J. R. DIAM(ディアム)」
香港からの出展です。何と言っても、この工房は「ダイヤモンドを爪と呼ばれる台にセットせず、直接、ダイヤモンドにレーザーで穴を空けて繋いだり、セットする」という高い技術を持っています。
 この説明でわかっていただけましたか?それでは、ちょっと、「1個のラウンドブリリアントカットが施された、1粒石のダイヤモンドのリング」を想像してみてください
 この場合、中心の1個のダイヤモンドをリングに留めているのは、ダイヤモンドを「掴んだ」ようになっている「爪」と呼ばれる金属、です。
 ネックレスでも、1粒石のプチペンダントであれば、同じ留め方をしているでしょう。時には、1粒のダイヤモンドをくるっと取り巻くような輪っかが手の金属で留められている場合もあるかもしれません。いずれにしても、今までは、ダイヤモンドに限らず、宝石を台座に留める時には、金属の爪や輪っかで固定していたのです。
 しかし10年ほど前から、金属の爪や輪っかでダイヤモンドの石をセットせず、「ダイヤモンドに直接穴を開け、チェーンなどでつなぐ」というジュエリーが見られるようになりました。
 この場合、見える時にダイヤモンドの邪魔になる「爪」や「輪っか」がないため、ダイヤモンドそのものが見え、非常に輝きが増すのです。
 ここ数年は、ヨーロッパの工房でもこの「レーザーを使い、ダイヤモンドに穴を開ける」という技術を取り入れ、同じようなジュエリーを完成させようとしています。
 しかし、残念ながらなかなか上手くいかず、製作中にダイヤモンドが割れてしまう…という惨事。それはなぜか?それは、技術の違いと、最大の違いは「使うダイヤモンドの品質」にあります。
 他の工房は「割れる」という失敗を恐れ(割れてしまえば、ジュエリーとして使い物になりませんから)、ダイヤモンドのカラーは良いものを選んでも、多少、質の低めのダイヤモンドを使うことが多い、と言われています。
 まさに、前々回に説明した「4C」のお話しです。ここJ.R.ディアムが使うダイヤは、品質表記の中の「Clarity 透明度」、この高いものを使っています。
 「Clarity 透明度」が高いものは、「ダイヤモンドの中に、内包物が少ない」のでしたよね。つまり、ダイヤモンドにレーザーで穴を開けようとすると、異物がなければ穴は開きますが、もし異物が混じっていると、その異物、内包物のところから「割れる」という危険性があるわけです「J.R.ディアム」が使うダイヤは、どんなに小さなダイヤであっても、婚約指輪に出来るほどの高い「Clarity 透明度」品質のものを惜しみなく使うから、輝きも違う…という訳です。

 これはちょっとシュールな笑い話ですが…
「ダイヤモンドだ」と知らないで見ていると、「きゃー、きれい スワロフスキー?さすが、スワロフスキーのクリスタルは輝きが違うわよね
 いえいえ じつは、これはスワロフスキーではなく、「ダイヤモンド」です。

 今回初出展の「FALCHINELLI(ファルチネッリ)」というイタリアのブランドも楽しみです。かなり斬新でユニークなデザインのようで、こちらにも興味津々です。
 日程は下記の通りです。
ご来場の日程が決まりましたら、メールでお知らせくださいね。保税展には、東京税関への事前登録が必要なので、残念ながら当日、フラリと来ていただくわけにはいきません。前々日までにお知らせください。みなさまからのご紹介があれば、他の方もご一緒していただけます。お目にかかるのを楽しみにしています。

 「春の保税展 2024」 

 3月22日(金) 午後0時 ~ 午後6時まで

 3月28日(木) 午前10時半 ~ 午後6時まで

 3月30日(土) 午前10時 半~ 午後6時まで

 3月31日(日) 午前10時半 ~ 午後6時まで

 4月4日(木)~ 4月7日(日)午前10時半~午後6時まで

 日比谷線・大江戸線「六本木駅」 千代田線「乃木坂駅」下車
 東京都港区六本木7-2-7 「ガレリア UCHIHARA」 地下2階 保税蔵置場・地下ホール


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