☆GREEN HEART☆

漫画と本と国府津があれば生きていけるかもしれない「ことは」のブログ。
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畠中恵『とっても不幸な幸運』を読んだ

2008-12-13 | 畠中恵
恩田陸の『木曜組曲』とかも料理がおいしそうな本だと思うのですが

畠中恵『とっても不幸な幸運』
常連客のみが集う『酒場』外から入るための扉は見当たらない。店長が客を選別し招き入れる。
そこへ持ち込まれたひとつの缶『とっても不幸な幸運』
あけた瞬間不思議なことがおこり、そこから始まるとんでもない騒動の数々。
『酒場』の店長とウェイター健也、常連客たちがおくる、ちょっぴり切なさ残る謎解きストーリー。


最初の印象としては、ラノベっぽい、畠中さんじゃないならそれほど、でした。
『百万の手』ほどの衝撃はなかったけど、最後にはおお!でした。畠中さんの話には、現代・しゃばけ、と謎解きプラスちょっぴりの寂しさや切なさを伴う優しさを感じます。単なる心温まるストーリーではなく、実際はこうだろうな~という完全なるハッピーエンドから少しの現実(それが寂しさや切なさ?)があって。好きです。
私は料理がおいしそうな本が好きなので、店長洋介とウェイター健也のだす数々の料理シーンが、うはは!でした。
最後の話がなかなかに…なかなかに…なんだ!だから、よかったとか素敵だったとか感動したとか、それだけでは言い表わせないこうっ…寂しさがあったりなかったり

『酒場』の過去話(最終章とその前の恋)が好きです

畠中恵『しゃばけ』

2008-05-18 | 畠中恵
妖どたばたコメディー。事件もあるよ。

畠中恵『しゃばけ』
薬種問屋長崎屋・廻船問屋長崎屋。若だんな一太郎は、しばらく姿を見せねば死んだのかと心配されるくらい体が弱かった。朝起きてご飯を食べれば両の親に喜ばれる始末である。
若だんな第一主義。むしろ若だんな絶対主義の店の手代であり妖の佐助と仁吉。
こっそりと夜中外に出た若だんな。その帰りに物取りに襲われる。逃げ切ったと思った矢先に、若だんなは死体を発見。事件を境に、薬種屋が次々と教われる。
別々の犯人による事件。しかし狙われる人間は薬種屋、そして犯人は皆同じことを言う。香がすると。
果たして犯人の望むものとは?なぜ別々の犯人が同じ行動を繰り返すのか?!
野寺坊・獺・鳴家・屏風のぞきなど、妖を使って事件解明に向けて動き出す。

みたいな話です。たぶん。
日本ファンタジーノベル大賞優秀賞作品。
シリーズもので、第六弾まで出てるようです。土曜プレミアムにてドラマ化も。

事件解決ものですが、怖くなく。
出てくる妖たちのとぼけた様子や若だんなのひ弱さ、幼馴染栄吉のまずい菓子など、なぜかほんわかしてしまう物語です。
江戸が舞台。
ひとつの大きな事件を軸に、若だんなの秘密や妖たちのどつき漫才(たぶん違う)が繰り広げられます。面白い。

まあなんと言っても、二人の手代の過保護っぷりと、鳴家の可愛さにやられます。
あんなめんこい妖がいていいのか!
江戸ものですが、さほど込み入った話や説明はないので、江戸ものが苦手な人でもすいすい読めると思います。