『ラプラスの箱』の謎を解くカギは、宇宙世紀元年に爆破された首相官邸<ラプラス>の史跡にあった。調査のため、再び《ユニコーン》に乗り込むバナージに、「シャアの再来」フル・フロンタルと美貌の戦士アンジェロ・ザウパーが襲いかかる。エコーズ隊長・ダグザの命を賭した戦いを見たバナージは? そして、地球に降りたリディとミネバを待つものとは―。人気作家・福井晴敏が描く最新ガンダムシリーズ、衝撃の第5弾!裏表紙より。
『美貌の戦士』て。他に何かなかったのかと思わずにはいられない。「親衛隊隊長アンジェロ」とか、「フロンタル率いる精鋭部隊」とか・・・『美貌の戦士』て。
もう失うまいと思い、得ることすべてを拒んできたからだが、気がつけばなくしたものの大きさに震えている。がらんとした格納デッキに胸の空洞を重ね合わせ、あまりの冷たさに立ち竦んでいる。救われんな、と内心に自嘲しつつ、ジンネマンはマリーダのいない格納デッキをあとにした。得ることを拒んでも、そういうジンネマンだからこそマリーダさんはマスターと慕う訳で・・・たとえジンネマンが『狂気』も抱えていたとしても。
いくつもの死地を乗り越え、ようやく帰港の途についたクルーたちが、どれほど上陸を心待ちにしているものか。<パラオ>での激戦から二日、亡くした者を悼み、生き残った我が身を顧み、沈痛と高揚が交互に訪れる時間を共有してきた。この上さらなる任務を押しつけ、帰港を先延ばしにすることが、彼らにとっていかに残酷な仕打ちとなるか……。ビスト一族史上最強の女傑マーサ・カーバインは、激戦を経て『半死半生』のネェル・アーガマに一切容赦無く次の任務を回す。物語上一貫して「邪悪」とも言える人物。
それに抵抗を感じてるアルベルトは、「嫌な奴」だけど「邪悪」ではないね。
「迷いがないわけじゃない。わたしだって、好きこのんで寄り道などしたくはないし、本部の命令が正しいとも思ってやしないさ。だがな、それとは別の話なんだ。この責任ってやつはな……」ユニコーンへの搭乗を拒絶するバナージを諭すオットー艦長。『別の話』か・・・むむむ。
(お互い生き残ったら、一杯奢らせてもらう)主人の仇討ちのため袖付きと手を組むカーディアスの腹心ガエル。元連邦軍人ながら『保身も策略も入り込む余地のない目の色』をしていたガエルは、ジンネマンと通じるものがあったのかもしれない。
「ジオン臭い酒になっても知らんぞ?」
(なにごとにも例外はあるさ。……ガエル・チャン、出るぞ)
その後mjktな手段でネェル・アーガマに潜入するあたり、こういう奴を制御するのは無理だから、世間は「結婚しなければならないという空気」を作ろうとする(した)んじゃなかろうかとも思ったり。
「それが問題だ。小戦力で仕掛けてくるからには、それなりの策がある敵ということになる」これがあのオットー艦長の台詞・・・だと・・・。
そりゃレイアム副長が『きょとん』とする。やはり軍人は戦場で育つのか。
ラプラス・プログラムが示した座標を調査するバナージとダグザさん。そこを「その座標でのNT-Dの発動」がカギを握ると踏んだフロンタル及び親衛隊が襲撃する。
NT-Dの発動を恐れ動きに精彩を欠くバナージを、ダグザさんは・・・何ていうんだ?説得じゃないし、諭す?も何か違うような・・・語彙の残念さが、もうね。
「エコーズにはエコーズの戦いようがある。コクピットでお荷物になっているよりはマシなことをしてやるさ。おまえもおまえの役割を果たせ」あわわわわ・・・と思う間もなく、シナンジュにいくらかのダメージを与えるのと引き換えに・・・。
肩をつかみ、バナージの体をやんわりとリニア・シートに押し付ける。「役割って……」と返すと、ダグサはバナージの胸にひとさし指を当て、「ここが知っている」と穏やかに告げた。
「自分で自分を決められるたったひとつの部品だ。なくすなよ」
激昂したバナージは大気圏に落ちるのも構わずシナンジュに挑みかかる。
(バナージくん、聞こえているならやめろ)土壇場でへたれよる。
(このままでは二人とも地球の重力に引きずり込まれる。大気圏で燃え尽きることになるぞ)
(わからん奴め……!)
暴走状態のバナージを止めたのは・・・
(よせ、バナージ!)あぁ・・・。
結局地球への降下が避けられなくなったユニコーンをガランシェールがどうにか回収。物語の舞台は地上に移ることに・・・で続く。
どんどん長くなって時間がだめだー。まとめる力が足りんのだよ!