<中国ブログ>中国サイコウ 元/上海駐在日本人が綴る日中経済の状況など

中国駐在時代の経験・知識をもとに、
最高(サイコウ)の日中関係の再構築を目指し、
日本と中国を再考(サイコウ)する

【番外編】バンコク訪問記(4)まとめ

2013-02-19 | 旅行

今回は、バンコク編の最終回。
ここからは一人旅です。
上海での生活も一人旅をしているようなものだから、まあ慣れたものです。
まずはBTSの駅で1日券を購入。
元が取れるかどうか、微妙な計算ではありますが。。。

筆者にとっては、実際のところ、この街歩きが今回のハイライトといった感もある。
なぜなら、元々の動機として、バンコクの発展状況を自分の目で見ておきたいとの想いが強かったから。
実際、バンコクを歩いてみて感じたのは、上海などと同様の新旧混在とした街の様子。
例えば・・・





こんな古い街並みもあるかと思えば・・・





このように近代的な街並みも。
そして、中国と同じように、いくつもの場所で不動産開発が行われている。





ちょっとしたバブル状態なのかな・・・と。


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で、今回はまだ行っていなかったスクムウィット通りのほうへ。
この通り、瀟洒な店が並んでいるかと思えば、インド人街のようなところもあるといった、いわゆるバリエーション豊かな通り。





ちなみに、この通りの界隈には日本人が多く住む地域もある。
そこに行くと・・・





まさに日本と同じような街並みですね。
日本食のレストランやスーパーもたくさんありました。
バンコクの場合、中国と違って「食の安全」が日本と同程度、確保されているようなので、その点は羨ましいですね。
それと、上海ではヤクルトが強いのに、バンコクではMEIJIの乳酸菌飲料が強いといった違いには面白さを感じます。

駅の改札付近では、山崎パンのショップも発見。



価格的には、上海の店と同等、日本の店の2~3割安といったところ。

そんな街角で、ふと視線を道路のほうに移してみると・・・





「乗り合いタクシー」ならぬ「乗り合いトラック」を目にすることもしばしば。
街並みがかなり近代的になっているだけに、ちょっと違和感が。。。
でも、いかにも東南アジアって感じで、個人的には嫌いじゃないです。


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最後に、街歩きも含めて、バンコク訪問を総括したい。

連載の中でも取り上げてきたが、バンコクの発展ぶりが目覚しいのは言及するまでもない。この発展に対する日本の貢献度も相当高いことが窺える。

その一方で、今後の発展可能性を考えると、少し疑問を持たざるを得ないという印象を受けた。
これは、深刻な交通渋滞、水害発生の潜在的危険性といったインフラ整備の遅れ
が短期には解決しそうにないことにある。
加えて、タイ経済は良くも悪くもバンコク一極集中。
さらに、タイは王国であるが故の難しさを抱えており、その意味では「王族の所有土地をいかに円滑に公共の福祉に役立てていけるか」も大きな鍵となりそうだ。

こうしたインフラ面での不安は、時間とお金を掛ければ解決するので、むしろ長期的な視点に立つと「タイの国民性」のほうが問題となる可能性がある。
これまで言及してきたとおり、タイは「微笑みの国」と言われる。
筆者が住む中国と比べると、サービス水準は遥かに高い。
だが、その半面、日本企業関係者の話を総合すると、「タイ国民は仕事に関わるストレス耐性がすこぶる弱い」との指摘が圧倒的に多い。
今は外国からの投資の追い風に乗り、失業率も記録的な低さとなっているが、労働市場が買い手市場となっているため、人件費の高騰も著しい。
この傾向が数年続いた場合、「世界の工場」としての地位を失いつつある中国と同じ状況に陥る可能性は十分あるのではないだろうか。

ある日系企業の管理者は、皮肉交じりにこう語っていた。
「この国は、仕事さえ無ければ、こんなに住みやすいところはない」と。
要は、タイ国民と一緒に仕事をするのは非常に疲れるということらしい。
話を詳しく聞くと、「タイ人は仕事をするに当たって、今日のことしか考えていないように思うことが多い。明日は明日の風が吹くといった対応が多い。だから、一週間前に受けた受注を二日前に伝えてくるなんてコトもあった。」というから驚きだ。
でも、この管理者は「中国はもっと嫌だ」とも言っていた。
よほどツライ経験をしてきたのだろう。

国家の発展という観点から言うと、中国という国は非常に絶妙なタイミングで「改革・開放」の道を歩み始めたと筆者は感じている。
改革・開放へと舵を切った1990年頃、中国の民衆は共産主義経済の疲弊に苦しんでいた。
だからこそ、先進諸国が投資する工場で安い賃金で雇われることは、当時の民衆にとって「巡ってきたチャンス」だったと言える。彼らは優秀な工場労働者として働き、それまで以上の給料を貰うことで、「ひとつの幸せ」を手に入れていたと推測できる。

その一方で、中国は「商売上手」という一面もあわせ持つ。
これは、前述の工場労働者たちとは全く性格を異にする指導者・経営者層。
こうした層の人々は、世界中に散らばる華人ネットワークも活用しながら、自らの経済価値を高めるべく邁進する。
まさに「富」が「富」を生む方向へと進むワケである。
こうして自然に出来た一種の分業体制が、わずか20年で世界第二の経済規模を有する国へと押し上げた要因だと筆者は感じている。

日本では「ネクストチャイナ」という議論が盛んに行われている。
確かに中国の人件費、不動産価格は騰がり、政治的なリスクも存在する。
しかし、もう一度立ち止まって考えたほうがいいように思う。
90年代から中国に投資してきたのは日本自身であり、いまの東南アジアは当時の中国の様子と似たり寄ったりではないか・・・?
そう考えると、こうした焼き畑農業的な思考で投資先を決めるのは、あまり得策ではないはずだ。
つまるところ、「これまでの中国投資から何を学び、何を生かしていくのか」、そこに東南アジアでの成功の鍵があると改めて感じた旅だった。


ベトナム・カンボジア編へと続く

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2 コメント

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Unknown (藤井)
2013-02-26 10:10:00
海外で日本のアニメや番組などを見たいとき、www.tv-rec.comをお薦めいたします。どこでもいつでも見られます。画質がいいし、とても便利です。
返信する
Unknown (Unknown)
2013-05-19 22:46:54
そうですね。先日www.tv-rec.comを試した、なかなかいいと思います。どうもありがとうございます。
返信する

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