原田知世
「カコ」(1994)
鈴木慶一プロデュース第二弾。
60年代ポップスを中心にしたカヴァー集。
曲目をあえて邦題で幾つか並べると・・・
「この世の果てまで」
「砂に消えた涙」
「ウィンチェスターの鐘」
「青春の光と影」
などなど。
ちなみに、このアルバムのジャケやライナーや帯のドコを探しても邦題は掲載されていない・・・。何故か?
恐らく「皆さんが知っているあの曲」とは違うモノになっているから「皆さんが知っている邦題」は載せなかったという事でしょう。そういう事で、コレは並のカヴァー集ではな~い!
サウンドの基本は、鈴木慶一サンによる打ち込み。
当然、かなりネジったサウンドです。
(ただし、完全に一回転ネジリしているので、意外と分かり易いサウンドになっていると思います、ワタシ的にゃ。)
具体的には・・・。
夢のような音色のシンセ。
機械音のようなノイズ。
アコースティック・サウンド(ギターはDr.Kこと徳武弘文サンです)。
そして、声。
しかし、深いエコーが掛かったとしても、ドコか醒めた感覚。
言うならば、宙に浮かんで、かつ、明晰に過去を俯瞰している感じ。
決して癒し系ではナイです。甘口でもナイです。この音楽。
ちょっと凄い。
それから、ジャケット写真。
コドモの頃の知世さんかと思うでしょうがサニアラズ。
これは、写真家・植田正治氏の作品で、写っている少女はその娘さん(カコ)だそうです。どうやら、アルバムのタイトルはコレと、「過去」を引っ掛けてつけたようです。(と、どっかに書いてありました・・・)
(ちなみに、調べたらカコさんの生まれは1938年なので、この写真に取り込まれている時間は恐らく1940年代のモノ。このアルバムは、写真の中の時間と、現在を繋げるタイムマシン系音楽でもあるという感じがしますね。)
そんで、ひとつ驚くコトがあります。
裏ジャケのクレジットを見ると、「Language Master」ってのが載ってるんですね。
このアルバムは、英語、イタリア語、フランス語で歌われているのんで、発音を徹底したってコトなんだと思いますが、わざわざクレジットするってのは、かなり重視したというコトでしょうね。
そして、どうもこの発音を徹底する中で、声の響きを意識的に使い分ける、という技を知世さんは体得したようで、次作以降のボーカルは明らかにスタイルが変わりマス。(このアタリから、この方は、高度な技術を駆使するスゲぇ技巧派ボーカリストになって行く訳でして、聴くワレワレも覚悟しましょう。)
コレはハッキリ言って名盤です。
原田知世の代表曲の一つともなった「T'EN VA PAS」も収録されています。
四の五の言っても、聴きまショウね。
たまに来ます
お立ち寄り下さり、ありがとうございます。
濃ゆいかもしれませんが、中身はない音楽ブログでス。
どうぞ、またお越し下さい。
joyukiさん。
連発デス。
慶一さん三部作というコトで、もう一つ続けますのでよろしくお願い致します。
「あっ、これは原田知世の曲だ!」はワタシもよく思ってます。「WINCHESTER CATHEDRAL」なんて土曜日ごとにそう思ってます
四の五の言わずにこのアルバムを聴きました。
いやあ、いいですね。素晴らしい。
それにこのヒネり具合。最高です。
iPodにも入れて毎日聴いております。
当ブログを切っ掛けにして、聴いて下さったとはウレシイ限りです。
アルバム・タイトル、ジャケ写、選曲、アレンジ、ヴォーカルの全ての、ヒネり「具合」がミゴトに絶妙って感じですよね。
ワタシも、数年振りに、iPodで知世さん三昧であります。