buriのフリーランスな日々 

東京武蔵野、赤松や桜、ドングリの木々に囲まれて育ち、原宿で青春をすごした後、中国と深く関わったburiのメモブログ

人間失格

2010年10月14日 | 本・映画・音楽・美術のページ
「原作と映画」という授業で太宰治の「人間失格」を読むことになりました。
学生からのリクエストです。

太宰治は外国人の間でも有名ですが、「走れメロス」という名は挙げられても
「人間失格」や「斜陽」「ヴィヨンの妻」の名を挙げられる人は少ないような気がします。
(↑日本人も同じかも、、、)

「人間失格」は太宰治の「遺書的」小説とも言われていますが、
人間の本質を鋭く貫いていて、怖いくらいです。
読む人すべてを「この小説は私のことだ」と思わせてしまう、と小説家の筒井康隆が
評したとのことですが、まさにこの小説の中には「私」が存在しているように
思えるのです。

今考えれば、
「先生、現代の人気作家の作品だけでなく、有名な作家の本を読んでみたい。」という
学生のひと言、すばらしい提案でした。

文庫本、そして
今学生に人気のある「アニメ版人間失格」を読んでから
2009年に太宰治生誕100年を記念して作られた文芸映画「人間失格」を
見る予定です。


後期になって、「原作と映画」の履修者が前期の2倍になりました。
原作を読み、登場人物について調べ、
感想を好きなように学生やサポーターを交え発表します。
それから映画を見て、またけんけんがくがく、好きなことを言い合う、、、
ひとつの作品について1ヶ月以上かかる授業ですが、
確実に日本語の本を読み切ろう、という学生が増えて来ていて
うれしい限りです。
2年間、この授業を続けて履修すると、留学生は日本語の文庫本で16冊、6000頁ほどを
読破することになります。
「16冊も読めたことが私の自慢です。」とニコニコして言ってくれた韓国人の女子学生、、、。

とってもうれしくて、ちょっぴり感動してしまった私です。




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11月には「シャーロックホームズの冒険」を読みます。
初の海外作品です。