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歴史模擬授業(第31回 第二次世界大戦の後)②-2 国連成立・冷戦と日本の独立②

2014年01月13日 07時51分44秒 | 歴史☆模擬授業

歴史模擬授業(旧)第31回です。

 

わかりやすく解説していので、「こういう説もある!」という専門的なことを
引き合いに出されてもお答えできないことがあるかもしれません。申し訳ありません。
不快な気持ちになった方には申し訳ありません。

 

歴史模擬授業31会 国連成立・冷戦と日本の独立2

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「では、今日は冷戦下の日本とアジアの動きを見ていきましょう。」

「はい。」

 

「日本がGHQの占領下におかれている、1949年に、ある大国が社会主義国家になったのです。」

「え?」

「それが、中国。当時は、資本主義中華民国という国だった。

しかし、戦後、蔣介石(しょうかいせき)率いる資本主義の国民政府と、

毛沢東(もうたくとう)率いる、社会主義の中国共産党が対立し始め、

中国共産党が勝ち、ついに1949年に社会主義国である中華人民共和国をつくりました。

(国民政府は台湾に移りました。)」

「そうだったんだ・・。」

「そうすると、資本主義のアメリカはよけいあせるよね。」

「そうだよね・・。面積ナンバーワンのソ連、人口ナンバーワンの中国が社会主義になったってことだもんね。

それに、そうなると、他の国もどんどん社会主義になっていく可能性が高いし。」

「また、中国のお隣、朝鮮も、日本の支配から解放され、国内で資本主義勢力・社会主義勢力で

対立を深めていました。そして、1950年に、戦争が始まります。それが朝鮮戦争というもの。」

「戦争が始まってしまったんだ・・。」

「アメリカもソ連もそれぞれの勢力を支援します。

最終的に決着がつかず、1953年に休戦協定が結ばれ、

北緯38度線を境に、北は、社会主義朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、

南は、資本主義大韓民国(韓国)と、朝鮮は2つに分かれてしまいます。

(各々の国は朝鮮戦争以前に成立しています。)」

「・・・・。」

「本来1つの国だったのが、考えの違いで2つの国に分かれてしまったのね・・。」

「でも、その責任は日本にもあるよね・・。ずっと朝鮮を占領していたんだから・・。」

「朝鮮戦争は休戦しているだけで、まだ終戦していません。

だから、まだこれからもこの対立は終わっていないんです。(2014年1月現在)」

「すごく難しい問題だけど、日本にも関係あることだから、目をそむけず、少しでも良い方向に向かうよう、

ぼくなりに考えたいな。」

「そうね,考えることって大切だよね。」

 

「また、この朝鮮戦争が皮肉なことに、戦後直後の日本を地獄の底から抜け出すきっかけを与えたのです。」

「え・・?」

「日本と朝鮮半島って近いでしょ。また、ソ連は朝鮮半島と隣接しているでしょ。

そうすると、アメリカは、ソ連と比べて不利でしょ。自分の国から軍需品を持っていくのだと

時間もかかるし大変。

そこで、朝鮮戦争で日本はアメリカからの大量の軍事品の注文を受けることになり、

戦後の最悪の不景気から抜け出すことができたの。」

「そうだったんだ・・。」

「戦後すぐの日本は、焼け野原で住むところもない人が多い、働く場所もない、という

とても厳しい状況だったの。」

「・・・。」

「このように、朝鮮戦争による日本の好景気を、特需景気(とくじゅけいき)と言います。」

「特別な状況下での需要によって良くなった景気っていう意味ね。」

「また、アメリカは、あることを恐れたんです。

ソ連・中国が社会主義になり、朝鮮でも社会主義・資本主義の対立がおきている。

ソ連・中国・朝鮮に近い日本だって、いつ社会主義になるかわからない。

もし日本国内は資本主義での独立を望んでも、

いつ社会主義の国が攻めて、日本も社会主義の一員になるかわからない。

だから、日本国憲法で平和主義を掲げ、一切の戦力をもたないとしたとしても、

自分の国を守る程度の力は必要だろう、と思った。

そこれで、アメリカの命令で、日本で警察予備隊というものがつくられました。

これは、現在の自衛隊の前身になります。」

「え、自衛隊ももともとは、朝鮮戦争がきっかけだったんだ・・。」

「うん。自衛隊は、自分の国を守るためだけの組織なので、軍隊ではない、という考え方に基づき

成立しています。正当防衛の精神ね。

ただ、自衛隊は憲法違反なのではないないか、という論争もあり、それはいまだに決着しません。」

「そうなんだ・・。」

「そして、朝鮮戦争の最中、アメリカは日本をさっさと資本主義の国として独立させてしまおう、と

考えます。

そこで、1951年に日本と、アメリカ率いる連合国(資本主義諸国)は講和会議を開き、

日本の独立を約束した、サンフランシスコ平和条約を結びます。」

「そうだったんだ!」

「ただし、完全に日本が独立した状態になったということは、ある意味、社会主義諸国に

ほぼ丸腰の状態。そこで、サンフランシスコ平和条約を結ぶと同時に、

引き続きアメリカ軍が日本に駐留(ちゅうりゅう:居座ること)することを認めるとした

日米安全保障条約を結びます。」

「え・・。」

「この日米安全保障条約は、アメリカ軍事基地の問題にからんでいて、これも未だに続く論争の1つです。」

「この時代は、現在まで続く問題がたくさん出てくるね・・。」

「また、日本は独立したといっても、当時は,小笠原諸島沖縄は依然としてアメリカの領土でした。」

「・・・・。」

サンフランシスコ条約日米安全保障条約セットで覚えましょう。

これは、よく入試で出ます。

たとえば、サンフランシスコ平和条約に線が引いてあり、

「この条約といっしょに結ばれた条約は何か?」と聞かれたりね。

また、条約の内容も聞かれることがあるので、内容も一緒に覚えましょう。」

「はい、用語だけの丸暗記はしないよう理解して覚えるようにします。」

「そういうことね、がんばって理解して覚えましょうね。」

「はい。」

「ではでは、独立した日本はこれから国際社会の中に入っていきます。

しかし、戦争で失ってしまった信頼や、国交などを回復するには、

これから何年もかかっていきます。

それを次回、見ていきましょう。ではでは、起立・礼。」

 

「ありがとうございました。」

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わかりやすく解説していので、「こういう説もある!」という専門的なことを
引き合いに出されてもお答えできないことがあるかもしれません。申し訳ありません。
不快な気持ちになった方には申し訳ありません。

 

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