茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

虹始見(虹始めてあらわる)七十二候第十五

2010年04月18日 | Weblog
空は虹が現れるどころか
雪が舞うよな冷たい春。
七色の代わりに五色の吹き流しが、
早く夏よ来い、
もうすぐ茶摘みだ、
と空にメッセージを送っているようです。
鯉ちゃんたちは
風邪をひくと行けないのでまだ登場しません。

今日は晴天に恵まれ、
香集寺さんの境内で
足柄の「花里の雫」をご紹介させていただきました。
足柄のすすり茶です。
あ、ご報告が遅くなりましたが、
以前募集していましたすすり茶の名称は
2332点の応募の中から
「足柄うまみ茶 花里(はなり)の雫」に
決定いたしました。

私も応募したんですけど・・・
3煎いただいて最後は食べちゃうというスタイルですから、
お抹茶のようにお茶の栄養を丸ごと吸収できるので
茶は延命の妙薬(『喫茶養生記』)というところから
「足柄フェニックス」と名付けました。
すっごくいいと思ったのになあ。


40℃の低い温度で
トロッとした甘みを感じていただく一煎目、
絶対に、「わ~」と歓声があがり
皆様のお目々がハートになるお約束の瞬間に
今日は、
「げっ、にげえー」
という声が聞こえて来るではありませんか。

30歳くらいの男性です。
彼はもうそれ以上飲めないでいます。
2煎目用にまたお湯を足しても
ますます顔がよじれていくばかり。
周りの人が皆「甘~い」とにこにこしている様子を見て、
「これは濃いということなのか・・・」と
濃縮青汁でも手にしているような顔つきでした。
「お茶は飲んだことないと言ってもいいかも」という彼、
微量の苦渋味に
舌が危険信号を出していたのかもしれません。

「あら、もったいない」
って、隣のおばさまが彼の分も完食して下さいました。
味覚って、こうも、違うものなのですね。