SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

Ken Peplowski Quartet 「Memories Of You」

2008年12月04日 | Clarinet/Oboe/Flute

実にハートウォームな演奏だ。
胸の奥にまで染み入るようなサックスとクラリネットの調べ。この季節にぴったりの一枚である。

ケン・ペプロフスキーはクラリネット奏者として有名であるが、テナーサックスを吹かせても超一流だ。
このアルバムは2枚組の大作だが、クラリネットとテナーサックスでの演奏がほぼ半々ずつ入っていて私たちを楽しませてくれる。
ズズズ....ススス....と跡を引くようなビブラートが特徴的な太いテナーと、ホロホロホロ.....と小鳥がさえずるような軽いクラリネットの対比が実に新鮮に響いてくる。
曲もその楽器に合わせてうまく選曲してあるのだが、タイトル曲の「Memories Of You」だけは両方収録されている。どちらも甲乙つけがたい出来だ。彼は曲のテンポを極端に変えたりせず、純粋に楽器の音色によって表現を変えている。このへんが何ともにくいところである。
個人的な感覚でいうと、クラリネットでの演奏では、A-2曲目の「I'll Be Seeing You」、B-1曲目の「Foggy Day」の出来がよく、テナーサックスでの演奏では、A-6曲目の「It Might As Well Be Spring」、B-6曲目の「But Not For Me」が特に際立っているように思う。ピアノを弾くテッド・ローゼンタール やベースのゲイリー・マッツァロッピ、ドラムスのジェフ・ブリリンガーとの息がぴったりと合っているからだ。

話は変わるが、昨日は3時間かけて山あいのある町まで出かけ、茅葺きの古民家に宿泊した。
地元の人と数名で囲炉裏を囲み深夜まで酒を飲みながら話をしたのだが、酔った勢いで外に出てみると、夜空には満天の星が輝いていた。天の川もくっきり見えるし、オリオン座の中にも小さな星がたくさん存在していることに驚いた。正に降ってくるような煌びやかさだ。
雪国の冬は厳しいが、冬ならではの楽しみもある。
季節を感じることのできる生活をしていたいとつくづく思う。


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