「カナリア」
歌を忘れたカナリアは 後ろの山に棄てましょか
いえいえ それはかわいそう
歌を忘れたカナリアは 背戸の小やぶに埋めましょか
いえいえ それはなりませぬ
歌を忘れたカナリアは 柳のむちでぶちましょか
いえいえ それはかわいそう
歌を忘れたカナリアは 象牙の舟に銀のかい
月夜の海に浮かべれば 忘れた歌を思い出す
【作詞 西条八十】
童謡の「カナリア」の歌詞です。
淋しい詩だけど、なんだか“じ~ん”とする詩です。
・・・忘れた歌を思い出せるといいですね。
あと、映画にもなった小説「人間の証明」の中に出てくる印象的な、
「帽子」という詩も、西条八十の詩なんですね…。ついでに載せちゃお。
母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?
ええ、夏、碓氷から霧積へゆくみちで、
谷底へ落としたあの麦わら帽子ですよ。
母さん、あれは好きな帽子でしたよ、
僕はあのときずいぶんくやしかった、
だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。
母さん、あのとき、向こうから若い薬売りが来ましたっけね、
紺の脚絆に手甲をした。
そして拾はうとして、ずいぶん骨折ってくれましたっけね。
けれど、とうとう駄目だった、
なにしろ深い谷で、それに草が
背たけぐらい伸びていたんですもの。
母さん、ほんとにあの帽子どうなったでせう?
そのとき傍らに咲いていた車百合の花は
もうとうに枯れちゃったでせうね、そして、
秋には、灰色の霧があの丘をこめ、
あの帽子の下で毎晩きりぎりすが啼いたかも知れませんよ。
母さん、そして、きっと今頃は、今夜あたりは、
あの谷間に、静かに雪がつもっているでせう、
昔、つやつや光った、あの伊太利麦の帽子と、
その裏に僕が書いた
Y.S という頭文字を
埋めるように、静かに、寂しく。
歌を忘れたカナリアは 後ろの山に棄てましょか
いえいえ それはかわいそう
歌を忘れたカナリアは 背戸の小やぶに埋めましょか
いえいえ それはなりませぬ
歌を忘れたカナリアは 柳のむちでぶちましょか
いえいえ それはかわいそう
歌を忘れたカナリアは 象牙の舟に銀のかい
月夜の海に浮かべれば 忘れた歌を思い出す
【作詞 西条八十】
童謡の「カナリア」の歌詞です。
淋しい詩だけど、なんだか“じ~ん”とする詩です。
・・・忘れた歌を思い出せるといいですね。
あと、映画にもなった小説「人間の証明」の中に出てくる印象的な、
「帽子」という詩も、西条八十の詩なんですね…。ついでに載せちゃお。
母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?
ええ、夏、碓氷から霧積へゆくみちで、
谷底へ落としたあの麦わら帽子ですよ。
母さん、あれは好きな帽子でしたよ、
僕はあのときずいぶんくやしかった、
だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。
母さん、あのとき、向こうから若い薬売りが来ましたっけね、
紺の脚絆に手甲をした。
そして拾はうとして、ずいぶん骨折ってくれましたっけね。
けれど、とうとう駄目だった、
なにしろ深い谷で、それに草が
背たけぐらい伸びていたんですもの。
母さん、ほんとにあの帽子どうなったでせう?
そのとき傍らに咲いていた車百合の花は
もうとうに枯れちゃったでせうね、そして、
秋には、灰色の霧があの丘をこめ、
あの帽子の下で毎晩きりぎりすが啼いたかも知れませんよ。
母さん、そして、きっと今頃は、今夜あたりは、
あの谷間に、静かに雪がつもっているでせう、
昔、つやつや光った、あの伊太利麦の帽子と、
その裏に僕が書いた
Y.S という頭文字を
埋めるように、静かに、寂しく。
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