茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

博多祇園山笠

2009年07月14日 | Weblog
今夜の博多は熱いです
768年にわたる歴史をもつ
博多総鎮守櫛田神社の奉納神事です
早暁4:59
櫛田入り一番太鼓とともに
祭りのフィナーレ「追い山」が始まり
境内の清道を回ったところで
「博多祝いめでた」の歌が入ります

このフィナーレで
「勢い水(キオイミズ)」として撒かれる水が
今朝静岡空港から飛び立ちました
どうして静岡の水かといいますと
このお祭りが
1241年
博多で疫病が流行した際
承天寺の聖一国師(しょういちこくし)が
町民に担がれた木製の施餓鬼棚に乗り
清めの水を撒きながら
疫病退散を祈祷してまわったことに由来していて
そして
この聖一国師の故郷が静岡だから
というわけです
先月開港した静岡空港と福岡空港間に
定期便が就航した記念に
お水の直行便が飛んだわけです

聖一国師は鎌倉時代の禅僧ですが
当時は神仏混淆の時代
師の清めの行が
災厄除去の祇園信仰と結びついて
さらに山笠神事として発展したのだそうです
800年の時を経て
生家の沢の水が空を飛んで民を清めることになろうとは
師もびっくり~ですね

聖一国師は宋より帰朝した際に
博多に蕎麦や饅頭を伝え
静岡にお茶を伝えています
『東福寺誌』によると
宋から持ち帰った茶の種子を足窪村へ播いたところ
茶は風土に適して広く各村に普及し質も向上
足窪の村(現在の足久保)は豊かになり
聖一国師は茶祖とよばれるようになったとあります

また聖一国師は
『禅苑清規十合(ぜんおんしんぎ)』という書物も持ち帰っています
「清規」とは
茶礼をふくめて禅院の僧侶の守らなければならない行儀作法のこと
喫茶喫飯の儀礼が含まれるこの書は
その後の茶の湯の文化の根底を説いた書
ともいわれているのです