毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

キャンパスライフあれこれ  2011年4月20日(水) No.115

2011-04-20 11:53:42 | 中国事情
 今週月曜から新しく「日本語能力試験1級対策」の講座を開設した。もちろん要請があったからだが、受講者は全部2年生で、この前落ちた3年生は15人以上いるはずなのに、誰一人来なかった。
後で聞くと3年生は「2年生なんかと机を並べるのは、落第したようで恥ずかしい。」という感覚があるという。クラスの科目を落としたわけでもないのに、その感覚が私にはさっぱり分からない。当初より月曜は多くの2年生にとって都合がよく、3年生の多くは火曜日の方が都合が良かった。もし3年生が多く受講できる火曜日なら、2年生は先輩と共に受講できることを光栄に思うだろう。先輩・後輩の関係はわりと上下関係的で、その分先輩は実によく後輩の面倒を見る印象がある。日本の1960年代頃のイメージか。
 
 しかし、この講座、実力から見て、2年生にはかなり無理がある。彼らには「2級対策」ぐらいでちょうどいい。それをプライドの塊の中国人学生たちに言うと(失礼な!)と感じる向きがあり、「2級なんか受かっても意味ないです~。」「お金がもったいないです~。」と言う。多分、早晩チンプンカンプンで脱落する学生が続出するだろうが、わしゃ知らん!

 (だいたい、なぜ私だけが能力試験対策講座を受け持つんだ?1級と2級を教師たちが分担したらいいじゃないか。全員で5人もいるのに)と思うが、ほかの老師たちは、ボランティアで働く気はまるでない。授業が終わったら、さっさと家に帰ってしまう。自分の担任のクラスの面倒もろくに見ない人もいる。2年と3年の時間調整がうまくいかないと言うと、「先生、どちらか一つだけで結構です。」と言われ、一瞬破裂しそうになり、「当たり前です。2つもできません!」と語気荒く言ってしまった。年取ると短気になってきたのか、時々、プチッと血管切れる音が…。 

 先週末は梅雨のスタートを思わせる天候が続いて、大理石っぽい床の教室は結露により、すべって危険だった。あの昨年の大雪の時を思い出す。足の裏にかなり神経を使い、つま先のみならず全体で、一歩一歩確実に歩まなければならない。人生と同様だ。
 だが今週は、打って変わってうららかな春が戻ってきた。麦廬園キャンパスの1号館と呼ばれる建物横を通ると、誰の仕業か洗濯物が窓からぶら下がっていたり、低木の上にかぶせられたりして干されてあった。窓から下がっているのは、派手な赤い色のブリーフだ。建物の管理人さんのモノかも知れない。

 さらに、よく見ると、キャンパス内のあちこちに野菜が植えてある。私が準備室として使っている外国語学院センター1階資料室の外でも、何種類もの野菜が真冬でもすくすくと育っていた。日本では見たことがない葉物が多く、窓からその成長を見るのも楽しみの一つだ。職員が、自分の趣味か、家計を助けるためか、その両方かでやっているようだ。毎日、昼休みに世話をしに来ている。時には、小型発動機みたいなもので、カチカチの地面を耕している。こういうことを、大学はとやかく言わないようだ。
 日本の都市の河川敷で野菜を作っている人たちは、河川事務所に許可を得てやっていると聞いたことがある。放っておけば雑草が生えるだけなので、有効利用になっていいんじゃないかな。(雑草だってなくてはならないものだが。)

 宿舎の部屋の外では、スミレがかたまって咲いている。ツツジも花開きだした。ちょっと散歩に行ってこようかな。

コメント
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