昨深夜、癌末期の患者さんを在宅でお看取りしました。
と言っても、看取りをされたのは、ご家族と「様子がおかしいので見に来て」との電話で駆け付けた訪問看護師でした。
私は、訪問看護師からの「先ほど息を引き取られました」
との電話を貰って、それから死亡診断書を書いて、出かけました。
ご家族は、「自宅で、皆で看取れてよかったです。」
と、おっしゃっていました。
https://www.youtube.com/watch?v=CBPCNVR1tb4
https://www.youtube.com/watch?v=yyF0-p38grE
親族の方達が10名程度集まられていて、いかにも3密!!でしたので、出来たら、換気に注意してくださいね と申しました。
自宅に戻られてからは本当に急速に悪くなられたのですが、口内炎以外の疼痛はなかったので、口腔内の処置以外治療は何も行いませんでした。
勿論、栄養不良、脱水はありましたが、点滴加療をしても、得られるものがほとんどないですから。
今年に入ってから食欲不振などが出現、2月に転移性多発肝癌などが見つかり、病院に通院、入退院を繰り返して来られました。
2週間前に最後の抗がん剤治療のあと(これは、しないほうが良かったとは思いますが・・・)
もう、何も出来ることは亡くなったので、貴重な残り時間を自宅で家族とお過ごしください
と、言われました とのことで、在宅医療開始となった方です。
病診連携皆無で、自宅に帰られてから紹介されました。
退院前に紹介していただいて、退院時カンファレンスなどしていただければ、スムーズに在宅医療に移行できるのですが・・・
「一見さん」でしたが、紹介状を持参して家人が来院されましたので、断ることも出来ず・・・・
がんが見つかるまで、糖尿病、脂質代謝異常で通院していた診療所は、往診しないそうです。
まあ、文句を言っても始まらないですね。仕事がいただけるだけありがたいと思うことにします。
徐々に一般化しつつある在宅でのお看取りですが・・・・
核家族化もあって、ほとんどの介護者(ご家族)が初体験で、最初は何をしたらいいか戸惑われます。
そのうちに慣れて、ベテランになられたりもするのですが・・・・
癌末期の場合、悪化し始めると急激に悪くなるので・・・
慣れ始めたころに・・・・
となることが多いです。
通院されていた病院では、現在、基本的に面会できないらしく、看取りの場面でもご家族の面会制限があるとのことでした。
新型コロナが在宅医療の後押しをしているのでしょうか・・・・
昨夜は、ご家族の皆、穏やかな微笑を浮かべておられました。
小笠原文雄先生の言われる「なんとめでたいご臨終」だったのかもしれないですね。