毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

カレーでもてなし   2011年4月3日(日) No.103

2011-04-03 21:43:04 | 中国事情
 朝から風と雨。暗かったので寝坊をしてしまった。時計を見ると午前10時過ぎ!(ギョエ~!1年生が遊びに来るというのにい~)と飛び起きた。

 学生達も遊びに来たがるが、私もできる限りのことをしたい。これも日中草の根交流になるのだから。
と言う割には、おもてなしの料理がいつもカレーライスなのが弱点だ。まだ1年生から4年生まで全員来たわけではないが、ここ半年間で50人は我が宿舎を訪れ、カレーを食べたと思う。そろそろ次のメニューを考えなければ…。
 取りあえず、今日もカレーだ。「グリコ2段熟カレー」が安かったので、冬休みに10箱以上買って船便で送ったものだ。神戸港から37日間もかかってようやく着いた。速ければ3週間と言われたが、夏に送ったときは4週間かかった。上海まではすぐ着くのだが、内陸の輸送がとてつもなく遅い。

 3年生の楼さんとそのボーイフレンド郭さんが、11時半、9人の1年生を連れてやって来た。
今回のメンバーは、「まだ1度も来たことが無い人」を条件にしたので、カレー未体験どころか、日本人が住む部屋に入るのも初めてで、ドアに入る前からワクワクしている。

 今日来た子たちの中に、目ざとく雑誌『anan』を見つけ、さらに目ざとくスマップの写真を見つけ、キムタクを指して「ラブゼネレーション!」とか叫んだ男の子がいた。スマップは中国でも人気があるそうだ。「世界に一つだけの花」とかのメロディがすぐに出てくる。
 しかし、3年生の楼さんは、「コナンと江戸時代」漬け少女なので、スマップなんか聞いたこともないと言う。一方、ボーイフレンドの郭さんは「さだこ」(怖い映画)を前の日本人教師が授業中にDVDを見せてくれ、それが強烈に印象に残っていると言う。どうもこの2人は世間からずれたようなところがある。

 楼さんに言わせれば郭さんは、「日本人以上に日本人ぽい中国人」なのだそうだ。どこが?と聞くと「郭さんは、いつのまにか私の机を片付けてくれて、自分がやったと吹聴もせず、たいへん控えめです。」とのこと。うん、確かに日本では「『自分がやった、やった。』と自慢するな、ひけらかすな。」というのが美徳としてあった。今でもそんな雰囲気はあるのかしら。
私は、子どもの頃、庭の掃除をしておいたのを親に気付いてもらいたいのに、母が「ここ、誰がきれいにしたの?」と聞くと、黙っていたものだった。忍ぶ心というか、以心伝心というのか、基本的にハイコンテキスト人間なのだ。

 食後、カルタをして遊んだ。たいしたことではないのだが、ゲームにおけるルールの軽視みたいなのを感じた。お手つき3回以上はダメだと説明しているのに、平気で何回も繰り返す。これは今日だけのことではない。
 この間、1年生の発表会に招待されて行ったときも、新聞にペアで乗るというゲームで、ルール説明の後、ゲームが始まるや(うわ、ルール違反やん!)と注意したくなるチームが続出で、私にしたら(ルールがあってないようなゲームをやって、何が面白いんかな?ルール通りやるからこそ1位になっても値打ちがあるんじゃないかな)とはなはだ疑問に思った。しかし、誰一人注意せず、ニコニコして見ている。
 授業中のミニテストでも、よほど襟を正して、厳しい表情できっちり言わないと、簡単にカンニングをする。もちろん、期末試験では試験官が見張っているし、そんなことはしないが。
 あきれたり、おもしろがったりしているうちに帰る時間になり、みんな仲良く帰って行った。

 1年生とは言え、10月後半から開始した日本語学習の成果はもうかなり感じられる。
先週も、「あ~、先生、今日教室が違います。1107室になりました。」と日本語で電話連絡してきた1年生がいる。その連絡は既に他の先生から聞いていたが、教室ではそのことは言わず「ありがとう。さっきの連絡、全部よく分かりました。発音もとても良いです。」とだけ言った。「褒められるときには最大限褒めよう」というのは、私が小学校教員生活で学んだことの一つだ。嬉しそうに微笑む学生の顔を見て、それは中国であっても、大学生であっても、同じだと確信した。
コメント
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