☆GREEN HEART☆

漫画と本と国府津があれば生きていけるかもしれない「ことは」のブログ。
はじめましての方は「自己紹介」をどうぞ!

北村薫さん『空飛ぶ馬』読破。

2006-03-04 | ■か行の作家
北村薫さん『空飛ぶ馬』とは
「夢に出てくる人がいるんです。でも、私はその人物に会ったことがないんですよ。全く知らない人。でも、その後、その人物が自分の前に現れたんです。」
「あの女の子たち。砂糖をいれてるんですよ。紅茶に。3人で順番に、一杯二杯三杯・・・七杯八杯・・・おかしいでしょう?なぜそんなに意地になって砂糖をいれてるんですかね。」
「えっ車に鍵をさしたままにしちゃったんですか?!大丈夫?盗難にあってなきゃいいですが・・。盗まれてた?何が?えっシートカバーですか・・?なんでそんなものが盗まれてるんでしょう・・」
ふとしたきっかけで、落語家「春桜亭円紫」と知り合いになった「私」。私たちの日常にひそむ些細で不可思議な謎が、二人の手によって明らかになっていく・・。

円紫さんと私シリーズの一作目。よくわからない説明になってしまった。
落語家の「円紫さん」が、女子大生の「私」の身の回りに起きた些細な謎を解いていきます。人が死なない、刑事が介入しない、犯人が逮捕されない推理小説。ホントの謎は、私たちの身の回りにたくさんころがっているのです。。というお話。
なんとなく心温まるようなお話や、人間の底眠っているマイナスの感情のお話などなど。
続編『夜の蝉』も読みましたが、毎回本当にたいしたことない、そのまま気づかずに通り過ぎてしまいそうなことを、題材にしてます。面白い。
「空飛ぶ馬」がすごく好きです。「砂糖合戦」は怖いですね。女の底意地の悪さをみた!「赤頭巾」は苦手なジャンル(男と女のどろどろ話?)でした。

落語好き&大学生が主人公なのでなんとなく親近感が・・。この本を読んで、去年迷ったけどやめた歌舞伎・浄瑠璃関係の授業をとろうと思いました。ちなみに「笑点」が大好きなので、無意識に「円紫さん」を「圓楽さん」と読んでしまいます(笑)
劇的なドラマを求める人には、向いてません。あと落語がきらいな人は、途中落語関係の話が結構はいるので、読むのが微妙につらいかなと思います。