ぶーくん読書録

今まで読んできた本について、いろいろ書いてみる。
ほとんど、ネタバレ!!

妖怪アパートの幽雅な日常7  香月 日輪

2013年03月30日 | 小説-日本-
2012年
講談社文庫




この本は、毎回、何かしらのテーマがあるように思う。
今回は、
想像力と性教育かな?
と、この二つを並べるとなんだか変な方向性にいきそうですが、
普通にまじめな話ですw

夕士の学校では、三年生追いだし会の準備がはじめられているのですが、
そこで、
人気の千晶先生に歌を歌ってもらおうと女子たちが画策していた。

前半は、千晶先生のカッコよさの話、ついでに言うと
最後のおまけストーリーも千晶先生がいかにかっこいいかという話になっていた。
千晶先生ファンのためのサービスの一環だとおもうのですが、
・・・・・
ここまでくると、
ドン引きですよ!
お金持ちで、かっこよくて(女子はみんな千晶先生が好きみたいな)
何でもできる、スーパースター、
なので、
歌を歌うと、惚れられて大変なことになるから予防線を・・

ちょっと、この辺、鼻につくんですが・・

ここで
一つ目の性教育
千晶先生が以前居た学校でもモテモテで
生徒の一人が、千晶先生と恋人同士であると妄想して
一悶着の上
千晶先生の手に5針縫うほどのけがをさせた。
ところが、その生徒の母親にも、問題がアリ
二人そろって”入院”してしまった。
妄想するのはかまわないけど、
現実と妄想をきちんと分けなければならいという話。


アパートでは、
妖怪の幼稚園につとめている
まり子さんが、預かっていた何かの卵を
くりちゃんが、夕士の部屋に持ち込んだところで孵ってしまう。
そして、その何かはすっかり夕士をお母さんだと思い込んでしまったため、
夕士がしばらく育てることになる。

そして、ここで
二つ目の性教育
まり子さんが生きていたころの話、
お金持ちのお嬢様として育てられて
やりたい放題、さらにお金持ちだから
良からぬ者たちが集まってきて
よからぬ遊びを教えてもらう。

遊びの一環でセックスをして、子供ができたら堕胎するを繰り返していたある日、
本当に好きな人と出会って、
その人との子供ができたときに、
今までの堕胎の影響で、
子供だけでなく、自分の命も落としてしまう。

未だに、まり子さんは自分がどれだけバカだったのかを後悔し続ける。

勉強は何のためにするのか、
頭の体操のためという言葉に、そうだと思うとうなずいた。

実際、理科とか数学で習ったことはそのまま、今の生活で使うことはないですが、
たとえば、
コップに入った水を見て、これってどれくらい入ってるんだろう?
って、いうのは数学の容積、実際、本当に測ることはないけど、
だいたい、これくらいかな?と、思うのは
昔習ったことの応用を知らず知らずしているのではないだろうか、
そうやって、何かの応用は、そのベースが無いとできないことで、
それはまた、想像力を鍛えることにもなると思う。

無免許で事故を起こして他人を死に至らしめる事件や、
飲酒運転でやぱり、誰かを不幸に貶める
ちゃんと、想像力を鍛えていれば、
ムチャな運転をした先に何があるのかを想像できる。

勉強(学校で習う教科以外でも)は、
頭を鍛えて、想像力を発達させることなんだと私も思ってるんですよ。

高学歴だとか、いい大学を出てるとかそういうのではなくて、
人間的に頭の良い人になるため、勉強が必要なのではないだろうか?

千晶先生の話は、なんだかもう、お腹一杯ですって、感じですが。
まり子さんの話は、そうだよな~って、思うところがあった。

今回は、長谷君はほとんど登場せず、
ただ、千晶先生と長谷君のキャラがかぶりすぎで
スーパースター見たいのが2人いると、
ちょっと、食あたり気味になる。

千晶先生持ち上げすぎで、
龍さんどうした?って、感じです。

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