徒然なるままに、一旅客の戯言(たわごと)
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PAXのひとりごと
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アダム・エア576便 - 機材の経歴

 一昨日、1月1日の午後、インドネシアのスラウェシ島の山岳地帯上空で消息を絶った(情報が錯綜しているため墜落との言葉は避けました)アダム・エア576便。当該機の主たる経歴を調べてみました。

航空機には一機一機に“製造番号”が付けられています。

これは“登録記号”とはまた別のもので、その機体で一生涯変ることがありません。

自動車に例えると、“製造番号”はフレームに刻印された「車体番号」で、“登録記号”は「ナンバープレートの記号・番号」に相当します。

自動車の「ナンバープレート」がそうであるように、“登録記号”は当該航空機が登録されている国籍記号と記号・番号で構成されています。

本邦で登録されている航空機は、必ずJAから始まる“登録記号”が付けられています。
(ちなみに米国籍機はN、英国はG、フランスはF、韓国はHL、など等)
このJAが国籍記号で、その後ろに各機体を識別するための固有の番号・記号がつけられ“登録”されています。
※JAの後の命名則も決められているのですが、別の機会に譲ります。

インドネシアの国籍記号はPWで、1月1日のアダム・エア576便として運航された Boeing737-400 型機の“登録記号”はPW-KKWでした。

一方、当該機の“製造番号”は、24070/1665 であり、これはこの機体の所有者,登録国が変ってもずっと付いて回ります。

※ 24070 が Construction Number (所謂“製造番号”)で、1665 は Line Number (製造ラインの番号)を示しています。

当該機は初飛行が1989年1月11日で、機齢は間もなく18年になろうとしていた機体ですから、2003年末にジャカルタをベースに運航を開始したアダム・エアとしては、当然ですが中古機として当該機をフリートに加えたことになります。

“製造番号”24070/1665 の Boeing737-4Q8 は、Q8 の Customer Code が示すように、ボーイング社からは ILFC: International Lease Finance Corporation という米国のロサンゼルスに本社を置く世界的な航空機リース会社を顧客として製造・販売されました。

その後、24070/1665 は

 G-BNNL の登録記号を付け、英国の Dan-Air に1989年1月26日リースされました。

Dan-Air は1992年 British Airways に吸収合併されたので、24070/1665 は1992年11月より、

 同じ英国籍を示す G-BNNL の登録記号のまま、British Airways (1995年3月からは GB Airways で)で飛び続けました。

2001年4月からは、同じ登録記号のまま、イタリアの National Jet Italia に1年弱ご奉公しました。

2002年、24070/1665 は

 N112TR の登録記号を付け、米国の WFBN: Wells Fargo Bank Northwest に約1週間、籍をおいた後、同年3月からは、
 EI-CXH の登録記号を付け、イタリアの Air One で飛びました。

同年の12月20日、24070/1665 は

 YU-AOO の登録記号を付け、ユーゴスラビアの JAT - Yugoslav Airlines にリースされ、そこで2005年10までの約3年間を過ごしまします。

そして、2005年12月1日から

 PK-KKW として Adam Air のフリートに加わったのでした。
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