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迷狂私酔の日々(再)

明鏡止水とはあまりに遠いこの日々。

【バンコク弾丸日記】07・チャオプラヤー川の朝

2012年03月09日 | 旅する。

39日 金曜日 バンコク(→成田)

【渡し船】

今日の深夜には空港に行かなければならない。ホテルを正午にチェックアウトするとして、午後の間荷物をホテルに預かってもらうつもりなので、荷物を入れるバックパックを午前中に買おうと思う。なんて泥縄な。

朝6時過ぎにホテルを出た。

ホテル前の通りが渋滞している。MRTの駅ではなく、川へと向かう。通りをよくみればpier(埠頭)の標識があり、人々が吸い込まれていく。隣は公園で、エアロビクス、太極拳、ジョギングなどをする人たちがいた。

対岸に渡る船は3.5THB(9.8円)だった。朝の通勤ラッシュで、乗客が一杯になると次々に船が出る。

向こう岸はサパーンタクシン駅の真下で、渡し船の埠頭の隣にチャオプラヤー・エクスプレスなどの船着き場があり、もうひとつ向こうにはペニンシュラホテル送迎専用の船着き場があった。

これはツーリストボートの路線図、観光名所を巡る。

 

【川をさかのぼる】

係員に「バイ・バンランプー?」(バンランプーに行く?)と聞く。行くようなので、着いた船に乗る。乗船時にもスタッフらしきおじさんに確認する。

船は北へと川をさかのぼりはじめた。右にシャングリラ、左にペニンシュラと高級ホテルがそびえる。

さらにマンダリン・オリエンタル、ロイヤル・オーキッド・シェラトン、ミレニアム・ヒルトンと高級ホテルがつづく。最近は高級マンションも建っている。

この船は船着き場をとばさずに停船していく。朝は通勤客が多い。船内で支払い、15THBだった。

やがてワット・アルンが見えてきた。

7時半、バンランプー船着き場に着いた。2004年、バンコクに着いてカオサンに泊まり、翌日にここから船に乗って川を下ったのだった。

 

【蓮の花と巨大黄金仏】

この船着き場から南東に向かえばカオサンなのだが、今日は北上していく。公園、スメラ砦を歩き過ぎると、BMA博物館(元区役所)の古い木造洋館を見つけた。

西洋人バックパッカーが多いのは、カオサンの喧噪を避けてこの辺に中級ゲストハウスが増えたせいらしい。

路傍には蓮の花。

ワット・インプラヴィハーンで黄金の巨大仏を拝む。ここにも真剣に祈る人々が。

寺院を出たところにモーターサイがいたので、地図を見せてバンランプー市場まで乗る。ぼられないコツは価格交渉せずに乗って、着いたら相場のお金を渡してしまうことだそうだが、20THB(56円)渡したらとびきりの笑顔だったので、この距離の相場はたぶん10~15THBくらいか。

バンランプー市場はまだ目覚めていなかった。さすがに朝が早過ぎたか。カオマンガイの屋台で、訳知り風の西洋人がひとり朝食をとっていた。

 


【バンコク弾丸日記】06・チャイナタウンの夕暮れ

2012年03月08日 | 旅する。

3月8日 木曜日 バンコク

【冒険の終わり】

同じ道を戻って船着き場に着くと、店頭に猫がいた。

桟橋でのんびりと船を待つ。

船が着き、「クローン・トゥーイ?」と聞くと店番のおばさんも船頭も頷くので乗るが、まっすぐ向こう岸には船は渡らず、同じ岸のより西側の桟橋に寄っていく。

少女は小さな買い物の袋を抱えていた。夕食のおかずかもしれない。船は次にクローン・トゥーイに停まった。桟橋を通るときに前の乗客にならって5THB払っておく。さっきと同じ婆さんだった。

今日の冒険はどうやら終わったようだ。

通りに戻る。モーターサイがたまっていて、客待ちをしている。バス停にも大勢の人。さて、どうしようか。MRTの駅まで歩いて戻るか。やや疲れてはいるが。

とりあえず歩きはじめて交差点で左折し、夕日を見ていたら気持ちが変わった。タクシーを停めてフアラムポーン駅まで行ってもらう。

【チャイナタウンへ】

夕日がどんどん沈んでいく。フアラムポーン国鉄駅前で渋滞したが、こんなことでやきもきしていたらバンコクでは暮らせない。ドライバーはわざわざ駅構内までクルマを回してくれた。駅に用事があるわけではないのだが。メーターは81THBだったが100THB札に20THBのお釣り。80THBは1バーツ=2.8円で換算すると224円。

駅から中華街へ歩くのが実は難関だった。工事中で歩道を大きく迂回させられ、夕方の激しい渋滞で横断に手間取り、小さなソイに迷い込んでいるうちに日が暮れた。

昨日は夜だったので、明るいうちにチャイナタウンを見たかったのだが、今日もすでに暗い。小さめのバックパックを買えたらいいな、とも思っていたが、そんな気分になる前に場末の生活感に圧倒される。

適当に歩いていたら、ロータリーになっている広場に出た。ここの一角に旧ジュライホテルが建っている。

疲れたのでホテルに戻ることにする。通りには街娼が出ていて、座って笑顔で客引きをしている。

MRTフアラムポーンからシーロム駅まで18THB。高架歩道を歩いてBTSサラディーン駅から25THBでクロン・トンブリー駅。ホテルの隣のV.SHOPで飲み物を買う。フロントの若いコは何も言わないうちに1207のキーを差し出してくれた。笑顔がカワイイ。

どうやらカラダは脱水症状寸前だったようで、シャワーを浴びて水分を取って一息つく。

 

【ただの散歩】

21時過ぎ、MRTでひと駅だけ乗ってサパーンタクシン駅で下車。駅の真下にある埠頭に行ってみた。対岸への渡し船はあるようだが、この時間帯ではお客さんはいない。

ニューロードを北へ歩く。屋台が群れをなし、ホテル・シャングリラなどからの観光客の波が歩道を埋めている。ロビンソン脇にはバザールが広がり、マッサージの看板、屋台、そしてまた屋台。観光客慣れしているようで、英語の看板も多い。

ツーリストのためにローカルのディープ感をわざわざ装っている気配に食欲をそがれて、ひたすら歩き回る。適当に路地に迷い込んで戻ったり、右折してステイトタワー近くで「タクシー?マッサージ?レディー?」と数人の客引きに囲まれたり。

シーロム・ロードを回って、オフィス街でもある一帯を一周する。BTS高架下の大通りではサイレンを鳴らして飛ばすバンコク風暴走族が走っていた。ピックアップトラックの荷台に数人が立って回りを煽るのがバンコク流らしい。

またニューロードを北上したが、すでに屋台はほとんど店じまいにかかっていた。(失敗したな)と思う。何だかただの散歩だ。いや、ただの散歩をしに外出したのだ。

〈セブンイレブン〉で弁当らしきものを二つ買い、温めてもらう。豚煮めし35THB、オムレツ(海老入り)&ライス35THB。ホテルに戻って夕食にし、コーヒーを淹れる。

部屋の窓から、きれいな夜景が見えた。

 


【バンコク弾丸日記】05・川の向こうのもうひとつの世界

2012年03月08日 | 旅する。

3月8日 木曜日 バンコク

【カオソーイ】

BTSでサラディーン駅へ、シーロム駅からMRTでクローン・トゥーイ駅まで。降りてからは東南に向かって歩く。店の前に洪水対策かコンクリートの低い堤が作られていた。

歩道橋には寝ている男がいる。このあたりはまったく観光地ではない上に、こんな暑い真昼に歩くバカはそうそういない。

情報によれば、この先に本場チェンマイのカオソーイを食べられる店ができたそうだ。おおよその位置と番地しかわからない店を探すのは実に楽しい。そして番地ならここのはず、という辺りまでたどり着いたがタイ文字しかないのでよくわからない。右往左往していたら、おばさんが笑って「ここだよ、ここ」と店に連れ込まれた。

「カオソーイ?」と尋ねる。

相変わらずおばさんはニコニコしていて、チキンかポークか? と聞かれた。チキンを選んでしばらく待つ。飲み物は「チャン!」、いちばん安いビールにした。ちなみにいちばん高いのはハイネケン、ついでシンハ、レオ、チャンの順になる。

長い散歩で汗をかいた後のビールはうまい。久しぶりのチェンマイ風カオソーイもうまい。中途半端な昼下がりに、客足の引いた店で通りを眺めながらゆっくりする。ビールとカオソーイを合わせて110THB(308円)。

【バーン・カチャウへ】

港へと向かう。このあたりには税関や港湾局があり、今も物流拠点になっているようだ。港の回りをぐるぐる歩いていたら、屋台が連なる路地を見つけたので入ってみると、寺院に出た。

路地の奥が船着き場につながっていた。窓口のおばさんに5THB渡したらおつりは返ってこなかった。渡し賃の相場は3THBのはずだが、ここが高いのか、値上がりしたのか? 船に乗って出発を待つ間に蛇行するチャオプラヤー川を撮影する。

霞の向こうにそびえる高層ビル、すぐ対岸には対照的にシンプルな(粗末とはいわないでおこう)家屋の群れ。乗客が増えて、船は岸を離れた。

対岸に着いても乗客は全員降りなかった。単純な渡しではなく、いくつかの船着き場を巡るらしい。

 

【かくも美しい世界】

ここがバーン・カチャウか。

桟橋から歩く。湿地帯の中に一本だけ舗装路が通じている。道のそばに花が咲き、竹や椰子の木が空を区切っている。傍らを運河が縦横に走り、ツアー用ボートが転がっていた。 

「世界はこんなに美しいのに、どうして今まで気づかなかったんだろう?」

何でもない日常が、とてつもなく壮麗に見えた。視界から常識のフィルターが外れて、違う景色が映っているみたいだ。

日が暮れかけている。涼しくなる気配。一日の終わり。道の向こうに日が落ちる。家路を急ぐ人々。いつもと同じような一日、しかし決して同じではない一日。

 


【バンコク弾丸日記】04・折りたたみ市場で危機一髪

2012年03月08日 | 旅する。

3月8日 木曜日 バンコク

【バーンレム】

マハーチャイからバーンレムへの渡し船には人は立ったまま、オートバイにはまたがったまま乗っていく。船というより、浮き橋というか筏というか。

渡し賃は3THB(8.4円)、シャトルサービスのように対岸からの渡し船と途中ですれ違って川を渡る。

船着き場からつづく薄暗いアーケードの先にサムローやモーターサイがたまっていた。右の道をとり、学校と寺の間を抜けたら線路が見えた。放し飼いの鶏がいて、右奥には車両が放置されている。

駅の場所を確認したので、バーンレムを探検すべく中心部のロータリーに向かうが、この時点で9時50分。発車予定時刻は10時10分なので、あと20分しかない。バーンレムを散歩するには時間がなさ過ぎた。

途中すれ違った日本人旅行者に駅の位置を教え、ロータリーから船着き場へと歩く。時間の余裕がなくなってきて、駅までモーターサイに乗ろうと声をかけたら「駅はあっち! 歩け!」と乗車拒否された。

結局、駅には発車時刻の数分前には着いて窓口で切符も買えたが、メークロン行きは遅れていた。列車を待つあいだ、先ほど道を教えた日本人旅行者を会話を交わす。やはり、鉄道マニアだった。

プラットフォームで世間話をする老女たちの回りでは、時間がゆっくりと流れている。

 

【メークロンへ】

やがて列車はゆっくりやって来て、乗客を乗せてメークロンへと折り返す。

鉄道マニア氏と車中でも話したのだが、メンテナンスのレベルとか、不採算路線の切り捨てとか、日本のやり方が必ずしもベストではない、ということで意見が合う。

列車は水田あるいは湿地帯の中を走る。マングローブがあるということは汽水域かもしれない。

終点のメークロンに近づき、「折りたたみ市場は車両のどちら側か?」という話題になったが、マハーチャイの経験でいっても、テレビで見た記憶からいっても両側に展開するはずである。

そして、まだそれほど減速しないうちから両脇にたたんだ日よけとポールとそれを支える人(!)、そしてこの列車を撮影しようと待ち構える人たちが点滅するように見え隠れしはじめた。

 

【観光名所としての「折りたたみ市場」】

11時25分過ぎ、メークロン駅に着いた。今までののどかな風景が嘘のようにカメラを抱えた観光客が群れている。「折りたたみ市場」は観光名所となり、団体ツアーの目的地になっているようだった。

駅から歩いて線路をたどると、もはや鉄道と市場は一体化していた。

どこまで歩いても市場も人波も途切れない。

いつのまにか警笛が鳴って、市場が折りたたまれはじめていた。列車が駅を出たようだ。撮影ポイントを探して戻るが、撮影どころか、列車を避ける空間も見当たらない。

叫び声が聞こえる。たぶん、私に「危ない!」と警告しているのだと思う。緩いカーブを曲がって先頭車両が迫ってきた。

近くの男が指さしたところに入って、列車をよける。待避所というよりもただの隙間だ。

一瞬の緊張のあと、列車は走り去り、市場はまた日よけを出して営業を始めた。

 

【バンコクに帰る】

駅に戻り、中心部らしき街路にたくさんのソンテウが止まっているあたりで、これからどうしようか思案する。

近くの水上市場は週末しか開かない。いったんバンコクに戻って、もっとひなびたところに行ってみようか。

ミニバス(ロットゥー)を適当に当たって「バイ・バンコック?」(バンコクに行きますか?)と聞いてみたら、このワゴン車を指さした。すでに何人か乗っているので、それほど待たないだろう。

20分も待たずにほぼ満員になって出発。運賃は50THB(140円)だった。情報よりも安い。しかもわずか50分足らずでどこかに着いた。さて、問題はここはバンコクのどこか? ということである。

とりあえず、ロットゥーが走った進行方向の先へと歩いてみる。見える風景、たまに読める地名、どれも記憶に引っかからない。

やっと大通りで進行方向の標識に「ウォンウェインヤイ」を見つけた。タクシーを捕まえて「クロン・トンブリー、サタニー・ロッド・ファイ!(電気鉄道駅のクロン・トンブリーまで!)」と言ってみる。ドライバーは頷いたが、どうやら「鉄道駅」しか分かっていなかったことが降りてからわかった。メーターで55THB(154円)。 

着いたBTSの駅はクロン・トンブリーではなくウォンウェインヤイ駅だった。駅に上ってみるまで分からなかったのは不覚。しょうがないのでひと駅だけBTSに乗ってホテルに帰る。

 


【バンコク弾丸日記】03・ローカル線に乗って

2012年03月08日 | 旅する。

3月8日 木曜日 バンコク

【道は楕円形】

ホテルを出て楕円形にカーブする道なりに歩いていたら、いつのまにか逆方向に向かっていた。どうやら道は180度曲がって半円になっているらしい。戻って正しい方向、西へと向かう。

BTSクロン・トンブリー駅からウォンウェインヤイ駅にかけては早朝から通勤客のために屋台が店開きしていた。

心惹かれたが、今朝は列車に乗らなければならない。

大きな交差点を右折したら、歩道が市場になっていた。右手、東側に本当の市場があって、その周辺にさらに店ができて市場が増殖したようだ。これにも心惹かれるのだが、今朝は急ぐ。

まっすぐ北上すると中央にタクシン王の騎馬像が建つロータリーに出た。歩道橋に上がって慌ただしいバンコクの朝を眺める。

 

【街に埋もれた駅】

歩道橋を渡って反対側の道を少し戻ると、ソンテウがいくつか止まり、店が並んだ奥に線路とプラットフォームが見えた。国鉄ウォンウェインヤイ駅だ。

バンコクに限らず、アジアの都市で交通機関を見つけるには看板を探すのではなく、人の流れを見る方がいい。ソンテウやモーターサイがいたら、そこに人が集まるところがある。市場、寺院、駅、船着き場、などなど。

時刻表によれば7時40分発の列車がある。発車10分前にならないと開かないという窓口が開いていた。

「マハーチャイ!」と終点の駅名を言う。10THB(28円)で買えた切符はカタカタとプリンターから吐き出されたコンピューター発券だった。

警笛が聞こえ、線路の向こうに列車が見えた。視界のなかの列車はなかなか大きくならない。かなり手前から減速しているようだ。列車が目前まで迫った線路を中学生くらいの子たちは平気で渡ってホームに上がる。

 

【田園列車】

やってきた列車は月並みな表現なら「鈴なり」、屋根の上にこそ人は乗っていないが、ひなびた車両に似合わず激しく込み合っていた。東京の通勤ラッシュを思い出した。

これから乗るのは逆方向だからか、空席がほとんどだ。硬い座席に座り、窓から外を眺めようとしたところで、顔と手を引っ込めた。列車の外ギリギリに店や家や木がたっている。危なくてカメラもうかうか構えられない。

やがて絵に描いたような田園地帯を走る。「のどか」という言葉では伝えきれない、時間の流れ。

zzz...

いつの間にか夢を見ていたらしい。検札が来て、目が覚めた。切符にハサミが入った。夢の中では少年が目を輝かせて「世界が止まって、キラキラが降りてくるんだよ!」と笑っていた。

 

【マハーチャイ駅】

終点マハーチャイの手前で視界の下に「折りたたみ市場」らしきものが見えた。その後、窓枠いっぱいに市場の建物の内部風景が広がった。

マハーチャイ駅の北側、線路に接して常設の市場が建っていた。列車が運行するたびに折りたたむ市場ではなく、常時営業する市場である(こちらが当たり前だが)。当たり前でないのは列車との近さで、降りたら一歩半で市場だ。駅ナカにもほどがある。少しこの市場の中を歩いてみた。肉、魚、野菜、香辛料。独特の匂いが鼻を衝く。

市場の建物を抜けて、線路を戻ってみた。駅から東へと伸びている線路の上に、もうひとつの自由な市場、いわゆる「折りたたみ市場」が広がっていた。

レールの上に野菜が乗り、客は線路を歩いて品定めをしている。

港町なので、魚も海老もいる。

別の道から駅方面へ戻る途中に中心部とおぼしきロータリーがあり、周辺にいくつか屋台が出ていた。

角の屋台でガパオらしきものを出していたので、食べてみる。目玉焼き(カイ・ダオ)をつけてもらうのを忘れた。

辛さで、汗が吹き出る。フーフー言っていたら、店の人と目が合った。思わず笑ったら、笑い返してくれた。30THB(84円)。

そのとなりの店で水のボトルを買う。ホテルから持ってくるのを忘れてしまったのだ。7THB(19.6円)、よく冷えていて、コンビニとまったく同じ値段。当たり前のことが、アジアではありがたい。

 

【市場を「折りたたむ」】

踏切のない線路を渡り、駅に戻る。9時30分ころ、線路に広がった「折りたたみ市場」がたたまれ始めた。列車が到着するらしい。慌てることもなく、野菜や魚が列車ギリギリに引っ込められた。

列車が通過した途端にまた店が再開した。鉄道と市場の共存というより、市場が増殖する原理と圧力によって、鉄道が浸食されているという方が近いだろうか。 

さあ、次のローカル線に向かうとしようか。

マハーチャイ駅から西南へ向かうと、港があった。対岸がバーンレムだ。

 


【バンコク弾丸日記】02・屋台をはしごする

2012年03月07日 | 旅する。

3月7日 水曜日 (成田→バンコク)

【スワンナバーム空港】

16:32着陸。

イミグレーションの行列がなかなか進まない(帰国時にはこんなものではすまなかったのだが)。バゲージ・クレームを素通り、税関を通過し、出口正面の銀行ATMからVISAのキャッシングで2800バーツをゲット。手数料に150バーツかかったのが不満。

*今後この稿では1バーツ=2.8円でレート換算して表記する。

エアポート・レール・リンク(ARL)の切符はコイン型プラスチックで、パヤー・タイ駅まで45THB(126円)。自動販売機からは100バーツ札できちんとおつりも出た。紙幣を認識するとは優秀だ。アジアの進歩を実感する。17:31発車、電車の窓から離着陸する飛行機が見える。パヤー・タイ駅でARL改札を出てから長い階段を下りた向こうにBTSパヤー・タイ駅があった。

BTSの路線図の一部はこんな感じ、サイアム駅でスクムウィット線とシーロム線が接続する。クルン・トンブリーまで35THB、懐かしい磁気カードの切符だ。

サイアム駅で乗り換えてクロン・トンブリー駅には18:29着。空港からほぼ1時間。夕日がきれいだ。

 

【噂のお値打ちホテル】

めざすホテルはクロン・トンブリー駅からやや東に位置する。駅から歩道橋を下りるとモーターサイやタクシーやソンテウが待ち受け、バス停があった。なんだか新興住宅地のような気配だ。

アタマに叩き込んでおいた地図通りに、楕円形の道に囲まれたエリアがあらわれた。緩やかに曲がる道沿いには趣のある集合住宅が並んでいる。5分も歩くと目的のホテルが見えた。

HOTEL KING ROYAL 2、フロントの短パンをはいたお兄ちゃんはルームキーを差し出して「superior!」と微笑んだ。どうやら部屋をアップグレードしてくれたらしい。

部屋は十分に広く、書き物ができる机も無線LANもテレビも冷蔵庫も湯沸かし器もあり、ミネラルウォーター2本も置いてあった。窓からはBTSが通る高架とその下の大通りを見下ろせる。

 

【夜のバンコクを歩く】

20時過ぎ、ホテルを出る。チャオプラヤー川を渡る船を探すが見つからないので方針変更してBTSでクロン・トンブリー駅からサラディーン駅へ。サラディーン駅から北には高架歩道がつづき、下の道には露天商がひしめいている。

シーロム駅からMRTに乗ってフアラムポーン駅まで行けばチャイナタウンはすぐだが、あえて歩いてみようと思う。

地上に降りてみれば、向こうにラーマ6世像が見えた。ルンピニ公園だ。像に花を捧げ線香を手向けて祈る人、芝生に寝る人、電車があるのに歩く人(ワタシのことだ)。人それぞれである。

バンコクに限らず、日本以外の国では横断歩道に信号がついている場合の方が少ない上に交通量が非常に多いので、道を渡る際には注意力とコツと決断が必要になる。この緊張感がたまらない。

ワット・フアラムポーンはお祭りかと見まがうほどの人出でごった返していた。

その隣の泰国義徳善堂でもたくさんの人たちが祈りを捧げていた。

数々の屋台が歩道を占拠し、MRTサムヤーン駅への入り口は見えなくなっていた。

このあたりから、食事によさそうな屋台が増えてくる。

何を食べようか迷っているうちにフアラムポーン駅前に来てしまった。道を戻って、目星をつけておいた屋台で食べて帰ろう。

 

【麺を食べる】

まずは麺の店でクイッティウ・ナーム(米の麺・汁あり)を頼む。麺は極太のセンヤイ、きしめんのような平たい形をしている。具はルークチン(団子)、食感からするとルークチン・プラー(魚肉のつみれ、中華屋台では「魚丸」)だろうか。

透明なスープがおなかに染み渡る。クセのない、素直なおいしさだ。これで30THB(84円)。

 

【飯を食べる】

肉塊を中華包丁で叩き切っている屋台で足が止まった。目が合うと、「食べていけ!」とばかりに肉を指さした。

「カオ?(ご飯?)」と聞くと激しく頷いたので、食べてみることにする。すすめられるままに座って、待つ間もなく瞬時に目の前に出て来たのは豚肉ぶっかけ飯だった。タレで煮込まれて柔らかくなった豚肉を細く切ってご飯にのせ、高菜のような菜っ葉を添えた上にパクチーが惜しげもなくのっている。たぶん、カオ・カームー(豚足煮込みご飯)の部類か。

このパクチーの香りだけでご飯がすすむ。トロトロの肉とパラパラのご飯と濃厚なタレを一緒にかき込むと、バンコクにやって来た幸せを感じる。

こちらは50THB(140円)だった。

 


【バンコク弾丸日記】01・2012円の真実

2012年03月07日 | 旅する。

【旅の目標】

短い旅行なので、いくつか目標を立ててみた。

1. 荷物を極力少なくして、デイパックひとつで行く。
2. 欲しかった小さめのバックパックをバンコクで買う。
3. 観光よりも「散歩」を楽しむことにして、郊外へ行ってみる。
4. マッサージには行きたいな。
5. プーパッポンカリーをまた食べたい。

さて、どうなることやら。

 

【航空券】

HISの新春キャンペーン「2012円でバンコク往復!燃油サーチャージ込み!」はバンコク単純往復3~4日限定のため、最大でも2泊4日という旅程になる。一般的にも短い、個人的にはいまだかつてない短期日程だが、あえてこのまま行ってみることにしてみた。 

HISへの支払い総額は、6,382円で、その内訳は下記の通り。 

航空券料金:2,012円*燃油サーチャージ込み
現地税:1,830円*バンコク、スワンナバーム空港の使用料に相当
国内空港使用料:2,540円*成田空港分
合計:6,382円(1名様分・諸税込み)

いわゆる「諸費用」は別途ということ。

 

【宿泊】

よさげなところを偶然見つけたので、予約してみた。 agoda(という予約サイト)から予約したホテルは

Hotel King Royal 2

1泊478バーツ×2泊なのだが、請求はドル建てで、
36.58ドル/2997円

レート換算すると「1ドル=81.93円(1バーツ=3.13493724円)」で、ドル/円レートはともかく、バーツ/円のレートで計算するとかなり高い。ホテル自体はBTS駅から徒歩5分、快適(中級クラスのホテルとして)、1泊1500円以下(ちなみに同料金でふたりまで泊れる)で、バンコクでは掘り出し物かと。

 

【出発するまで】

3月6日 火曜日 横浜→成田

今回は成田のT氏宅に前日泊。成田空港からの午前便には一度乗り遅れたトラウマがあるのだが、ここまでくれば安心。沖縄もずくや豆腐ようで泡盛を飲むこと夜半まで。本当にお世話になりました。懸案の荷物と冬衣類も預かっていただけることになり、出発当日は空港まで送っていただきました。こんなラクをしていいんだろうか?

 

【Jet Asia Airways】

気になるキャリアーは「Jet Asia Airways」、2 letter codeで「JF」。HISのwebを読むと「タイで2009年に設立された新しい航空会社です。アセアン諸国を主要就航先として定期便・チャーター便を運行しています。」ということで、成田ーバンコクをHISがチャーターして運航しているもよう。

 

【成田空港から】

 3月7日 水曜日 成田空港→バンコク

「集合時間」(こういう表記がチャーター便ぽい)が出発時刻の2時間半前と異様に早く、しかも着いたらすでにチェックイン待ちの行列ができていた。

パスポートを提示すると、引き換え用紙のようなペラペラの紙を渡されたが、それがボーディングパスだった。すでに座席は印字されていた。預け入れ荷物はないので、1時間ほど空港内を探索してから保安検査、出国手続きを経てゲートに行く。

10:45搭乗開始、バスで運ばれてタラップをのぼると両手を合わせるタイ式挨拶で迎えられた。機内スタッフは全員タイ人らしい。座席に毛布と枕、機材はB767-200、座席は2-3-2タイプ、11:19タキシング、飛行時間は6時間45分を予定、11:48に離陸。

なかなか順調である。

 

【機内は】

LCCとは違い、機内食とソフトドリンクは無料サービス、ただしワイン、ビールは有料(ビジネスクラスは無料)。このバンコク行きでは「チキン&ヌードル or ビーフ&ライス?」という選択ができて、ソフトドリンクもアップル、オレンジ、パイナップルの各種ジュース、スプライト、コーラ、水などがあり、食後にはコーヒーか紅茶か緑茶が出た。エコノミークラスでは標準的なサービスで、とくに文句はない。着陸前には軽食も出たし。

機内誌代わりに「歩くバンコク」が用意されていて、記事はともかく地図が非常に細かくて町歩きに重宝した(中綴じはバラすのが容易なので、即バラバラにして持ち歩いた)。分厚い機内誌よりもずっといいぞ、と心で拍手を送ってみた。監修には下川裕治氏の名前があった。

そういう次第で、安い航空券だからといって立ち席でもなければ食事なしでもなく、普通にフライトを楽しんだのだが、むしろ気になったのは乗客の大半をしめる大学生らしき日本人たちのマナーの方だった。離陸前にリクライニングを倒したり、時差を知らずにいたり、仲間内で騒いだり。

これからの日本が大変、心配だ。

 


弾丸で真夏から真冬に戻る場合は。

2012年03月06日 | 旅する。
3月6日 横浜→成田

楽しい用事(飲み会、ライブ)や楽しくない用事(確定申告)などを終えて、明日はバンコクに飛びます。

今晩は成田の友人宅にお世話になり、いよいよ2012円バンコク往復へ。



それはともかく、3月のタイは暑期なので、ほぼ真夏。

成田空港からそのまま山形県某市に直行すると、そこは氷点下生活。

悩んだ末、成田空港のコインロッカーに冬装備を預けてしまおうかと思案中。1日300円なら、成田空港からまた横浜に戻って出直すより安くて楽かなぁ~。こんなこと、いつもの旅行なら無理だけど。

日ごろは数週間とか何ヶ月という旅行しかしていないので、弾丸日程に感覚がついていかない。戸惑ってます。今から「時間がもったいない」意識づけをしないと。



あー、忙しい。

夢を発明したジョルジュを救ったヒューゴを書くイザベルの物語を………

2012年03月02日 | 旅する。
3月1日 木曜日 山形県某市→渋谷→横浜

雪だ。が、やや暖かい。それでも午前中に氷点下じゃない、ってくらいで「暖かい」のだが。

最寄りのローカル駅で青春18きっぷが買えるか試したら、買えた! かなり驚いたが、駅員は「発売期間はいつだっけ?」と調べていた。

幹線を外れた駅を起点にすると青春18きっぷは使いにくい。そういう辺鄙なローカル線を訪ねてくる人たちはたくさんいるが。その話はまた改めて別の機会に。

(各駅停車を乗り継いで)

南下して渋谷で映画、ファーストデイなので1000円、3Dなので+400円(ちなみに映画館によっては3D上映は割引の対象外になっていて、字幕・3D・ファーストデイ割引の条件で探すと意外に選択肢が少ない)。



《ヒューゴの不思議な発明》

メリエスはじめ初期映画への賛歌、と思えばわかりやすい。しかも3Dの奥行きがあるパリの風景、それも1920~30年代とくれば、これだけで胸がいっぱいという観客もけっこういるだろう。少なくとも私は好きだ。

時計や鉄道や義足といった機械仕掛けにも美しさや愛を発見した時代だ。その象徴が機械人形だろう。

ただ、フランス語の響き(ジョルジュ)を残したり、でも英語(ヒューゴはフランス語ならユゴーでアクセントの位置も違う)だったりするのが不満。

原初、映画は驚きで始まったことを思い起こすと、メリエスと3Dの相性のよさも納得がいく。冒頭、駅の群衆をカメラが抜けていく長回しから、初期映画へのオマージュは始まっていたのだ。

筋の運びがやや強引とか、キャラクターが図式的、編集がわざとらしい、映像にケレんが多い、これら全ては映画の先祖返りを示唆する意図的なものだろう。もともと、映画は「写真が動く」という単純な驚きで始まり、物語の楽しさや夢の美しさを語ってきた。

この映画がもつ入れ子構造はヒューゴの夢やイザベルが書きはしめた本が示しているが、それは映画はもとより、小説や物語やジュヴナイルがもともと持っていたストーリーの力を復活させようとする願いでもある。

最新の技術(CG、3D)とメタ技法で100年前の映画の喜びを再現した、というべきか。



で、結局は渋谷からJRを使うと終電に間に合わない危険があったので東横線を使ったのでありました。

近況と予定

2012年02月08日 | 旅する。
2月8日 水曜日 横浜

…………、ということでご無沙汰しています。

簡単に近況を。

1月10日から2月6日まで沖縄に滞在しておりました。

スカイマークの成田-那覇航路就航記念キャンペーン価格で片道980円!

成田空港までの行きは青春18きっぷ最終日に使い損ねていた1回分でJRを使い、帰りは京成本線(日暮里)JR(渋谷)東急東横線で1450円。

航空運賃の方が安い。

ぁ、横浜-成田空港間は京急/都営浅草線/京成本線で乗り換えなし1630円があります。荷物がある人にはこれがおすすめ。



沖縄では那覇中心に行き当たりばったりで楽しく過ごしました。

天気がよい日には、みんなで遠出。

雨の日には映画やらラーメンやら。

知り合いのカフェやバーでうだうだ。

お世話になったみなさま、ありがとうございました。



さて、3月には弾丸でバンコク往復、3月7日に成田空港から出発なんですが、久しぶりに午前便で、朝がとても心配です。

ううむ。かつてパリ行きに乗り遅れたトラウマが。



さらに、4月1日から6日まで、一瞬ですがまた沖縄に行きます。

やはりスカイマークの関空-那覇航路就航記念キャンペーン価格が片道780円!

反射的に往復を押さえてしまいました。

関空への行きは3月31日発の夜行を使う予定なので、この日に上野あたりで一緒に飲んでくれる人がいればいいなぁ。

帰りは京都に寄って週末を過ごすつもり。4月7日8日の土日、鴨川で花見なんていかがでしょうか?



そういうわけで、春はもうすぐです。

【沖縄さくら旅】28 最後の日に、さくらと空港食堂。

2012年02月06日 | 旅する。

2月6日 月曜日 那覇→成田→横浜

4月6日のスカイマーク那覇発→関空を予約する。これも780円。



雨が降っている。

チャンプと師匠たちは、雨なのに「海へ行く!」と出かけていった。たしかに気温は高めなんだが。

荷作りをして、小降りになった頃を見計らって郵便局からゆうパックを発送する。少し早いが〈MOONBOW〉に寄ったら開いていたので、ランチにする。森クンがメニューにパスタはどうだろうか? と試作したベーコン(首肉)、トマト、ナスのスパゲッティーニをいただく。首肉ベーコン独特の脂がおいしく、ナスの食感が楽しい。

まどかのごはんやさんで、さぁやが食べるランチを撮影させてもらう。



こんな穏やかな日々も今日が最後だ。

天気がよくなった。こんな日に海は最高だろうな。近所を散歩してみる。公園の工事、駐車場の桜、パラダイス通り、浮島通り、市場本通り、おきえい通り、ジュンク堂。



なんということもないけど、愛おしい日常に別れを告げる。



ゆいレールで那覇空港へ。成田行きは1階の郵便局裏にあるスカイマーク第2カウンターでチェックインする。

そして1階をはじからはじへ、郵便局裏から琉球銀行裏へと歩くと、そこには〈空港食堂〉がある。本来は空港職員向けのセルフサービス主体の食堂だそうだが、誰でも利用できる。沖縄そば500円、ソーキそば600円、日替わり定食600円など、空港ながらふつうの値段でお腹いっぱいになる隠れた穴場で、今回はカレー、500円をいただく。昔ながらのなつかしいカレーだった。

(16時30分離陸、18時22分着陸)

JR/京成成田空港駅で路線図を見る。京成本線とスカイアクセスではスカイアクセスの方が料金設定が高い。次のスカイアクセスは19時39分発だが京成本線は19時11分発がある。ええい、乗ってしまえ。

乗ってから携帯で検索して調べるが、乗り換えサイトにも癖があり、最安ルートをいつも表示するとは限らない。青砥乗り換えで浅草線→京急から日暮里乗り換え→JRに方針変更して、渋谷から東横線に乗ることにする。

那覇から成田空港まで航空機980円、成田空港から横浜まで鉄道の最安が1450円。皮肉な時代になったものだ。


【沖縄さくら旅】27 揚げ物とさくらと格闘家たち。

2012年02月05日 | 旅する。

2月5日 日曜日 那覇

今日から北部に行く人がいて、請われるままにおすすめのパン屋さんを列挙する。〈宗像堂〉、〈水円〉、〈パン・ド・カイト〉、〈八重岳ベーカリー〉、〈山甌〉など。あ、おんなの駅の2階にもあるな。たしか〈ボンジュール〉。

ディアーゴは赤嶺のイタリアンレストランに就職できたそうで、ともあれめでたい。運のいいヤツだ。

マーキンと久々の再会。昨日は高速でクルマのタイヤがバーストして大変だったらしい。安いからといって、沖縄でスタッドレスタイヤをはくのはやはり危険。運転していたゆうりちゃんはスタッドレスタイヤとも知らずに乗っていたもよう。



まどかが作った芋煮を味見する。山形県人のお墨付きを与えるからには厳しくチェックしなければならぬ。

今日はチャンプのジムのオープニングイベントがあり、まどかはじめ月光荘をあげて応援する態勢である。おにぎりを手伝い、チラシ寿司を手伝い、仕込んだ料理とともに師匠やまどかが会場に先発する。

みゆきちゃんに、おすすめの離島を聞かれたので、渡名喜島をすすめてみる。ここは本当に何にもないところではあるが、そこが好きな人にはたまらない。久米島に友だちがいるそうなので、それならなおさら都合がいい。

月光荘に着いたばかりの初沖縄の女性をまた案内することになりそうだったが、日程に余裕があるということだったので、みんなで
「一緒にパーティー行けば?」
と強力にすすめる。そういうわけでハイエースにみんなで乗って〈パラエストラ沖縄〉オープン記念パーティーへ。

会場入り口には芋煮が煮えていて、中にはチラシ寿司におにぎり、ビールに泡盛、そしてみんなが続々差し入れてくれる大量の揚げものが所狭しと並ぶ。唐揚げにフライにコロッケに天ぷらにピザ、格闘家たちだからか、沖縄だからか? とにかく食べ物にはまったく困らない豪勢なパーティーになった。集まってくれた方々がチャンプに寄せる信頼とか愛情があらわれていて、大変いい場所に来れた気がする。



チャンプ、ジムのオープン、おめでとう!

与儀公園にさくらを見に行く。さっき着いたばかりのまどかさん(ごはんやさんのまどかと同じ名前)も同行する。まだ五分咲きくらいだろうか、それでも天気がいい日曜日で家族連れなどでにぎわっていた。



ついでなのでやちむん通りを案内し、桜坂劇場に寄って私は会員証を更新し(更新通知ハガキなしだったが、手続きしてくれてしかも無料招待券2枚などももらえた)、まどかさんには〈ふくら舎〉で雑貨などを見てもらう。ここのセレクトはなかなかいい。

〈プラヌラ〉でお茶にして、えびす通り、市場本通り、沖映通りを経て月光荘に戻る。

はるにぃが「9時からU-22のシリア対日本を見に行く」というので、連れていってもらうことに。しかし、パラダイス通りにあるはるにぃ知り合いの店はやっていなかったので、たこ焼き&BAR〈halkaya〉で飲みながら携帯ワンセグで観戦することに。

最低限引き分けにできた試合を焦りから後半43分に失点して、まさかの敗戦。ううううむむむむ。



〈つきのわ〉はパラエストラ沖縄のパーティのつづきになっていた。若手の武蔵クンは筋肉隆々の有望株、まっすぐで純粋で負けず嫌いで、感激屋さんだった。沖縄で総合格闘技をやる人たちの中心で、チャンプは実に愛されていた。

いい酒を飲ませてもらいました。ありがとう。


【沖縄さくら旅】26 夜明けのスキャット、スカイマークの取り方、牧志市場の定番、そして飲み過ぎた。

2012年02月04日 | 旅する。

2月4日 土曜日 今帰仁→那覇

今回の結家では「聖☆お兄さん」にはまってしまう。朝食のあいだでも時間を惜しんで読みふける。

ギターで「夜明けのスキャット」をコピーしてみる。Dm C C Dm  / Dm B♭ F A7 で、いいんじゃないかと思うんだが、どうだろう? ルールールルルー♪、ルールールルルー♪

アルベルト隊長が来てくれて、オスカルを那覇空港に送るついでに乗せてもらう。まずはお昼ご飯をいつもお世話になっている某所でいただく。オスカルは油みそ作りをまた習っている。



アル隊長には、携帯でスカイマークの予約を取るための講習をする。とくにコツはない。9時30分にスタンバイさえできていれば、いけると思う。たぶん。

那覇空港でアルベルト隊長を見送り、オスカルを見送り、ゆいレールで月光荘に戻る。

ごはんやさんには大ちゃん、まどかがいて、るいちゃんに4月のスカイマークを検索してあげたり、きみちゃんから吐血して日赤に行った話を聞いたりする。



チェックイン直後のゲストに「那覇で観光するところは?」と聞かれ、道を説明するより案内したら、ということになる。最近はスタッフが私に説明や案内役をふるのである。ま、暇だからいいけど。

はるかちゃんは高知出身、京都で大学生をしてるが初沖縄なのだそうだ。まず那覇市観光案内所で地図をゲットし、牧志公設市場で島らっきょの試食攻撃を受け、サングラスをした豚を撮影し、さまざまな彩りの魚を見て驚く。……という定番観光を久しぶりにやった。

市場通りから古本屋〈うらら〉、ソーキそば350円〈田舎〉、タコライスなら〈赤とんぼ〉、JEFのゴーヤーバーガーとぬーやるバーガー、と定番グルメを立て続けに紹介するが、たぶん覚えきれないと思う。

やちむん通りを散歩し、〈プラヌラ〉が休みだったので〈茶太郎〉へ。

希望ヶ丘公園で桜や猫を愛でてから蔡温スクエアに行ってみたが図書館は18:00までで間に合わず、宮脇書店で沖縄を理解する基本図書を解説する。はるかちゃんから沖縄戦についてちゃんと知りたい、という希望があったので。

月光荘に戻ったら、はるちゃんの誕生祝いということで、とにかく肉の大盤振る舞いになっていた。

しめには麺類。



〈つきのわ〉で飲み、さらに〈MOONBOW〉で飲み直すが、どーもこの夜は飲み過ぎたようだ。


【沖縄さくら旅】25 工場できたてのビール、本場タコス、イカスミ汁。

2012年02月03日 | 旅する。

 2月3日 金曜日 もとぶ→今帰仁

ニクちゃんの悲鳴と大ちゃんの笑い声で目が覚める。何があったかは聞くまでもないが、今日もなんか楽しい予感。

まずオリオンビール工場見学を予約する。ニクちゃんが掃除する間に我々は散歩することに。裏道から蝶々園前に出て、海洋博公園の中央ゲートから入る。正面には伊江島。



おきなわ郷土村に入って地頭代の家へ。ここにはおばさまたちがいて、お茶と黒糖をいただく。いつもなら三線を習うところだが、先生がいなかったのか、踊りをしましょうと「安里屋ユンタ」のテープを探してくれていたもよう。

しかし、探している間にお茶も飲み終わり、時間もないので辞去して他の家々を回る。

ノロの家、本家、本部の家、王国時代の家、近代の家、与那国の家、奄美の家、高倉、などなど。立派なガジュマルもあり、これだけでもけっこう楽しめる。



さらに南へと公園内を歩く。右手には熱帯ドリームセンターが広がり、遠見台(外側に螺旋階段が巻きついた形の印象的な塔、熱帯ドリームセンターに入場[入場料670円]すれば上れる)がそびえる。俗に「バベルの塔」とか「ジブリの塔」とか勝手に呼ばれてますが。



海を見渡す素晴らしい散歩道がつづく。汐見台近くで雨が降ってきた。ここからだと南ゲートがいちばん近いが、もとぶゲストハウスに戻るにはちょっと遠回りになる。ううん、どーしよう? とまどかがニクちゃんに電話して「迎えに来て!」とねだる。

だが、ニクちゃんはまだ掃除も洗濯も終わっていないらしく、断られる。ちなみに、道に迷ったわけではなく、単にラクをしたかっただけです、はい。

このあたりの丘からは水納島を真ん中に瀬底島、伊江島がきれいに見える。天気がよければなあ。南ゲートを出て449を戻るように北上し、途中〈革人〉に寄って12時過ぎにもとぶゲストハウスに帰る。



クルマを出してもらって、オリオンビール工場へ。名護岳を回る見晴らしのいい道を上ってみるが、桜を見るのはまた別の道があるらしい。

大人なので、時間に余裕をもってオリオンハッピーパーク(見学施設がリニューアルしてこんな名前に)に到着。



見学は中国からの家族連れ、台湾からの団体と一緒になるが、案内は日本語なのであった。待望の試飲は各自2杯ずつ。のはずが、台湾の方がおかわり券をテーブルにプレゼントしてくれた。

よほどもの欲しそうに、いや、楽しそうに見えたのか。もちろんありがたくビールをもう一杯いただきましたとも。



お昼は名護市場の〈サボテンタコス〉でタコス、タコライス食べ放題にチャレンジする。ニクちゃんが一緒だと、全員が大食いモードになるようだ。



タコスは前回からさらに進化していて、大きくなった上にトルティーヤはとうもろこし100%になり、本場メキシコみたいにコーンの香りがする。これにニクちゃん絶賛唐揚げ、ポテトのニクスペシャル、生ビールでランチ。タコスは3回か4回ほどおかわりし、しめにタコライス。これだけ食べて5人分を4人で割って1075円という安さ(生ビールをのぞく。ニクちゃんには「ドライバーおつかれさま」とみんなでおごった)。

それからまどかと大ちゃんらはJAファーマーズ・マーケットでお買い物して、私は名護バスターミナルまで送ってもらい、そこでみんなと別れる。

「まったねー!」

その後、彼らは読谷の〈清天〉で琉球ガラス作りを体験し、那覇に帰り、ニクちゃんは月光荘ではるちゃんの誕生日前祝いとして貢ぎ物にされたそうである。合掌。

 

私はバスを与那嶺で降り、徒歩で結家にまたチェックインした。


今晩はいつもお世話になっている居酒屋でなつかしい面々と飲む。

枝豆にはじまり、タコ、イカの刺身、ミジュンの南蛮漬け、もずく、三枚肉、サラダ、イカ墨汁、ご飯、恵方巻きと怒濤のごとくお皿が並ぶ。いつものことだが、ここで食べて飲むのは体力がいる。


【沖縄さくら旅】24 ラーメンに珈琲に温玉にアスパラにステーキに海老クリームパスタ。

2012年02月02日 | 旅する。

2月2日 木曜日 もとぶ→那覇→もとぶ

今日は那覇までまどかをはじめとする月光荘の方々をお迎えに行く日である。そーんなスペシャルサービスは、つい口を滑らしてしまったニクちゃんと、それを聞き逃さなかったまどかの共同作品ともいえよう。言っちゃったものは仕方がない。

10時半に出て、ローソンでLチキとバンズを買って朝食にする。高速道路を使わずに12時50分ころには月光荘に到着。さすがニクちゃん。

月光荘では想定外の3人という少人数ながらまどか、大ちゃん、たけクンという濃いメンバーを乗せて出発。例によって「エンジン全開、アクセルGo Go!」。しかもこのクルマはルーフが開くので、ますますテンションがあがる。

北谷の〈林屋〉でお昼にする。



京都発祥のラーメン屋だが唐揚げが名物で定食が多彩。私はネギチャーシュー丼定食にしましたよ。そしてみんなで唐揚げをつまみ、ドライバーのニクちゃん以外は生ビールを堪能。

まずは渡久地のもとぶ町営市場に行き、〈みちくさ〉でコーヒーを飲もうとしたら、しょうさくさんは〈よんなー市場〉でギターを弾いていた。



有名なカツオのベンチに座り、インド雑貨のお店に寄り、市場のゆる~い雰囲気を楽しむ。

お買い物はかねひでに行き、たまたま安かったステーキと、海老クリームソースのパスタをメインにすることに決定。さらに温玉、アスパラガス、ベーコン、ほうれん草などを買い込んで、今晩はパーティー! である。

もとぶゲストハウスに乗り込んで(私にとっては「戻って」だが)、キッチンでまずタマネギのチャツネを作っておき、クリームソース用のタマネギ薄切りもスタンバイしておく。

ちなみに、この間ニクちゃんは熟睡していた。

食卓にはまず、まどかが作ってくれたベーコンアスパラガス炒めに温玉のせ、ベーコン入りほうれん草炒めが並ぶ。



さて、私の役目はステーキとパスタ。ステーキは5枚もあるので、順番にゆっくり焼いていく。ほとんどはミディアムレアにしたが、「よく焼いてほしい」というニクちゃんのリクエストにこたえてウェルダンも。ソースはタマネギのチャツネを基本に、塩胡椒かワサビしょうゆか、さらに付け合わせにエリンギのバター炒めを添えて。



スパゲティをゆで、海老クリームに炒めタマネギを合わせてソースを整える。タイミングのせいか、味のせいか、しめのラーメンのような、癖になる味に仕上がった。

美ら海水族館でバイト兼実習中の青年ふたりに加え、近所からしのちゃん、宮古島帰りのあゆみちゃんも来てくれて、豪華で賑やかなに宴はつづく。