buriのフリーランスな日々 

東京武蔵野、赤松や桜、ドングリの木々に囲まれて育ち、原宿で青春をすごした後、中国と深く関わったburiのメモブログ

おだやかに穏やかに

2010年06月26日 | 本・映画・音楽・美術のページ

学校では毎日いろいろな事件が起こる。
人がいっぱいあふれているのだから、当然だ。
それも教室という小さな箱ものに,個性が異なり(いい意味でも悪い意味でも)
個性がぶつかり合う人たちを入れている。

おだやかな授業をしてみたい、、、
それは教師である私の願いのひとつだ。

今年も『映画の原作本を読み、映画を見る』という授業を続けている。

このクラスには読書好きが集まっている。
今年の前期は日本の小説を極めている、あるいは話題作をかなりの冊数、
読破している強者が揃っている。

300ページ近い本を2週間、あるいは3週間で完読しなければならないのだから
留学生としては相当な日本語力を求められる。
また、読後の映画鑑賞、そして原作と映画を比較してみる分析力、コメント力が必要となる。

先週の授業はメンバー8人のうち、体調を崩した人、所用で欠席した人が4名いた。
8人の本当に小さなクラスなので、当日はみんなで相談の上、授業の半分は
現在読んでいる江國香織さんの『間宮兄弟』を読み進めるということになった。

教室に静かでおだやかな時間が流れる。

みな、熱心にひと言も話すことなく本を読む。
どんなふうに座ってもかまわない。
本を読む時間で、文法や翻訳をする時間ではないからだ。
学生は
あらかじめ配っておいた小さなポストイット(主要な登場人物別に色分けされている)に
気がついたことをメモをし、各ページにそれを貼っている。
だから、学生の持っている本は赤や黄色、緑などのポストイットがいっぱいページに挟まれていて
すごくカラフルだ。
みんな、このやり方がとてもいいと思っている。
(実は私もそう思っている!登場人物を整理しやすい)

おだやかに穏やかに、、、。

誰にでも
ページをめくる音だけが微かに聞こえてくる、そんな静かな時間が必要なのだ。

にほんブログ村
FC2ブログランキング
人気ブログランキングへ