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法隆寺 on 2015-12-20 その5 若草伽藍跡

2015年12月30日 05時34分29秒 | 奈良情報
法隆寺訪問記シリーズの第5回です。今回は若草伽藍跡を紹介します。

過去の訪問記
 第1回 法隆寺 on 2015-12-20 その1 西院伽藍

 第2回 法隆寺 on 2015-12-20 その2 西円堂

  第3回 法隆寺 on 2015-12-20 その3 東院伽藍

  第4回 法隆寺 on 2015-12-20 その4 中宮寺
  

改めて法隆寺の基本情報と境内地図を再掲します。

法隆寺の基本情報
住所:奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内1-1 TEL:0745-75-2555
宗派:聖徳宗 昭和25年(1950)までは法相宗
御本尊:釈迦如来
創建:推古15年(607)
    第33代推古天皇(在位592-628)と聖徳太子(574-622)が
    第31代用明天皇(在位585-587)の遺願を継いで建立

法隆寺の公式HP:http://www.horyuji.or.jp/


上の写真は法隆寺の伽藍配置図です。(現地の説明版より)
拡大版はこちら

さて、本論の若草伽藍跡の話題に入ります。
この記事を書くに当り下記文献から引用させていただきました。
 奈良文化財研究所学報第76冊 法隆寺若草伽藍発掘調査報告(2007)


現在の伽藍と若草伽藍の位置関係を法隆寺ハンドブックより示した(上の写真)


上記法隆寺若草伽藍発掘調査報告より発掘調査地点を示した。

Wikipediaによれば「若草伽藍は、奈良県生駒郡斑鳩町の法隆寺西院伽藍南東部の境内
から発見された寺院跡である。創建時の法隆寺であると考えられることから、
創建法隆寺とも呼ばれる
」と解説されています。
また斑鳩寺と呼ばれる別名もあります。

昭和14年(1939)石田茂作末永雅雄によって発掘調査が行われその結果は
1941年に石田茂作著「法隆寺若草伽藍址の発掘に就て」「日本上代文化の研究」
で発表されています。若草伽藍は法隆寺式と異なる四天王寺式伽藍配置で、
またそのその方位(南北の中心軸)が、現西院伽藍と17度も違っていることを
明らかにされました。日本書紀記載の670年に火災があった証拠とみられる焼き址
も確認された。

この結果、現在の伽藍は創建時のものでなく再建されたものであるとの結論が
得られ現在も支持されている。

法隆寺の再建論、非再建論について下記サイトに詳しく記載されています。
 http://blog.zaq.ne.jp/shibayan/category/20/

また、その後1968年(第1次)と1969年(第2次)国営調査が実施され上記の結果
が再確認されています。




上記法隆寺若草伽藍発掘調査報告より金堂と塔の位置が比定された。
(上の2枚の写真)


写真でも添付しておきます。(上記法隆寺若草伽藍発掘調査報告)


上記法隆寺若草伽藍発掘調査報告で若草伽藍の金堂及び塔の完成年代に
ついて考察されていますその結論のみを記載しておきます。

 若草伽藍の創建年代:斑鳩宮創建とほぼ同時期の601年前後

 金堂の完成年代:607年~610年に完成

 塔の年代:620年代
    「昭和資財帳第15巻 法隆寺の至宝 瓦」など瓦による比定


2004年9月から2005年3月にかけて斑鳩町教育委員会が37の発掘地点で
調査した結果、7世紀初頭に描かれた壁画片が新たに80点が出土し話題と
なった。2004年12月の報道

37地点の名称は若草伽藍跡西方(法隆寺周辺遺跡)

若草伽藍には、巨大な塔の礎があり、明治10年(1877年)に一度発掘されるが
間もなく埋め戻される。しかし、明治19年(1886年)に北畠治房が買い取って
自邸に運び、この心礎の上に小さな五重塔を建立する。
大正4年(1915年)、北畠は久原房之助に塔とこの心礎を売却し、兵庫県神戸市に
あった久原邸に移される。昭和13年(1938年)、今度は久原邸を野村徳七が
買い取って別邸にするが、翌昭和14年(1939年)に法隆寺に返還された。

現在の塔心礎の写真を添付しておきます。(上記法隆寺若草伽藍発掘調査報告より)


塔心礎の移動について下記サイトに詳しく述べられています。
 http://kanagawabunnkaken.web.fc2.com/index.files/raisan/shodana/shodana25.htm

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