お待たせしました。
「カッパさん、カモられる」の後編だよ。
先日、Sやんこと住田くん(仮名)から8年ぶりに連絡があった。
Sやんは以前のカッパさんの同僚で、
カッパさんは3か月で辞めたがSやんは2か月で辞めた。
相当なブラック企業だ。
Sやんは当時、会社から嘱望された稀有な人材だったが、
身体を壊して辞めたのだ。
ハード過ぎたのだ。
辞めるときは社長からかなり引き留められたらしい。
カッパさんは月末で辞める」と伝えたら、
まだ月の半ばだと言うのに
「今日、辞めて」と引導を渡された・・・!
えらい違いだ。ま、わかるけどね。
そんなSやんは、ハイジのような性格で、
人生を楽しんでいる。
きちんと人生設計ができていて、
10年は修行すると言って11年目に独立開業した。
高校から付き合っていた彼女と30才で結婚した。
ただ私はSやんは好きは好きだが、
「食えない奴」認定なのだ。
人に甘えるのがうまい。
昔から6時くらいにひょっこり私らの家に来たりして、
夕飯の支度だの、
ズボンの裾上げだの、
色んなことをやらされた、
向こうが頼んだのではない。
「夕飯食べた?」「私がやろか?」とうまく言わされたのだ。
そう言う技術に長けているヤツなのだ。
地方の方言や温かい微笑みなど、
大阪の人間が飢えている武器を巧みに使う。
さて電話は、
Sやんが大阪に来るので会いませんか、
と言う内容だった。
カッパさんはSやんが大好きなので、
転げまわってOKした。
その日のカッパさんはずっとSやんの話題だ。
当日、Sやんは4時か5時ころに駅に着くと言った。
カッパさんはワクワクしているので、
Sやんの到着予定の4時よりうんと前に車で出発した。
連絡を受けてから出ればいいものを、
カッパさんは待つことができないタチなのだ。
案の定、Sやんから5時に「6時過ぎます」と
連絡があったらしい。
ほらね。
そんなもんだ。
もともと4時か5時と言った時点でスケジュールがあやふやなのだ。
カッパさんは憤慨しながらも6時まで待って、
彼を乗せて家に着いた。
Sやんは予定があるので1時間で失礼しますと言う。
まあ夕飯は振舞わなくて済んだわけだ。
一応、素麺を用意してけど、ナシで全然OK。
Sやんは相変わらずの朴訥とした優しい喋り口調で、
私もカッパさんも楽しいひとときを過ごせた。
1時間はすぐに過ぎて慌ただしくSやんは帰って行った。
もともとは余命宣告された知人の見舞いに大阪に来たらしい。
見舞いの後、夜の飲み会までの時間つぶしに
うちに来たと言う訳だ。
どう見ても「ついで」「大切にされていない」感がある。
カッパさんは、仲間から軽く扱われることが多い。
それが人間不信になる原因だろうね。
今回カッパさんはSやんに軽く扱われたことに気づいたようで、
「もう会わない」と絶縁宣言をした。
でも私は知っている。
またSやんから連絡が来たらホイホイ会いに行くであろうことを。
カッパさんはアスピーなので、
人の気持ちがわからない。
カッパさんにとっての他人は
テロリストかスパイか殺し屋か、はたまた地球外生命体くらい
訳がわからない生き物だ。
自分に危害を加えるものだと認識している。
だから敵か味方の判別は死活問題と捉えている。
カッパさんの敵・味方の判別方法は
愛想よくカッパさんの話を聞いてくれる人(A)が味方で、
愛想は普通で自分の意見をきちんと言う人(B)が敵なのだ。
Aのタイプは「人たらし」が多く、(フクの個人的な見解)
私の中では「食えない奴」に分類される。
Bは正直で素直な人が多い。(フクの個人的な見解)
カッパさんにとって顔の表情が判定の大きな基準で、
笑顔=善人なのだ。
カッパさんの言葉を真摯に受け止め、自分の意見を言わない人が好き。
逆に、自分の意見を言う=反抗的、ケンカを売っている、と捉える。
そのためカッパさんはAのタイプの人には
無条件に心を許す。
無防備に許す。
だから騙される。
そして人間不信になる。
でも、なぜかAタイプの人に対しては心ゆるゆるのままで
Bタイプにのみさらに「騙されてたまるか」と警戒心が強くなる。
(いやアンタAタイプに騙されたんだよ)
月日は流れ、またAのタイプに出会って、心を許し、ひどい目に遭う。
この繰り返しだ。全く学習できてない。
残念な生き物だ。
以前、勉強会で唯一心を許せる人と出会ったらしい。
その人が某セミナーを録画したVHSテープを持っていると
カッパさんに言ってきた。
実際、通信教育を申し込むと10万円近くするものだ。
VHSテープは80本ほどあり、2万円で譲ると相手が言ってきた。
カッパさんは二つ返事で飛びついた。
後日、大きな段ボールが2箱、着払いで届いた。
着払い料金5000円ほど。
中は手垢のついたVHSテープ。
セミナーとは関係ないアンパンマンとかのクレヨンしんちゃんとかのテープも
混じっている。
私が「本当にこれ観て勉強するの?」と聞くと、
カッパさんはうん!と言った。
セミナーのテープは素人が撮影したもので、
ダラダラとした退屈な内容だった。
2万円どころか1円の価値もない様に見えた。
カッパさんは一度チラッと観ただけで、
後は手を触れようとしなかった。
引っ越しした後もしばらく屋根裏に置いてあったが、
邪魔なので私が独断で捨てた。
もうビデオデッキも廃棄したしね。
もちろんカッパは捨てたことを知っている。
さすがにカッパさんがカモられたことは自覚していて、
話題にすることは避けている。
私がそのことに触れないでいることにホッとしている様子。
なんだか悲しいカッパさんなのだ。
残念で仕方ない・・・。
第二章へ続く。
この時期、非常に困るのが
テレビのカビ特集だ。
カビがどんなに恐ろしいかをトクトクと説明してくれる。
その度にアスピーのカッパさんは大騒ぎだ。
「フクちゃん!食パンは2日以内に食べなアカンど」
「タオルにカビ生えてへんやろな」
「うわ!!これカビちゃうか!!」
毎日、カビ祭りだ。
そんなカッパさんが風呂場に目をつけた。
さあて、浴室の掃除したのっていつだっけ?
私もそろそろ風呂掃除しなきゃな、
セスキか過炭酸塩、買わなきゃなー
などと思っていたところだ。
しかし昨日の午後、
私はお店で仕事しているのに、
カッパさんはいっこうに店舗に出てこない。
私が呼んでも返事しない。
しつこく呼びかけると
「今、風呂掃除してんねんっ!!」とキレて怒鳴り返した。
は?風呂掃除?今、仕事中なんすけど。
客も混みあってきて、私だけではどうにも手が回らない。
もう一度、カッパさんを呼びに行くと、
「すぐ降りる」とのこと。
客に「少しだけお待ちくださいね」と待ってもらった。
でもね、5分経っても降りてこない。
上が住居なのだが、
ガタンバタンと騒音がひどい。
カッパさん、何してんだ?
ようやく、ハアハア息をきらしてカッパさんが店に出た。
お店が一段落したので風呂場をのぞいてみると、
バスタブの側面がはがれたままだ。
どうやら、パネルを外したものの、もとに戻せなくなったようだ。
店の方が落ち着くと、またカッパさんは上に上がってしまった。
その後もしばらくドスンバタンと騒がしかった。
もうね、騒音の間、私はずっと客に苦笑いだよ。
もう本当に腹が立つ。
商売をなめとんか?
掃除はありがたいが、休みの日にやってくれ。
せめて私に相談してほしい
さて夕食に時間は
いかに完璧に風呂掃除をしたか、の武勇伝。
「父ちゃん、みんなのために頑張ったよ」
何が父ちゃんだ?
子どもいねーしっ!
私の腹は煮えくりかえりっぱなしだわ。
何で仕事中に風呂掃除する?
私がきつく問いただすと
「そこに風呂があるから」
と遠い目をしてつぶやく。
登山家ジョージ・マロリーの名言「そこに山があるから」
のパロディなのは知っている。
しかし、カッパごときがその名言をパロってはいけない。
身の程を思い知れ。
カッパの掃除は一極集中なので、
風呂場全体がきれいになった訳ではない。
結局、取りこぼした場所を私がせっせと掃除するのだ。
それでいて風呂場全部、僕がやったった!
みたいなツラをする。
ことあるごとに恩を着せてくる。
恩を着せることがカッパさんの専売特許だ。
もちろん、着せられた恩はすぐにゴミ箱に捨てるけどね。
またカッパさんそれを拾って着せる。
なんだ、このいたちごっこ?
ただ、私はこの終わらせ方を知っている。
私が、カッパさんにしてあげたことを恩に着せればいいだけなのだ。
奴は、その恩をすぐに足で踏みつけるけどね。
どうやら恩を着せられるのはイヤなようだ。
「恩は着せるもの」それがカッパさんのポリシーだ。
まずワンルームの家で、四六時中家族の誰かがいる毎日。
一人でいる時間が全くない毎日。
人はこれに耐えられるのだろうか?
私はこれに耐えられなくて、休日は出かける。
もちろんカッパさんが家に居なければ、私が家に居る。
しかしアスピーのカッパさんが家から出ることは少ない。
最近はたまには車に乗らないと調子が悪くなると言う理由で、
ほんの1時間ばかり車を転がす。
一週間に一度だけどね。
ほんとはもっと長い時間出かけていてほしい。
私だって家の中を一人で暴れたい。
押入れの中の物を捨てまくりたいのだ。
洗面所のキャビネットに押し込んだ、ホテルで失敬してきたアメニティの数々。
全部整理したい。
1回分のシャンプーやコスメは使いきってしまいたい。
・・・なんなら、使いそうもないものは捨てたい。
あーーー捨てたいものいっぱいある。
なんならカッパさんの持ち物は全部捨てたい。
プラネタリウム、泥団子、バーベーキューコンロ、ビニールボート、
ライフジャケット、昼寝用の毛布3枚、わけのわからん容器、
用途不明の100均のグッズ・・・
まあ見事なガラクタだ!!
一度、カッパさんの服を無断で捨てたことがある。
共用のクローゼットが満室状態で、
近藤麻理恵さんのご教示に従い、ときめかない服を捨てることにした。
その際、カッパさんの服にも触れてみたが、
全くときめかないので私の服と一緒に処分した。
処分したのはカッパさんの服の方が多かったかもしれない。
しかし、何年もカッパさんが気付かないので、
自分の中ではいいことをした気持ちになっていた。
ところが、カッパさんがソロキャンプの準備をしているときに、
なにやら熱心に探している。
「なあ、僕の麻のシャツ知らん?」と言ってきた。
ギクッとした。
麻のシャツと言うのはユニクロ製で洗って干すとゴワゴワするシャツだ。
カッパさんはそのシャツを2着買ったのだが白しか着なかった。
私はグレーのシャツを捨てたのだ。
洗濯した後、しわを伸ばすのが大変で2着はかんべーーん
って思っていたからだ。
「白いシャツならあるやろ?」と言うと
「グレーのもあるはずやねん」と言った。
「そ、それは知らんなぁ・・・?」とテレビを観ながら答えた。
すぐにあきらめると思ったのに、
カッパさんは天井裏のロフトまで探しに行った。
容疑を免れるために、私も一緒に探すふりをした。
「前回、海に行ったとき忘れてきたか・・・」と
カッパさんは残念そうにつぶやいた。
「そっかーじゃあまた買いに行こうね」と私が明るく言うと、
「いや、別にいらんけどね」
!
じゃあ、なんでそんなにしつこく探すんだよっ!!
カッパさんも気が済んだのか、それっきり麻のシャツについては
何も言わなくなった。
やっぱり勝手に他人のものを捨てるのはよくないな。
などと、ぼんやり思いつつも勝手にカッパさんの私物を捨てる私。
ただ、カッパさんも捨てたくて捨てられないものを
私がこっそり捨てているのを勘付いているようで、
見て見ぬふりをしているようなのだ。
え?まさかの黙認?
狐と狸の化かし合いか・・・?
もしかしたら、私が気付かないだけで、
カッパのヤツ、私の大切なものを捨ててるかもしれない。
でも、気づかないってことは必要のないものなのだ。
それでいいのだ。
先日、何か月ぶりかの散歩コースを歩いた。
つぶれかけ、いやもう廃業していると思われた散髪屋が、
なんと店をリニューアルしていた!
住宅地の片隅で、需要なんぞ枯渇しているかに思えたのに!!
もしかしたら店の主人が、
死ぬまでに一花咲かせたいとか言う気持ちになったのだろうか?
まあ、がんばってくれ!
リニューアルのお金が無駄にならないことを祈る。
さて道を進んでいると、後ろからオートバイの気配。
端っこに寄ってやり過ごそうとしているのに、
いっこうにオートバイが抜かしてくれない。
振り返ったら、やっぱり近づいてはいる。
たぶん時速10kmくらい?
ようやく抜いてくれた時は肩の力が抜けた。
そう言えば、ミスタービーンの映画でそんなシーンあったよね。
ミスタービーンの映画は面白い。
ビーンのおっちょこちょいが周囲を振り回し、
最後はハッピーになると言う内容。
あ、観てない人ごめんね。ネタバレしちゃった。
でもこの映画の内容って、カッパさんの日常なんだよね。
この脚本で映画として成立するんだ・・・と
もしかすると、カッパさんを映画化すると、大ヒットするんじゃねーか?
お金がガバガバ・・・
勝手な妄想が膨らむ。
まず脚本だよね。しっかりとしたストーリーでなきゃね。
カッパさんのドジをつぎはぎしても、
ジャッキー・チェンの『プロジェクトA』のエンディングで流すNG集みたいになる。
あれは言わばオマケだ。
オマケが映画にはならんね。
ストーリーがなきゃね。
カッパさんが旅をするロードムービーってのも考えたが、
それはミスタビーンの2作目「カンヌで大暴れ!」とかぶる。
何かを作らせるのはどうか?
情熱大陸とかプロフェッショナルとか風に。
例えば家、いやログハウスでもいい。
それを作らせるのだ。
あーでもカッパさん作るかな。
ディアゴスティーニのドールハウスがいっぱいいっぱいだろう。
それも途中で投げ出すかな。
ジグソーパズルですら全部私に丸投げだ。
根気が欠落しているのかも・・・。
どんなストーリーがいいのか。
1日キャビンアテンダントでアワアワとか、
1日看護師でアワアワとかも面白いだろうけど、
どちらも死人が出そうだ。
せっかく映画を撮ってもお蔵入りになるのは勘弁。
それに何かの職業に扮するのは
ミスタービーンが学芸員としてすったもんだする、一作目の「Bean」を
彷彿とさせる。
なのでドキュメンタリー風にするのが無難かもしれない。
カッパさんの1日を密着するだけで、単館上映ぐらいはいけるのではないか?
真剣にビデオカメラを物色しなくては!と心に刻む私だった。
カッパさんは世間話ができない。
うちは客商売なのでお客さんとの雑談も仕事のうちだ。
しかしカッパさんはテレビも新聞も時事ネタは全く無関心なので、
お客さんが話を振っても、完全スルーだ。
たまに会話が成立しているのか、と思ったら
全然めちゃくちゃなことを喋っている。
例えば元アイドルの話が出たとしたら、
「あーお相撲さんと結婚した人ね」
してねーーしっ!!
ぜってー高田みづえと間違っているし。
時代が30年ほどズレてるし!!
なにかの病気の話が出たら
「ああーー不治の病ですよね。治らないんですよね」
いーや!!治るし!!
「ええっ?そうなの?治らないの?」と客は顔面蒼白になる。
また高齢者の客などはテレビで仕入れた情報を、
うろ覚えでカッパさんに伝える。
するとさらにカッパさんがうろ覚えで、べつの客にそれを話す。
もうね真実なんて一個もないよっ!!
私も今まではいちいち訂正してたんだけど、
どうでもよくなった。
キリがないっ!!
(カッパさんが不治の病と言い切った客にはフォローしましたけどね)
本当にカッパさんの頭にある「記憶の部屋」(海馬とも言う)をのぞいてみたい。
ぜったい整理なんかできてない。
カッパさんの記憶部屋で、いつも使うものがタンスの奥にしまわれていて、
めったに使わないもの、あるいは無くてもいいものが、
一番使い勝手のいいところに置かれているのだ。
たまに、何年も前の誰もが忘れた古いCMソングを口ずさんでいる。
あと勝手に脳内変換するので会話がチンプンカンブンだ。
例えばペルーと言えばチリとか、
くら寿司と言えばスシローとか・・・。
勝手に頭の中で置き換えている。
カッパさんがくら寿司に行きたいと言うので、
クーポンを持って行くと、
「何言うてんねん、スシローって言うたやん?」
「僕、前からスシローに行きたいって言うてたやろ?」と
噛みついてくる。
毎日、こんなんばっかだよ。
昨日もスーパー銭湯で待ち合わせ時間を15:00に決めたのに、
15:15に出てきやがった。
もう何も言わない。
カッパさんの頭の中では15:00=15:15なのだ。
私が咎めても堂々巡りになるだけなので、もう言わない。
脳科学者が以前話していた。
人は他人の名前と顔を記憶するとき、
名前は左脳、顔は右脳に記憶するらしい。※チコちゃんの番組参考
それを呼び出すときにそれぞれ連携しないとうまくいかない。
でも、カッパさんは左右がうまく連携できてない。
人の名前だけではない。
森羅万象がそうなのだ。
文字も目ではわかるものの、とっさに発音できなかったりする。
カタカナなんてひどいもんだ。
左脳はともかく右脳の部屋が散らかっているとみえる。
これもアスピーの特性だろうか・・・?
最近は簡単な機械の操作も忘れているようだ。
私が「え、忘れたん?」と聞くと
カッパさんは「僕、そんなん最初から知らんで」とイケシャアシャアと答える。
その度に私の顔は能面になってしまう。
右脳のみならず左脳も散らかっているようだ。絶望・・・!
もう今日は5回ほど能面になってしまった。
きっとすり足で扇を持って、能を舞えるよ。
もちろん素顔でねっ!!
正月にはしゃぎすぎたせいか、
カッパさんが風邪を引いた。
けっこう重症・・・。
峠は越したものの、まだ痰で悩まされている。
カッパさんは「どうせ今日も寝られへん・・・」と、
寝る前にしくしく泣いている。
そんなわけで我が家の夕食は鍋のオンパレード。
高くつくわぁ。
商売の方はさっぱりなのに、家計はぐんぐん圧迫してくる。
今月は赤字かも、だ。
自営業は国民年金。老後はないに等しいな。
風邪を引いて9日目。ようやくカッパさんは病院に行った。
さて恒例の今年のモットーだが、
やめた。
どうせ達成できねーし!
去年も一昨年も掲げた目標のどれひとつ達成できてない。
自分と言う動物がこの世に生きていていいのかな?
などと後ろ向きになってしまった。
敗因は大風呂敷を広げ過ぎなのだ。
『断捨離するど』と決めても、あまりにも目標勾配が高い。
それより
『使ってないボールペンを捨てる』などとした方がいいのだ。
タンスを漁っていると、絶対着ない美しい下着が出てきた。
プリンセスが着るような下着。
まずサイズが合わない。
そして、いつ着るの?
林修先生の「今でしょ?」のアンサーはありえないのだ。
もっさいオバハンが下着だけプリンセスってヤバくね?
救急車で運ばれたとき、着古した下着を見られるのイヤだが、
勝負下着を見られるのもっとイヤだ。
さて、この値札のついた美しい下着をどうするか、だ。
メルカリ・・・。
参考にチェックしてみた。
めっちゃ出品してるやん!!
うーーん、そろそろメルカリデビューか?
メルカリ適齢期、ってやつ?
などとぶつぶつ言いながら、タンスの引き出しを閉める。
見なかったことにしよう。
今の私にメルカリはハードルが高すぎる。
そして、押入れをざっと見て紙袋に目が留まった。
そして高級紙袋と低級紙袋に分けた。
数が多いが、あまり捨てる気になれなかった。
が、古新聞を出す時の入れ物にしようと思った。
あと実家や義実家に果物を持っていくときは低級の方を使う。
ちょっとだけ達成感を味わえた。
そうそう、こんな低いハードルがいいのだ。
明日は試供品の化粧品とシャンプー&リンスを使ってみよう。
少しずつ物を減らしていくのだ。
そうそう前回のブログで愚痴ったエクセルの誤動作は無事解決した。
再インストールしても事態が変わらなかったので、
マイクロソフトに電話したのだ。
すると更新プログラムに悪さをするコマンドがあって、
それを削除したら、うまくいった。
あーやれやれ。
PCトラブルを解決すると嬉しいね。
その日は特別にハイボールを飲んだ。
祝杯の酒はうまい!!
ずいぶん前に私はアロマテラピースクールに通って、
アロマの勉強していた。
そのときに揃えた精油が今でも手元にたくさん残っている。
精油にはいろんな種類があるが、
消費期限が短いもの(柑橘系など)があり、
そういう種類はさっさと使っていかなければならない。
しかし、特に精油を必要とすることもなく何年かが過ぎた。
古いものもあるから、体に使うのはよくない。
柔軟剤やシャンプーに使う方法もあるらしいが、
手っ取り早いのはアロマディフューザー。
精油を気化させて部屋をいい香りにする、アレだ。
そう言えば無印良品でアロマ関係の商品を売ってたな、
と思い出し早速店に行ってみた。
あるね。
デュフィーザーだけでも3種類あった。
一番安いものを選んだ。とは言え4900円って高くね?
ちょっと財布が痛かったが、機能が充実しているのでよしとする。
それを部屋に設置して作動したら、早速カッパさんが喰いついた。
あーアスピーは匂いに敏感だからイヤなのかなーー?
と危惧したが、そうではなかった。
「どうしたん、これ?」
「あ―精油が余ってるからね、使おうと思って買ったんや」
へえ~いい匂いがするね~とカッパさんは満足そうだ。
よかった。
その日からカッパさんはディフューザーの世話をするようになった。
しょっちゅう水の残量を確認したり、
アロマを調合したりしている。
まさか、こんなにハマるんとは予想外だった。
人によるかも知れないが、
アスピーのカッパさんも香りでリラックスできるようで、
それを知っていたらもっと早くアロマディフューザーを買ったのに、
とちょっぴり悔しい思いをした。
いい香りが漂っている間はあまりイライラしないようだ。
カッパさんは特にラベンダーが気に入っている。
私はイランイランとゼラニウム。
ただ思いのほか精油の減りが早い。
精油は高価なので、少しペースダウンしなきゃな。
精油はAEAJ認定のものでなきゃ効果が疑わしい。
ま、生活の木あたりが無難じゃろ。
アスピーカッパの機嫌の為には少々の投資は必要なんだなと、
つくづく感じた今日この頃。
カッパさんはすぐにキレる。
でも、それは相手に怒っているのではなく、
相手の予想外の反応に頭がパニックを起こしているようだ。
そうとは知らず、こちらが自分の意見を主張しても、
聞き入れる余裕がない。
さらなるストレスの上積みでパニックがひどくなる。
まず、カッパさんが冷静になるのを待つ。
これは30分で済む場合と2,3時間かかる場合がある。
とりあえず、ギャーギャーわめきたてるのを、
無視するしかないのだ。
冷静になったからと言って、こちらが話を蒸し返すのはNG。
寝た子を起こすことはせず、何もなかったかのように過すのみだ。
カッパさんは何年後かに
「あーーあのときは○○だったのか」と合点が行くことがあるようなので、
できるだけ、自分から気付くように仕向ける、
っつーーか、ほっておく。
あと、甲高い機械音やスマホの着信音も苦手で、
頻繁にラインの通知がなると怒り出すのだ。
おそらく定型発達の人とは違い、
タライをかぶった上で鉄棒で殴られているくらい、
頭に響くのではないかと推測する。
あとカッパさんは魚の生臭いのが苦手で、
家では魚の料理はあまりしない。
ブリ大根などでも、少しでもブリ臭さが残っていると、
もう箸をつけない。
だからよく焼いてから煮るのだが、そうすると、
「ブリの味がしない」と言う。
こうなるともう、新鮮なブリを手に入れないとダメだ。
どんなに手を尽くしてもブリ大根にOKサインは出なかったので、
私はこの料理を封印することにした。
(プロの料理家は油で軽く揚げていた。そこまでは私もしない)
さんまも焼かなくなった。
部屋にさんまの匂いが残っていたりすると機嫌が悪いからだ。
ずっと喉に小骨が引っかかっているように、
違和感を強く追及し続けるのだろう。
他の人のようにその場に馴染むことができないのだ。
よく飲食店などで、隣の人が音を立てて食べていたりすると、
睨み付けたり、
またひ弱そうな相手だと注意したりする。
おそらくカッパさんの父ちゃんがこんなことをしていたのかも知れない。
カッパさんもくちゃくちゃ食べる音や咳払いに非常に敏感で、
相手が他人を威嚇するためにわざとやっていると言う。
親に「他人は悪意のカタマリだよ」と子どもの頃から刷り込まれたら、
私がどんなに考えすぎだと説いても聞きやしない。
ただそれも飲食店と言う場所がカッパさんにとっては
異次元ワールドで何が起るかわからない恐怖があるのだろう。
余裕がないから他人の行動に敏感になる。
しかし飲食店に行く頻度を高めていくうちに、
カッパさんは初めての店でも余裕をかますことができるようになった。
やっぱり馴れと言うか場数と言うか・・・
経験値を積むしかないんだろうね。
アスピーカッパの飼い主として、
カッパを色んなところに連れ出して、
なんとか経験値を積み上げる日々を邁進している。
ま、これを楽しむしかないのかな・・・とほほ。
カッパさんはこの間の連休に長島スパーランドに行ってきた。(台風の時じゃないよ)
そう一人でね。
友達いないからさ・・・。不憫だわ。
一人で絶叫マシンをコンプリートしたらしいわ。
うーーん、アスピーよ、よく頑張った。
いつものことながらケチケチ旅行。
できるだけお金をかけないのがカッパさんの流儀。
遊園地へは一番乗りするために、前泊。
もちろん車の中でだ。
今回は河川敷に停めたため、蚊の攻撃に悩まされたらしい。
一睡もできずに朝を迎えた。
体調は絶不調。
少し熱中症も加わる。
それでも開園と同時にお目当てのマシンへと猛ダッシュ。
「スチールドラゴン」と言う名の乗り物らしいが、
カッパさんの期待通り、大迫力だったと言う。
口がふさがらず、よだれがダダ漏れだ。
その後、予定していたマシンをクリアしていったのだが、
徹夜の上に軽く熱中症気味。
もうフラフラになったらしい。
マシンにガンガン揺られているあいだ、
「僕、いったい何をしているんだろう・・・」と我に返った瞬間が、
何度かあったそうだ。
カッパ、53歳。
一人で遊園地ではしゃぐ年齢ではない。
アスピーだからこそ!!臆面もなくこなせるのだ。
途中、一息入れるためにお化け屋敷に入ったらしい。
カッパさんは幽霊とか非科学的なものは信じていない。大嫌いだ。
怖がる方がおかしい、と常日頃うるさく説いていた。
とくにお化け屋敷なんざ、人工的に怖がらせるものは愚の骨頂。
鼻で一蹴していた。
そのカッパさんが、お化け屋敷に足を踏み入れた瞬間、
ただならぬ恐怖に包まれ、
ギャーギャー逃げまくったそうだ。
何でもない物音にびびり、人の気配にびびり、ビクビクが止まらない。
最後は「ごめんなさい、もう馬鹿にしません」と泣きじゃくりながら、
やっとこさで出口へとたどり着いたと言う。
カッパいわく、体調がどん底のときはお化け屋敷が無性に怖くなるらしい。
体調不良のドキドキが恐怖と同調するんや、とのこと。
木陰で冷たい飲み物を飲んで一服したら、元気になったので、
またセカンドステージへと挑んだカッパさん。
そんなこんなで楽しく絶叫マシンを堪能し、
無事、我が家へと帰ってきた。
一生分の絶叫マシンを味わったようだ。
もう満足だろう。
帰ってきてからはマシンガンさながら、私に旅の体験談をがなり続けた。
私はそんな話どうでもよかった。
もう寝かしてほしいよ・・・。
でもね、カッパさんがほんの少し大人になったように感じた。
と思ったのも束の間。
今度は富士急ハイランドにチャレンジだって・・・。
もういい加減、卒業しろよ。