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ひよこ造船工房

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ホームシアターおさらい解説 自動音場測定編

2011年07月21日 | ホームシアター解説

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■ 自動音場測定機能

 

 まず『自動音場測定』とはなんぞ?なんですが、これは測定専用マイクを用いてルーム・システム全体の素性を計測、それらをなるべく理想的音場に近づけるように音質のクセ、バラつきを予め補正してくれる、AVアンプ搭載の機能です。

 

 従来アンプにも勿論補正機能は付いていましたが、マニュアルでの調整だったので、ヒトの耳だけが頼りで、適切な設定には豊富な知識や経験、聴覚神経の敏感さ、設定を専門家に頼む費用が大きな障害でした。

 

 それをアンプ自身にやらせて使用者の負担を減らそうというのが、この"自動音場測定機能"です。

 

 

 

■ なにが補正される?

 

 測定・補正される項目は、現状の国内機種を見ると以下の通り。

 

 1. 各スピーカーの能率(音量)差

 2. スピーカーとリスナーとの距離(発音タイミング)

 3. スピーカーの再生周波数ごとの音圧差

 4. ルームに発生する定在波

 5. スピーカーの位相差

 6. バーチャルスピーカー生成のための測定

 

 調べると大体これらの項目が出てきます。 (多くの機種では1~3,4辺りまでしかないですが) これらを、マイク設置位置でフラットに聞こえるように補正していきます。

 

 補正する必要性ですが、本筋は当然、「ソフトに収録されている音声を正確に再現する」ためです。 他に「ルーム込みで補正する必要があるのか?」、「すべて同じスピーカーだったら要らないのでは?」とのご意見もありそうですが、"ルーム(部屋)自体のクセ"も含めて補正しないと、"ルーム内で発音している音"になってしまうためです。 つまり、映画内で「広大な原野」、「狭い潜水艦内部」というようなモノが音響的に収録されていても、ルームのクセ(特性)も直さなければ制作者の意図する正確なスケール感が再現できないということになってしまいます。

 

 で、各メーカーの測定・補正精度なんですが…、前々回名前を上げた3社が優れています。 理由は、3社とも独自の測定・補正機能を開発しているためといってもいいです。 これによって細かいバージョンアップや機種によるパラメーター管理が迅速・高精度に出来ると、個人的に考えています。 (あくまで視聴体験と、左記のような事実からの類推による)

 

 

 

■ 補正することによる利点

 

 一番の目的はカンタンにいうと、各スピーカー間の音の断裂感を無くすためです。 この"音の断裂感"があると「今そこのスピーカーが鳴ったな…」ということが手に取るように分り、自然な一体感のあるサラウンド再生を妨げます。

 

 1から5までの機能はだいたいこの補正をします。 従来のステレオ再生では同機種のスピーカーが2つで、リスナーとの位置が三角形で安定するのため、このような問題はありませんでした。 が、最低でも5つのスピーカーを同時に鳴らすサラウンド再生環境ではバランスが最も重要で、耳で聴くだけの調整をするのが非常に困難なため、今では自動での測定・補正に頼るのが主流となっています。 (全て同じ機種のスピーカーにしても、置き方、置き場所が変わると最低限、1、2は補正の必要が出てきます)

 

 6は、お部屋の環境などで追加スピーカーを入れられない場合の付帯機能です。 お部屋の大きさ・環境によってはサラウンドバック、フロントハイトスピーカーの設置が難しいですよね。 そんな時に音場感を更に良くする為の機能。 主要メーカーの中には、最低でもフロント2chさえあれば"サラウンド感"が再現できると豪語しているメーカーもあります。 とても頼もしいですね 

 

 

 

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ホームシアターおさらい解説 計画編

ホームシアターおさらい解説 概要編vol.1

ホームシアターおさらい解説 概要編vol.2

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ホームシアターおさらい解説 BDプレーヤー選び編

ホームシアターおさらい解説 映像機器編

 

 

* ブログ形式なので続けて読みにくい面がありまして申し訳ないです。 当連載は⇒の"ホームシアター解説"タグもご利用ください。

 

 

 

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