毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

大阪から音のプレゼントが…   2011年4月11日(月) No.109

2011-04-11 14:02:16 | 中国事情

  今日、ずっと以前小学校で担任した子(もう大人だが)Mちゃんから嬉しい贈り物がとどいた。郵便ではなく、インターネットで。
Mちゃんは何年もアイリッシュ=ハープを練習してきた。彼女の妹Cちゃんはフルートを吹く。姉妹二人でデュオを作り、演奏活動をしている。一昨年大阪市内で彼女たちの演奏を聞いた。(ああ、この子達はまっすぐ、深く、生きてきたんだ)と、しみじみ嬉しかった。

 Mちゃんは、現在、「日中メル友大作戦」にも参加し、私とはmixiフレンドでもある。
実は、彼女が小学校4年生のとき、教室で「裸足のゲン」を見たことがあった。広島の町が原爆投下によって生き地獄と化したシーンあたりから、彼女はうつむいて、咳き込んだりし出した。「喉がちょっと気持ち悪いから、うがいをしてきます。」と席をたった。その時わたしは(風邪かな?)と思っていたが、後日お家の方から聞いたのは、彼女が「心臓がドキドキして苦しくて、いたたまれなかった。」「夜夢を見た。」と言っていたことだ。

 私の娘も、小学校3年生ごろに地元の地区会館で上映する「裸足のゲン」を見に連れていったところ、途中で会場の外に出てしまったことがあった。「見ないの?」と聞くと「見ない!どうして私にこんな映画を見せるの!」と暗い顔で抗議されたものだった。
 「裸足のゲン」や「蛍の墓」を見て、泣く子もいるし、追体験して心に深く苦しみや恐怖をとどめる子もいる。反面、泣く子を指さして「いや、○○ちゃん、泣いてるで~!」と笑う子もいる。人間の感受性はいろいろだ。

 私も含め多くの人々が今回の大震災にはかなり心的に傷手を受けた。Mちゃんも一応、普段通りの生活はしていたものの、ぼうっとなったり、逆に頭の中が混乱して焦ってしまったりする日が続いたそうだ。
それでも、今回彼女は、震災のためのチャリティーコンサートで演奏した。彼女はとても控えめな子だ。人前で演奏するなんて、どれほどプレッシャーになることだろう。これまでも彼女は、ドキドキしながら演奏会場であるアイリッシュ・パブのドアを開け、デパートのステージに立ち、一歩一歩、自分の世界を広げてきた。
 家で読書をし、アイリッシュハープを弾き、家族のご飯のしたくをして暮らしてきた彼女は、自分と妹のデュオ「行灯社」を設立し、私に「音源をアップしました~。」と知らせてくれたのだった。
「満を持して」とはこういうことを指すのだろう。
子どもの頃のMちゃんに限らず、多くの子どもたちは(大人だって)、自分が圧倒的しんどさの最中にいるときは、ただ立ち尽くすだけで声も出ない。自分で自分のことを語り出すために、音楽や、犬や猫や家族(順番バラバラだけど~)がそおっと力を貸してくれる気がする。
行灯社の奏でる曲はそんな音楽だ。

 2曲とも、聞いているとアイルランドの風が吹いてくる。何百回でも聞きたい曲だ。
下をクリックすると聞けると思う。もし無理なら、行灯社(あんどんしゃ)で検索してみてね。


http://video.mixi.jp/view_video.pl?owner_id=28736534&video_id=10594529
http://video.mixi.jp/view_video.pl?owner_id=28736534&video_id=10594527

行灯社ブログ
http://andonsha.exblog.jp/

行灯社You Tubeチャンネル
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