徒然なるままに、一旅客の戯言(たわごと)
*** reminiscences ***
PAXのひとりごと
since 17 JAN 2005


(since 17 AUG 2005)

一路西へ

 ちょうど1週間前(7月20日)は、台風5号( HAITANG :ハイタン)を追いかけ、Boeing767-300ER で東シナ海上空約11800m( FL390 )を西に向かっていました。

タイトルの写真は台風5号の一番外側をとりまく高層の雲に近づかんとしている、ちょっと目的地の天候が案じられるショットであります。

案の定、目的地はしゅう雨で風も GUST が強く、IAF: Initial Approach Fix から Final にかけてずっと rough air 。じゃじゃ馬を乗りこなす感じで何とか某空港の Rwy 07 に降りたのでした。

INTL の場合、2回に1回は路線の決定権が家族にあり、今回も財務大臣と手なずけられた家臣らの希望により、目的地が決定されました。
何でも“金庸”という作家のとある作品をテレビドラマ化したときのロケ地を訪ねる旅なのだそうで、華流(ファンリュウ)ファンにはたまらないとのこと。
小生にはチンプンカンプンではあるのですが、まあ贖罪の旅であります。

成田から(近場の)西に向かうとなると、目的地は幾つかに絞られますが、今回はお肉?( ONIKU )のルートです。

このルートは、通称「 AKARA-FUKUE CORRIDOR 」と呼ばれる航空路 A593 で、長崎県は五島列島の福江市と、上海の東に位置するウェイポイント AKARA とを結ぶルートです。
航空管制区分上は途中(済州島の南西付近)に韓国の INCHEON (仁川)管制センターの領域があるのですが、この AKARA-FUKUE CORRIDOR を飛行する場合には INCHEON にハンドオフされることなく、福岡航空管制センターと上海航空管制センター間の調整のみで航空管制が行なわれます。

そのかわり、東西に伸びる航空路 A593 には南北に交差する航空路があるため、 AKARA-FUKUE CORRIDOR を飛行する航空機には以下のような高度の制限が付けられます。

Westbound:
 Flight plan FL240, FL280 or FL390 and request ATC clearance to cross Oniku Int at these altitudes.
 If operating at any other flight level, request ATC clearance well before crossing Oniku Int.

Eastbound:
 Flight plan FL250, FL290 or FL410 and request ATC clearance to cross Lamen Int at these altitudes.
 If operating at any other flight level, request ATC clearance well before crossing Lamen Int.

余談になりますが、この AKARA-FUKUE CORRIDOR (A593) 上のウェイポイントの名前が中々ユニークで、日本から上海に向かう方向で記しますと;
 FUKUE VOR/DME (福江)
 POTET
 ONIKU
 NIRAT
 SADLI -- ここまで日本の防空識別圏
 LAMEN
 AKARA (上海浦東空港の東約170km)
となっています。

ポテト、お肉、ニラ、ラーメンなど、AKARA-FUKUE CORRIDOR はさしずめ“中国、食の回廊”と言ったところでしょうか。

成田から AKARA-FUKUE CORRIDOR に向かう場合、福岡の航空無線標識(福岡空港の北に位置しています)上空を通過し、そこで少しばかり左に変進します(つまり、左側に機体が傾く)。

眼下に福岡空港と博多の街、その南には夏場特有の積雲(綿雲)が出ていたので、シャッターをきりました。

Over DGC FL390


「 Rwy 07 」とさり気なく書いておいたのですが、到着地は上海浦東ではありません。
(さて、何処でしょう?)
Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 現場を無視し...ここまでくる... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。