講演会があった。
「国境なき医師団 日本創設20周年 なぜ国境なき医師団は証言するのか」
早稲田大学大隈講堂。
内容は、1970年代から今日までの「医療は中立で守秘義務がある」という支援から、「医療支援で得た現地事情を証言して、広く注目を得て、現地に必要なプレッシャーを与える」に変化してきた経過の説明であった。
今年、MDFは「Humanitarian Negotiations Revealed」を出版しており、その日本語訳が「人道的交渉の現場からー国境なき医師団の葛藤と選択」として、12月初めに日本でも出版されるという背景がある。
開発途上国の精神保健支援に関わって来て、その目的はナニか?いかにして達成できるか?というのは避けられない課題だ。
政府による支援 ODA=Official Development Assistance は、支援する国側の利益が主目的である。
相手側の事情はあくまで2番目だ。
では、民間によるNGOの場合はどうなのか?
相手に役立つことを目指しているはずだ。
しかし現実はそう単純ではない。
相手の依存性を高めるだけであったり、する側の自己満足でしかないものが、現場では目に付く。
予算を取ったから(効果はどうであれ)やるしかない、という局面もある。
では最も困難な環境、災害後や内戦中などの事態への介入はどうであろう?
緊急支援に入ったら、じつはカゼや慢性疾患などの診療ばかりだったという話もある。
現地で長い間在り続けている(健康をめぐる)課題への介入が本当は必要なのだ。
しかし、そこへの正面切った介入は長期的になるし、資金も莫大になるし、外部者には関わる限界もある。
そこで実施は課題を絞って期間を絞って支援介入する(これをProjectと言う)ということになる。
きょうの講演者 MSF人道問題研究所CRASHのMichael Neuman氏は、上記書籍の著者の一人でもあるが、次のように述べた。
「たくさんの誤りはあった。全体主義的な政府に利用されるだけだったり、被益者が少ないまま支援を終了したり、現地政府の問題点を指摘しないまま活動の継続を優先させたり、組織を割ることになったり。ただ現在は、
・民間人に犠牲が起きる事態には協力しないこと、
・医療支援を口実に軍事介入する事態も拒否すること
・政治や宗教とは無縁で独立した活動であることを鮮明にすることだと考えていると説明し、
いつもジエントルマンではいられない」と。
それと大切なこと、MSFはその活動資金の90%を個人からの寄付に拠っているという、だから遠慮なく自分たちの考えで活動できる。
資金を提供するドナー(団体)の顔色をうかがう必要はない組織であることはすばらしい!
人道的な介入 Humanitarian negotiation といっても、状況によって同じではないということだろう。
止めることが必要な局面がある。
あすも関連のシンポジウムがある。
これまでの関連の報告書もネットで検索しつつ、上記の2つの図書も読んで、さらに考え続けたい・・・
(はるばる出かけて行って)人に支援するとき、効果的に行う条件、また阻害する要因はナニなのだろうか?
「国境なき医師団 日本創設20周年 なぜ国境なき医師団は証言するのか」
早稲田大学大隈講堂。
内容は、1970年代から今日までの「医療は中立で守秘義務がある」という支援から、「医療支援で得た現地事情を証言して、広く注目を得て、現地に必要なプレッシャーを与える」に変化してきた経過の説明であった。
今年、MDFは「Humanitarian Negotiations Revealed」を出版しており、その日本語訳が「人道的交渉の現場からー国境なき医師団の葛藤と選択」として、12月初めに日本でも出版されるという背景がある。
開発途上国の精神保健支援に関わって来て、その目的はナニか?いかにして達成できるか?というのは避けられない課題だ。
政府による支援 ODA=Official Development Assistance は、支援する国側の利益が主目的である。
相手側の事情はあくまで2番目だ。
では、民間によるNGOの場合はどうなのか?
相手に役立つことを目指しているはずだ。
しかし現実はそう単純ではない。
相手の依存性を高めるだけであったり、する側の自己満足でしかないものが、現場では目に付く。
予算を取ったから(効果はどうであれ)やるしかない、という局面もある。
では最も困難な環境、災害後や内戦中などの事態への介入はどうであろう?
緊急支援に入ったら、じつはカゼや慢性疾患などの診療ばかりだったという話もある。
現地で長い間在り続けている(健康をめぐる)課題への介入が本当は必要なのだ。
しかし、そこへの正面切った介入は長期的になるし、資金も莫大になるし、外部者には関わる限界もある。
そこで実施は課題を絞って期間を絞って支援介入する(これをProjectと言う)ということになる。
きょうの講演者 MSF人道問題研究所CRASHのMichael Neuman氏は、上記書籍の著者の一人でもあるが、次のように述べた。
「たくさんの誤りはあった。全体主義的な政府に利用されるだけだったり、被益者が少ないまま支援を終了したり、現地政府の問題点を指摘しないまま活動の継続を優先させたり、組織を割ることになったり。ただ現在は、
・民間人に犠牲が起きる事態には協力しないこと、
・医療支援を口実に軍事介入する事態も拒否すること
・政治や宗教とは無縁で独立した活動であることを鮮明にすることだと考えていると説明し、
いつもジエントルマンではいられない」と。
それと大切なこと、MSFはその活動資金の90%を個人からの寄付に拠っているという、だから遠慮なく自分たちの考えで活動できる。
資金を提供するドナー(団体)の顔色をうかがう必要はない組織であることはすばらしい!
人道的な介入 Humanitarian negotiation といっても、状況によって同じではないということだろう。
止めることが必要な局面がある。
あすも関連のシンポジウムがある。
これまでの関連の報告書もネットで検索しつつ、上記の2つの図書も読んで、さらに考え続けたい・・・
(はるばる出かけて行って)人に支援するとき、効果的に行う条件、また阻害する要因はナニなのだろうか?