ぶらっとJAPAN

おもに大阪、ときどき京都。
足の向くまま、気の向くまま。プチ放浪の日々。

梅と青空【中山寺梅林2017】

2017-03-15 22:04:37 | 

Cherry in the sky

 

城南宮で雅びを堪能して、気持ちは梅から桜に移りつつありますが 去年見頃を逃した中山寺の梅林へリベンジに行って参りました。

満開ですね。蜜を吸いに来たヒヨドリも満足気

今日は天気雨が続く変わった陽気で、そのせいなのか空がとても青かったです。

 

中山寺の梅林は少し高台にあって、周りが開けている分、空がよく見えるのかもしれません。

春ですね。

いつもの場所にツバメが巣を作り始めました。今年はどんなツバメたちが来るのか楽しみです

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平安の雅びを味わう【城南宮の梅】

2017-03-08 21:53:30 | 

椿も見どころです♪

あちこちで梅が見頃を迎えていますね

今日はお天気もよかったので、城南宮に行ってきました。

社殿でお参りを済ませお庭に入るとあたり一面見事なしだれ梅。

先日、大阪城で見た梅を観音様に例えましたが、こちらは優美な天女です。風にそよぐ細い枝ぶりが何とも雅びで、薄いピンクの靄がかかったような景色は桃源郷もかくやという美しさ。周りからもため息とも歓声ともつかない声が聞こえてきます。

ひとつひとつはとても繊細なたたずまい。

城南宮自体の創建は794年の平安遷都に遡るそうですが、平安後期に城南宮を囲むように鳥羽離宮が建てられ、白河上皇や鳥羽上皇が院政を行った場所として有名です。城南宮は離宮の鎮守として崇められたとか。離宮は2kmにも及んだと言われる文化政治の中心でしたが、南北朝の動乱で多くが失われ、現在は離宮跡の公園や天皇陵がいくつか残っているだけだそうです。確かに竹田駅から巨大な工場や高速道路の側を通り抜け、本当にこんなところに? と不安になったころに突如として城南宮はその姿を現します。

 

満開です。

八重の花弁なのでとてもゴージャス

平日にもかかわらずたくさんの人で、老いも若きも、健康な人も身体の不自由な方も変わらず花を愛でている姿が印象的でした。花の前では皆平等です。たとえ目が不自由だったとしても、その匂いが心をなごませてくれることでしょう。

変わらない花や木の姿は、いにしえの空気を伝えてくれます。

最近、椿を見る機会が多いのですが、椿って意外に高嶺の花なんですよね。感覚としては木です。だからよくお顔が見えない。(背の低い椿もありますが。)地面に落ちてきてようやくつくづくと眺めることができるのです。昔の人はその命が尽きる間際の邂逅にあはれを感じたのでしょうか。風景のさし色としても素晴らしいですよね。実際、1枚目の写真はカメラ女子が密集する人気撮影ポイントでした。

今の時期は梅が大人気ですが、ここのお庭は『源氏物語』ゆかりの花や草木を見られることでも知られていて、あちこちに『源氏物語』の一節を書いた札が立っています。もちろん、季節があるので実物を一度に全部見られるわけではありません。けれど、ただ読んでいるだけでも、実にたくさんの植物があるのだと驚かされます。紫式部が教養の高い女性だったということもありますが、昔の人は本当によく知っていますね。きっとそれは、現代人よりも遥かに自然と人間の生活が密着していたことも一因だと思われます。花で糸を染め、実を食料にし、竹を使って道具を作る。生活に欠かせないものだから詳しくなる。そしてまた、鮮やかな花の色を愛で、地面にしっかりと根をはる木に勇気づけられてきたのではないでしょうか。愛でることについては現代人も同じです。周囲の環境から推して庭の維持にはけっこうなご苦労があるのではと勝手に心配していますが、末永く残していってほしいです。現代は、たとえばクローン技術でまったく同じ庭を再現することが可能なレベルまで来ていますが、そうやって人工的に作られたものたちと自然の植物とでは発するエネルギーが違う気がしますよね。

交通の便が若干悪いのが難点ですが、繊細な美を堪能できるとてもいい所でした。

そして鳥羽離宮は後白河法皇が平清盛により幽閉された場所であり、さらに下って後鳥羽上皇が承久の乱で兵を集めるために城南宮で行われる流鏑馬を名目に使ったりと歴史の重要な舞台でもあります。今回初めて知りましたが、鳥羽伏見の戦いもこの辺りで口火が切られたんですよね。歴史的にもとても興味深い場所なので、また改めて訪れたいです。

ひさしぶりなので長文になってしまいました。最後まで読んでいただきありがとうございます

 

 

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船場のおひなまつり【船場探訪】

2017-03-03 22:44:41 | アート

生駒ビルの芥子雛たち。

 

船場で開催中の『船場のおひなさま展』に行ってきました

北船場ゆかりの家のお雛さまたちを登録有形文化財である建物に飾って、雛を愛でながら同時に建物を楽しむ一粒で二度おいしい企画展です。

残念ながら写真NGのところが多いのですが、一通り回ってきましのでレポートしたいと思います

最初に向かったのは田辺製薬のエントランスに飾ってある船場商家のお雛様。時計店と貿易商を営んでいたそうで、昭和11~12年製作のもの。戦後間もないころには料亭・播半に飾られていたこともあったという由緒正しいお雛様です。男雛は涼やかで凛々しいお顔立ち、女雛はこちらも高貴な女人の容貌。三人官女の佇まいも優雅で、大店にふさわしいお人形たちです。ちなみにお殿様が向かって右側に座る京雛スタイル。これ、今日見たお雛様全部がそうでした。当たり前と言えば当たり前ですが、関東のお雛様しか見たことなかった者にとっては面白いですね。

続いては生駒ビル。1枚目の写真にある芥子雛が飾ってありました。私は初めてみましたが、芥子雛とは木目込という技法で布を張り込む職人技が光る一品です。こちらのはユーモラスな表情もナイス 江戸時代にどんどん華美になっていった雛飾りに、幕府がけしからん! と歯止めをかけようとしたことも一因となって、小さいけれど手の込んだこの芥子雛の人気が出たそうですが、ちっちゃくても精巧、というコンセプト、日本人好きですよね。

 

レトロ萌えにはたまらない生駒ビル。

生駒ビルのすぐご近所には薬の神様、少彦名神社があります。ここでもお雛様を展示中です。

こちらも写真はNG。

なかなか年季が入ったお雛様でしたが、年代はちょっとわかりませんでした。とにかくお道具がすごい。どれも本物そっくりに作りこまれていて、でもちっちゃいんです。手のひらサイズ? 抱き人形のようなものも展示されていましたが、この子がとってもたくさん草履を持っていました(笑)。立派な下駄箱にきちんと収納されていて、まさに履き道楽。こういうところが船場っぽいなあと思います。

さて、時間が押してきました。どんどん行きましょう。次に訪れたのが伏見ビル。一階のギャラリーでの展示です。個人的には今回のお雛さまの中ではこれがイチオシ

関東ではまずお目にかかれない御所飾りがゴージャス 男雛も女雛も立派な頭飾りをつけて、御所の中におさまっています。昭和初期の製作だそうですが、戦前はこのような御所飾りは関西ではよく見られたみたいですね。なによりここのお雛様たちは顔がとても興味深い。一般的なお雛さまはふくよかで細い目で全体的に丸い頭のイメージですが、こちらは面長で頬骨なんかもあったりしてとてもリアル。歌舞伎に対抗して新劇登場、みたいな感じです。でも全体の雰囲気は安土桃山時代なんです。五人囃子なんて秀吉がいっぱい 思うに芝居のワンシーンみたいなものを意図して作られたのではないでしょうか。道具の細工も見事です。これ、作る行程は実用品とまったく同じなんでしょうね。でも飾るだけ。うーん、すばらしい道楽です。

伏見ビルとは目と鼻の先の芝川ビル。ここは、ニッカウヰスキーの創立当時、出資者の一人だった芝川又四郎さんのビルですね。4階に芝川家ゆかりのお雛様が展示されているのですが、まあ会社に出資するくらいですから裕福なのは間違いなく、それはもう立派なお雛様でした。まず大きさが違うし、そろえられた道具の数が半端ではありません。皿やら何にやら綺麗に絵付けされ、それぞれ全部12客とかある。台所用具一式のミニチュアも素晴らしい出来で、なんと井戸までありました。豪華すぎて若干ひくぐらいです 実用サイズの硯なども置かれていましたが、これが金蒔絵。まったく汚れていないので実際には使わなかったのかもしれませんが、それにしても…。

ちなみにこちらでは昭和初期の写真を見ることができます。これぞ船場のぼんちにこいさんという写真が満載でした。着物に白い洋風のエプロンをつけていたりして、ものすごくかわいいしものすごくモダン 嫁入りの時の目録もおいてありましたが、びっくりするくらいたくさんの着物やらアクセサリー、花活け用の籠や花鋏まで、体面を保てるだけの衣装と身の回りの小間物すべてを完備。思わず「身代を築く」という言葉が浮かんできました。教養や作法を身につけ、周りに恥ずかしくない暮らしをするためには、これだけの道具が必要だったんですね。船場恐るべしです。

日も翳ってきてそろそろ駆け足、次に覗いたのはアパレル系の会社鷹岡家のお雛さま。こちらにも御所飾りの芥子雛や立派な着物を着た抱き人形、金蒔絵の火鉢まで見事なものがたくさんありましたが、時間がなくあまりゆっくり見られませんでした 芥子雛は浅草にいた当時の名人に発注して作らせたものだそう。そして、ここまでにもちょいちょい見かけた「今井楽器店」製作のものもありました。楽器店で人形? と不思議に思って帰って調べてみましたが、普通に楽器を売る道頓堀の楽器店みたいです。お琴なんかを作ったってことなのでしょうか? 結果、よくわからず謎のままです。ちなみに現在は楽器店ではなくうどんやさんを経営しているそうです。

さて、7箇所のひな祭りめぐりの最後は神宗。こちらは男雛と女雛だけのシンプルなお雛様でした。

足元に飾られていた小物入れ?でしょうか。犬雛??

詳細はわかりませんでしたが、見る限り新しいお雛様のようです。

でもここに来たら色気より食い気!

煮汁ソフトクリーム

船場のおひなさま。いかがだったでしょうか。職人の粋をこらした道具類をみるにつけ、娘の幸せを願う親心に、当時の船場の繁栄ぶりと優雅なこいさんの生活を垣間見られてとても面白かったです。

驚いたのは履物の多さ。船場の人はそんなに足元のおしゃれが気になったのでしょうか。今後、追及してみたい課題です

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