クラブ・マナーズニュース

マナーズを巣立たれたみなさま、縁者のみなさまとつながっていたい!そんな私が月3回「0」の付く日にブログをアップします!

いろんな工房、ブランドがあります!

2024年10月30日 | 楽しいお話し

 いよいよ11月が始まります。こんな時期になって、やっと気候も「秋」になってきたようです
 いつまで経っても半袖がそのままで、クローゼットの中は夏秋混在でぐちゃぐちゃ。さすがに「麻」のものだけは片付けましたが… これからの日本は「重ね着」が主流になりそうですね

 さて、今日はまた、ジュエリーのお話をします
「ええ またあ」と眉間にシワが寄りますか?ごめんなさい でもね、それも承知の上で、敢えて話題に選びました。
 ここでもご紹介した通り、今年も10月18日から秋の保税展が始まっていて、11月4日でその会期が終わります。今回は、春の保税展に比べると、ちょっと出展数が少ないかもしれませんが、やっぱり日頃、日本では目にすることのない、最新の世界のジュエリーに出会えるのはうれしいものです

 先日、今年の春の保税展時、初めて足を運んでくださった方が、再びおいでくださいました。その方は、前回はマナーズの卒業生ママとご一緒にされたのですが、今回はお一人でのご来場。
 その日は、いつものように時間をかけて、いろいろな宝石や工房のお話をしながら見て廻り、最後にはジュエリー達に囲まれて会場でお茶をご一緒しました その時に、こんなお話をしてくださり… 私はとても興味深くお聞きしました。
 「私は結婚が決まるまで、全くジュエリーには興味がありませんでした。なので、婚約指輪も必要ないと思い、シンプルな結婚指輪だけ!をもらおうと思いました。ただ、一生に一度の貴重なものなのだから、真剣に選ばなくちゃ!と思い、いろいろと調べました。そして、初めて大真面目にジュエリーに向かってみると、シンプルな結婚指輪一つとってもとても奥が深く、宝石ってじつは奥の深いものなんだなあ…と実感したんです。そしたら、何だかすごく興味が湧いてきて、いろいろ見てみたい!思い始めたんですよね。でも、結局、結婚指輪選びが終わると、なかなかジュエリーを見る機会なんてないわけです。デパートの宝飾売場はシーンとしていて、真面目に眺めようもんなら、必ず何かお探しですか?お出ししましょうか?と声をかけられるでしょう?それも鬱陶しい… 英語みたいに「Oh, I'm just looking !」なんて便利な言葉はないし… そのうちに、どんどん年月が経過してしまいました。そんな時に、この保税展の話を同級生から聞き、思い切ってお邪魔したんですよ。」と。

 いやいや、私もそんなお話をお聞き出来て、前回も今回も、とても楽しんでいただけたことが何よりうれしかったですし 本当に「縁」と「タイミング」とは不思議なもの、ですね。
 それに、実際に「縁」にも「タイミング」にも恵まれても、それをキャッチしなければ見逃してしまうもの、でもあります。「好機、逸すべからず」と言いますもんね。
 何事も「少しだけ深く知れば、興味が湧いてくる」ものです。否、これは少々違うかもしれません、言い換えましょう。何事も「少しだけ深く知れば、自分にとってそれが興味がもっとわいてくるものなのか?そうではないものなのか?が、はっきりと見えてくる」ということ、ですね
 この方の場合は「結婚指輪を選ぶ」ということによって、それまで「興味なし」と思っていたジュエリーが、「なかなか面白い、興味深い、もっと知ってみたい」と思えるものだった、ということに気づかれ、なかなかその機会に恵まれずに何年も経過したものの、偶然にも同窓会?で会った友達から「こんな珍しい機会があるよ」と声を掛けられ、「おー、それは行ってみたい」というチャンスに恵まれた… そう言えば、前回春の保税展においでになった時には、私も初めての方に対し、多少は遠慮もし、大はしゃぎは控えたものの、意外にたくさんご質問をされた、ということを覚えてはいたのです。

 ということで。
 現在は、まだ秋の保税展の会期中ではありますが、すでに前回のクラブマナーズ・ニュースでもお知らせをした通り、11月23日の祝日、ホテル・ニューオータニで開催される「ガレリアスペシャル 2024 秋」が開催されます。
 せっかくの機会ですので、今日はこの催しに出展されるジュエリー達、そのブランド、工房のご紹介をしようと思います
 わざわざ足を運ぶ、というところまで心は動いてはいないけれど、多少なりとも興味はあるんだけどなあ…という方もおいでになるかもしれません。
 また、今までに数回、ジュエリーマナーズの催しに足を運んだのだけれど、最近は都合が合わずに残念だ、と思っていた方にも、出展ブランドのいくつかについてお話をし、楽しんでいただければ…と思います
 すべての出展ブランドを網羅してはいませんが、主だったものについて「私の感想」としてご紹介します。
 何度もしつこいほど「気軽においでくださいね」とお伝えしても、どうしても「そんなこと言われても… 行ったら、やっぱり買わないと帰れない…んじゃないの」と思っている方が少なくない、と聞きました。残念でなりません… でも、読んでいただくだけでも、少しは楽しんでいただけるのならば、私はハッピ~です 

 なお、各ブランドに「私がブログの中でこんな風に書きますよ」とお伝えし、事前にご承諾を得ている訳ではありませんので、ブランド名、工房名は明記せず、イニシャルで表記することにいたします!

「ブランド S」
 
創業から100余年、宝石の卸商だった内原が、2006年、満を持して発表したオリジナルのダイヤモンドジュエリーのブランドです。全国の高島屋の宝飾品売場では、メインの一つのブランドとして、赤いスペシャルウインドーに展示。高島屋ではあっても、売場の担当は全員、内原の社員です。
 南アフリカ、ボツワナ、レソト、ナミビア等、南部アフリカの鉱山で産出される超高品質のダイヤモンドのみを用い、選別、デザイン、製作まですべてを内原自社で行う特別なダイヤモンドジュエリー。0,2カラット以上のダイヤには、1つ1つにすべて刻印がされています。「氏と育ち」と言う言葉がありますが、要するにサバースは「氏から、他とは一線を画す」というダイヤモンドです。

「R社」 
 1854年創業のオランダの老舗ブランド。
日本では、ブライダルジュエリーとして人気が高く、ご存知の方も多いかもしれません。
 1905年、南アフリカの鉱山で産出された世界最大のダイヤモンド「カリナン」。そのカリナンは、当時の南アフリカの宗主国イギリスのものとなりました。イギリス王室は、そのカリナンダイヤモンドのカットを、アッシャー社の三代目ジョセフ・アッシャー氏に依頼。見事に成し遂げた功績として、R社はイギリス王室から「ロイヤル」の称号を与えられました。
 ダイヤモンドのカットとして一般的なものはラウンドブリリアントカット。しかし、R社では輝きを追求し、独自に「アッシャーカット」という自社のカットを開発。ラウンドブリリアントカットが57、もしくは58面のカット面であるのに対し、アッシャーカットは74面。上記の「カリナンダイヤモンド」も74面のカットで仕上げられていました。
 ここ数年は、老舗としては画期的な試みとして、セラミックを多用した斬新なダイヤモンドジュエリーも展開しています。

「C社」 
 イタリア最大のジュエリー企業です。
リングやピアスなど、多くのジュエリーに使われている「メレ」と呼ばれる非常に小粒のダイヤでさえ、VSクラス*注 の品質の高いものしか使わない!という徹底ぶりで、デザイン、価格等々、すべてにおいて絶対に外すことのないブランドです。
 このC社の最大の特長は「C」というブランド名では展開されていない、ということ。つまり、C社は自社でデザインから製作まで手掛け、それらを世界で開催されるジュエリーショーに出展。世界中から集うバイヤー達、ブランド、宝石店はその会場でC社から買い付けをします。各社がそれぞれ自社に持ち帰った後、C社のジュエリー達は、それぞれのブランド名を冠して店頭に並べられます。要するに、C社はデザインも製作もする「卸商」なのですね。
 こういうことから、ハリウッドやカンヌ、ヴェネチア等々の映画祭で、レッドカーペットを歩く女優達が「今回、身に付けているジュエリーは、〇〇ブランドのものです!」と紹介されたとしても、実際にはそのうちのいくつかは「C社のジュエリー!」ということもあり、なのです。
 「C社の世界観」は世界で愛され、価格帯も非常に広いジュエリーです。まさに、知る人ぞ知る「秘かな世界ブランド」と言って良いでしょう。
*注  ダイヤモンドのグレードで、内包物の有無を表す表記です。「VS1」とは、「Very Slightly Included ごくわずかに(内包物が)含まれている」という意味です。「VS1」と「VS2」2つのグレードに分かれ、2よりも1のほうがグレードは高い。

「F社」 
 神戸に本社、工房を置く真珠のブランド、です。
日本では昔から「真珠は冠婚葬祭用」というイメージの強いジュエリーですが、そんな日本女性の思い込みを一新すべく、F社は創業当初より「様々なシーンで装える、もっと身近なジュエリーを!」コンセプトに、パールジュエリーを展開しています。
 日本ではまだまだ馴染みの薄い「タヒチアンブラックパール」や、大変希少性の高いピンク色の「コンクパール」、クジャクアワビから採れる「アバロニパール」、オレンジ色の「メロパール」。最近、やっと認知度が高くなった「バロック」と呼ばれる真円(しんえん、真ん丸)ではない変形パールなど、オリジナリティーの高いものばかり。すべての材料は直接現地に赴き、独自のルートで仕入れ。デザイン、製作、すべてを自社で行うパールジュエリーは圧巻です。

Y 」 
 日本のブランド、工房です。
色石、つまりルビーやサファイア、エメラルドといった宝石を使ったジュエリーに強いブランドです。「強い」とはどういう意味なのか?
 じつは、Y社の代表はスリランカ人(秘密とまではいかなくても、あまり公言はされていません)。多くの宝石の原石を産出する島国、スリランカ。そういう強みを生かし、非常に品質の高い色石を、特別なルートで安価に手に入れ、自社製品を製作。他社ではなかなか真似はできません。
 また、鉱山の閉山や、鉱脈から原石自体が枯渇していく宝石…希少石と呼ばれるような宝石を使ったジュエリーも多く扱っています。「パライバトルマリン」や「パパラチアサファイア」「デマントイドガーネット」「タンザナイト」などがそれに当たります。
 なかなかデパートや宝飾店では見ることの出来ない「希少石の宝石」を身に付けて楽しむ…この醍醐味はなかなかの気分です。

「ブランド I」 
 日本のブランド、工房です。
宝石とエナメル(ヨーロッパの七宝焼の技法)を組み合わせた、非常に個性的な、独特の世界観を持つジュエリーです。花々、草や樹木、鳥や蝶など、モチーフは自然の中にあるもの。
 飾り職人の3代目として生まれたN氏がデザイン、製作する繊細で優美なジュエリー達は、眺めているだけで、まるで自然の中入り込んでいくようです。
 エナメルと宝石のコラボは、ヨーロッパでは昔から使われる技法ですが、日本では滅多に見ることはなく、その発想そのものがユニークと考えられがち。そういう意味から、ブランドIの作品をご覧になり、気に入られても、気持ちのどこかで「むー、七宝焼ではなあ…」という感覚から脱却できない日本人が多い…残念です。是非、N氏の優美な世界観を楽しんでください。

「E社」
 日本のブランド、工房です。(じつは「私の推し」の工房、ブランドです。)
何よりもこの工房の優れているところは、ダイヤモンドのセッティング加工のすばらしさ。複数個のダイヤを高い技術で集めてセット。1粒石のダイヤと見紛う仕上がりです。そのすばらしさ、技術の高さについて私は熱弁をふるのですが、それを聞いた方の中には「1粒の大きなダイヤのジュエリーは高価すぎるから、小さなダイヤを集めて1個に見えるように加工している、ってこと、ですよね?」と言われることも。いえいえ、それはそれ、これはこれ!1粒石ダイヤとは別物、違う良さ、なのです。
 というのも、複数個のダイヤをセットしているからこそ、カット面が増え、光の反射が多くなる。そのことによって、輝きが増幅するのです。
 E社が作り出すダイヤモンドジュエリーは、高級感を保ちながらも、カジュアル使いが出来るものも多く、すべてが「推し」としてご紹介する逸品揃いです。

「CA社」 
 日本のブランド、工房です。
ここの工房は、チェーン状のジュエリーが基本になっています。チェーン状にした金属を連結させてネックレスやピアス、ブローチなどを製作。その連結方法は「特許申請」されています。
 しなやかに肌や衣類に添う構造で、とっても美しいのです。そのチェーン状の金属加工の中に宝石や真珠、サンゴ等を入れ込み、独特の世界観を産んでいます。
 現皇后陛下、雅子様がご成婚の時、お嫁入りのジュエリーとしてこの工房のジュエリーを持参されました。そんな逸話もある由緒あるブランドです。

「ブランド D」
 1966年創業の日本のブランド、工房です。
ダイヤモンドには、一般的な無色透明のダイヤの他に、ピンク、オレンジ、イエロー、グリーン、ブルー…という透明ではない、カラーダイヤがあります。鉱物的には一般的な無色のダイヤモンドと同じですが、数十億年という年月の中で、ちょっとした地球のいたずら?!によって色に変化が生まれました。
 豊かな色彩美のカラーダイヤモンドが、感性あふれるクリエーター達により、魅力的なコレクションに仕上がっています。
 静かに人気の高まっているカラーダイヤですが、やはり希少性が非常に高いが故に、価格も当然「非常に高価」となります。それらを独自のルートで仕入れ、「がんばれば手の届く?!程度の価格帯」で仕上げられたファンシーカラーのダイヤ達は、まさに必見の価値あり、です。

 いかがでしょう?楽しんでいただけましたか?
読んで、知って、少しでも楽しんでください「ジュエリーマナーズ」の楽しみ方はいろいろ、ですもの。
 悠久の大地が育んだ奇跡の石、宝石  会場に足を運んでいただければ、その摩訶不思議な大きなパワーを感じ、そのエネルギーに浴していただけます。興味をもたれたものを実際に会場で身に付けて楽しむも良し。もちろん、自分のものとなったジュエリーを楽しむのも良し、です、ふふふ。

 諺に「時は得難くして、失い易し」とも言いますが… いえいえ、ジュエリーマナーズの場合は違います。ジュエリーを見るチャンスは、年に何度もありますよ。ご自分の中で機が熟せば、どうぞおいでくださいね

 「ガレリアスペシャル Tokyo 2024 秋」

  • 開催日時:11月23日(祝・土)午前10時30分 ~ 午後6時
  • 会場:ホテルニューオータニ シリウスの間

 保税展とは違い、事前登録の必要はありませんが、ご都合があって少しだけでものぞいてみよう、ということになれば、前日までにメールでお知らせくださいね。
 見終わった後、ジュエリーに囲まれてお茶をご一緒することも楽しみです

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ひと言、を発しましょうよ!

2024年10月20日 | 楽しいお話し

 10月も半ばを過ぎました。にも関わらず、半袖が手放せないなんて… 信じられませんよね、ホント もちろん、澄んだ夜空のお月様を見たり、朝夕の冷たい空気を感じると「秋がやってきたな…」と思いますが、いつになれば「本当の秋」になるのでしょうか。

 じつは… いよいよ、始まります
小学校受験の経験者は、我が子が成長し、「お受験」と呼ばれる独特の世界が遠い昔の思い出になっても、秋口に「紺装束一家」を町で目にすると、「あっ…」と思うものではないでしょうか。
 今年の神奈川校の一斉考査日は「10月22日」。週明けの火曜日、です。
 この時期を迎え、私はさあどうしようかと考えましたが… やっぱり私「真っ赤なマニキュア」を塗ることにしました たぶん、この縁起担ぎも今年が最後、にするでしょうかね。
 一生懸命がんばってきた小さな受験生達、その我が子を愛情深くサポートしてきたパパママ達へのエールの証「赤の装い」。
 コロナの流行以降、長時間、目の前のネイリストと接する時間を避け、ネイルサロンには行かずに昔のように自分でマニキュアを塗ることにしていました。最初の1年目は、サロンでのようには凝ったデザインを楽しめないこと、長い間自分で塗っていなかったため、なかなか満足のいくように塗れない情けなさを感じていましたが…
 でも、人とは素敵な生き物です マニキュアに限らず、万事「慣れて」くると、それが楽しくなっていく  気づき、そこからのあらたな工夫、等々。
 私は若い頃から、アメリカの「OPI」というブランドのネイルラッカーを愛用しているのですが、その会社のホームページの色見本を何本も何本も眺めながら、イメージするのも楽しいですしね。今では、洗面所の棚に並んだ「ほんの少しずつ違う赤色のエナメル」を見ると、胸キュンの思いです。去年までは、9月に入ると、すぐに赤を塗り始め、考査がすべて終了するまでには、3回から4回、塗り替えていましたねえ…
 今年は、その赤いマニキュアを塗りながら、巣立っていった子ども達のことを、最後のクラスの日のことを、たーくさん思い出したいと思います

 さて。
つい先日、銀行に行った時の出来事。それをきっかけに、いろいろと考えたことをお話したいと思います
 その日の銀行での用は「両替」でした お約束の会食時、幹事さんにお渡しする会費を、やっぱり「新札」でお渡しをしたい、と思ったのです。
 両替機に並ぶと、私の前には「飲食店のオープン前に両替にこられた」と思しき方が両替をされていました。正直、私は「ああ、失敗したな この時間は、おつりをご用意されるこういう方がたくさん来られる時間帯なんだな…」と思い、かなり待つであろうことを覚悟しました
 ちょうど、私がそんなことを考えている時、その前の方が後ろを振り返り、チラッと私のほうを見られたのです。そして、私の予想に反して、その方はさっと両替機の前から離れられました 私は「えっ」と思いつつも、待つことを覚悟した後だったので、かなりラッキーと思い… 両替機の前に立ち、「新券に替える」のボタンを押して待ちました。
 私の用はたったそれだけのこと、ですからね。機械にお札を入れ、両替のためのボタンと新札希望のボタンを押し、15秒?20秒?くらいの時間。

 出てきたピンピンのお札を封筒に入れ、手早く折れないようにそっとバッグに入れ、機械の前を離れると、何と!私の後ろで順番を待っていたのは「さっきまで私の前で両替をしていた方」でした
 私はピンときました。「ああ、この方は私の装いから、社用でたくさんの両替をする人ではない、と判断して、わざわざ私を待たせないために、先にさせてくれたのだなあ。」と

 私はその方に向かって言いました。「まあ、わざわざ譲ってくださったのですね。本当にありがとうございました お急ぎでしたでしょうに。助かりました」と。すると、その方はキョトンとした様子。そして小さな声で「あ…ああ、まあ。わざわざお礼なんて。びっくりしたあ。」と言われ、少し照れた感じの表情で、かぶっていたキャップを目深にかぶり直されました。

 私は、ものすごーく驚きました いや、驚いたというよりも、意外だった、と言うべきでしょうか。一連の、とても自然な流れから推測すると、この「キャップさん」は、今までにもご自分が銀行で両替をする時、何度も同じような「心遣い」を後ろに並ばれた方にされていたに違いありません にも関わらず、私がお礼を言ったことに対し、「わざわざお礼なんて。びっくりしたあ。」とおっしゃった…
 ということは、この方のこういう「心遣い、配慮」に対し、譲られた多くの方はお礼の一言も言わなかった、ということではないのか?
 何てことでしょう 人の厚意に対し、何のお礼の意思表示もしないなんて、とんでもないことだ

 言葉は、「発するため」にあるもの、です。それは手話でも同じ事
自分の思いを相手に伝えるため、言葉を使う。こんなに大切なことはない、と私は常々考えています。
 幼い子どもの育児中には、よく「ちゃんと『ごめんなさい』をした?」というシチュエーションがありましよね?多くの親族は、案外「感謝よりも詫びること」をより大事にしていたのかな、と思います。まあ、子どもが幼い頃には、我が子が我がままを言ったり、我を張ったりすることで、世間や相手に対して詫びるシチュエーションが多い、ということでしょうね。
 でも、子どもが長じるにつれて、さすがに「詫びる、許しを請う」状況は減ってきて、それよりもはるかに相手に「感謝の意を表す」頻度が増えてきます
 それがどんなに些細な事であっても、相手に感謝を伝えると、相手の心は和み、そこに温かい空気が生まれる… 何と素敵なことでしょう

 みなさんご存知のように、私は大阪で生まれ育ちました。大阪の人はね、少なくとも昭和生まれの大阪の人は、よく人と話しをします。その相手が、全く知らない人であっても、です
 たとえば… 信号待ちをしている時、たまたま横に立ったおばあちゃんにも、黙って信号が変わるのを待つよりも、「ええお天気ですねえ」とちょっと声をかける。すると、おばあちゃんも笑顔で「ほんま、気持ちよろしなあ。今日はどこ行きはんのん?気を付けて」と返してくれる。そして「ありがとございます」とまた返す。これだけのことで、その時間、ホンワカします。

 いや、待てよ。関東では、知らない人に声をかけられるだけで、「何この人」と訝しく思われるでしょうかねえ…むー、それは残念です
 まあ、いずれにしても、です。私は、常日頃から「もっともっと人は言葉を発するべきだ」と思っているのです
 わざわざ知らない人と話さなくても、ちょっとした時、無言で終わってしまうよりも「ありがとうございます」とか「お先に」とか「どうぞ」とか、そんなひと言を発したほうが良いシチュエーションってありますよね。エレベーターの乗り降りの時、然り、いろんなドアの出入りの時、然り。

 本当は、誰もが心の中では「その言葉」を思いついているはず。でも、わざわざ言わないだけ、ではありませんか?もしそうならば、言いましょうよ
 せっかく天のカミサマから「言葉」という贈り物をもらった人間たちです。もっともっと「言葉を発すること」「そこから生まれる空気」を大切にしたい、と私は心から思っています

  新しいジュエリーの催しのご紹介です 

 えっ?前回も前々回も「秋の保税展」の案内が記載されていたでしょう?もう次の催しがあんのお?なんて、言わないでくださいね
 コロナの流行以降、ジュエリー界でも大きな、人の集まる催し、の機会がグッと減ったのです。来年になるとどうかはわかりませんが、少なくとも今年は、年が明けて初めての催しが「春の保税展」その次が外部会場での「春のガレリアスペシャル」、そして、約半年を空けて「秋の保税展」となりました。
 今日、ご案内するのは、下記のジュエリーフェアです。外部会場で華やかに催されます。国内外、10社以上のブランド、工房から、新作を含む逸品達が勢ぞろい
 1年を通じ、都心にありながらもホテルニューオータニのお庭はきれいですが、特に秋の時期のお庭はステキです。
 豊かな時間、溢れるジュエリーパワーはいかがですか?

「ガレリアスペシャル Tokyo 2024 秋」

  • 開催日時:11月23日(祝・土)午前10時30分 ~ 午後6時
  • 会場:ホテルニューオータニ シリウスの間
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20年後の私?!

2024年10月10日 | 考える ひとしずく

 10月も半ばに近づきました。気温のアップダウンが激しく、なかなか「素敵な秋」を感じられません。せめて味覚からだけでも、と思い、先日、夫の出張中に「栗ご飯」を炊きました 夫は、モンブランは大好物なのですが、「栗はご飯には合わんやろ… 栗もカボチャも、芋も、豆も、みんなデンプンやからな。もちろん米もデンプン。デンプンとデンプンを合わすんは違うと思うんやなあ、どう考えても」というのが夫の持論。なんか、小学校の時の理科の先生が一人でつぶやいている感じ。でも、モンブランのスポンジは小麦粉から作られていますよね。まさに「デンプンとデンプンを合わしている」わけで… まあ、無意味なケンカを売るよりも、「なるほどね、そっかそっか」と素直に納得し、私は春のエンドウご飯、秋の栗ご飯は、常に夫の出張中に「美味しいものを独り占め」の気分で堪能しています
 季節感と言えば… 昭和50年代あたりまでは、6月1日、10月1日は「衣替え」と呼ばれ、小中高は一斉に冬服から夏服へ、夏服から冬服へ着替えたものです。それも一種の「季節感」だと感じていたので、ちょっと寂しい気持ちで、10月1日を迎えています
 でも、何せこの気候ですものね。そんなことをしたら、熱中症でバタバタと倒れる子が出てきてしまいます。だからこその「移行期」。でも、やっぱり季節感という「文化」は、大切に守りたいものです。

 さて、数日前、私の夫は70歳のお誕生日を迎えました70歳、喜寿です。
60歳は「還暦」、70歳は「喜寿」、77歳は「古希」、80歳は「傘寿」、88歳は「米寿」、90歳は「卒寿」、99歳は「白寿」、100歳は「百寿」と呼ばれて、特別なお祝いをしますよね。
 とは言え、88歳の米寿までは何となく知っていても、それ以降の卒寿、白寿、百寿となると…
私達夫婦は、すでに4人の親達を見送りましたが、卒寿を迎えたのは義母だけでした。私の母は89歳で亡くなり「お母さん、おしかった あとちょうど5ケ月やったのに。」という感じです

 夫は、幸か不幸かまだ現役で、相変わらず国内外への出張も多く、今年もお誕生日当日は北海道への出張中でした。奇しくも、夫のお誕生日は夫の母の命日でもあります。すごいでしょう?さすがに義母が亡くなって3年間は、「パパ、お誕生日、おっめでとう~」と朝から満面の笑顔で大騒ぎするのは控え、「お義母さんのご命日やねえ。パパ、お誕生日おめでとう」程度で済ませました。
 夫のいないお誕生日。今年は、朝起きるとすぐに、お仏壇のお水やお花の世話をし、義母が好きだったキキョウの絵の描かれたロウソクを灯し、お線香をあげて手を合わせてから、夫に「お誕生日おめでとう!」のラインを送りました

 70歳、喜寿を迎える… 夫は、かなり「思うところ」があるようです。
夫が言い出すまで、わざわざ聞き出そうとは思ってはいませんが… いろいろ考えるでしょうねえ。同窓会に言っても、ほとんどの友人は現役を退いているようですし、親しい同級生が集まっても「大台に乗る」という話題が頻繁に出るのだとか
 確かに振り返って見ると、私も39歳から40歳になる時、49歳から50歳になる時、59歳から60歳になる時はいろいろ感じたし、考えました。人は誰しも「10年間を一つの節目」と考えるものなのでしょう。
 けれど多くの人は、30代はお仕事は大変だし、子育ても大変。晩婚の今では、40代も子どもが独立するには至っていない場合が多い… やっと50代に入り、「自分の人生」を考えられるようになるもの、です そして大きな節目の「還暦」。ぐるっと暦がひとまわり。66歳の私は、その60代の半ばを過ぎました
 60代は半ばになると、ちょっとした(かなり)の変化を感じます。それは何かというと、行政法上「65歳以上を高齢者と呼ぶようになる」からです。これは、日本だけではなく、多くの国々でも同じようですよ。

 先日、ゆうちょ銀行に勤務しているという女性と偶然、知り合いました。まだまだお若いようですが、とても意欲的にお仕事に取り組まれている素敵な方で、職場での知識は「ほっかほか状態」。きっと仕事以外の場でも、誰かに話したくてうずうずされていたのでしょうね
 私を相手に、一生懸命にNISAや投資信託の話をしてくれました。もともと、そういうことにはかなり疎い私ですので、とっても興味深く、なるほど、なるほど、と聞かせていただいたのですが… 聞けば聞くほど、何か引っかかる…違和感を感じる
 その原因は何だろう?と考えてみると… 気づきました 話しの随所に登場する「20年後には」というフレーズ。
 20年後?むー… 彼女が「さらりと」言う20年後は、私は「86歳」です。私の父は、83歳で亡くなっていますからねえ…

 もちろん、これからも健康に留意し、様々な検査を怠らず、一日でも長く楽しく過ごせるようにしたい、と思っています。なにせ、私の持論は「私は、日々のいろいろな気づきを大切にし、常に学びを楽しんで生きていく。だから、私は死ぬその瞬間が『一番輝いている』と思う」ですから
 とは言え、人生、何があるかはわかりません。どんな宗教であっても、全知全能であるのは神様や仏様。人は自分の一生ではあっても、自分の意思で、自分の思いように終えるわけにはいかないものです。

 そんなことを考えていて… 思いました
 どうぞみなさん、今が何歳であっても、時々、真剣に「自分の毎日」をしみじみと眺めてみてください!そして、ちょっと疲れてるなあ…と思ったら、ご自分のために敢えて時間を作り、小休止をしてください。それが、一杯のコーヒーの時間であっても十分です。自分をかわいがってあげてください
 そして、そんな時にこそ、ご自分の3年後、5年後、10年後にも思いを馳せてみませんか?そうすれば、きっと、もっともっと「自分の今」を大事に思い、あらたな思いで過ごしていけるのではないか、と思うのです

 私はね、今まで、真面目には生きてきましたが、あまり「先の自分のこと」を考えてこなかったように思います 40代だった私は、50代になる自分のことを想像していませんでしたし、50代だった私は、60代の私のことを考えていませんでした。
 それを後悔には思ってはいませんが、「66歳になって、初めて『先のこと』を想像するようになった」というのは、ちょっと悲しいというか、残念というか… 違うように思うのです

 「今」を大切に生きることは、とっても素敵です まさに、私は今までそのように生きてきました。
 自分に起こる「うれしい事もハッピーな事」も、「辛い事も悲しい事」も、すべてゴクンと飲み込み、甘受し、すべてに感謝して生きてきましたが… もう少し今よりも若い時期に、「先の自分のこと」を想像したり、考えてみるのも大事だったんじゃないかな、って。
 正直、20年後…と「ゆうちょちゃん」に繰り返されて、86歳の自分は???と想像し、ちょこっとビビッています、はっはっは

 「秋の保税展 2024」 

10月18日(金)、19日(土)、20日(日)
10月24日(木)、25日(金)、26日(土)、27日(日)
11月1日(金)、2日(土)、3日(日・祝)、4日(月・休)

* いずれの日も、午前10時30分 ~ 午後6時

* 会場:内原東京保税蔵置場(ガレリア UCHIHARA B2ホール)
     東京都港区六本木7-2-7

 保税展は一般公開されない催しで、保税展の性質上、東京税関の管理下におかれています。来場には、事前登録が必要です。ご来場日時が決まりましたら、必ず事前に私にメールで来場者のお名前をお知らせくださいね

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