オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

アイク・ケベック ”イージー・リビング”

2019-07-13 11:37:03 | ジャズ
 昨夜は、ボクシングで村田選手が再戦でチャンピオンに返り咲きました。2ラウンド見事なTKOでした。前回の敗戦の原因をきっちりと反省して今回はガードを完璧にしてから攻撃に移っていたので完璧な作戦通りだったんではないでしょうか。
 今回は、アイク・ケベック の ”イージー・リビング”です。”ナンシー”がいいですね。

 ■1)アイク・ケベック
 ウィッキペディアから一部省略して転記します。
”Ike Abrams Quebec, 1918年8月17日 ニューアーク – 1963年1月16日)はジャズ・サクソフォン奏者。評論家のアレックス・ヘンダーソンは、「ケベックは、決して改革者ではなかったが、気息音のまじった朗々たる響きがよく目立った特徴であり、南部風のブルースやセクシーなバラード、アップテンポのアグレッションといった場合でも、徹底していた」と評している。
 元々は熟練したダンサーでありピアニストであったが、20代前半に楽器をテナー・サクソフォンに替え、やがてサクソフォン奏者として将来を嘱望されるようになった。1940年には録音活動も始めている。その後、エラ・フィッツジェラルド、ベニー・カーター、コールマン・ホーキンスと共演した。1944年から1951年までの間はキャブ・キャロウェイと断続的に共演を続けている。またこの時期に、ブルーノート・レコードへの録音が行われ、さらにA&Rとして同レーベルのスカウトも兼ね、セロニアス・モンクやバド・パウエルらのピアニストが世に出るきっかけを作った。ケベックは初見演奏の能力に恵まれ、多くのブルーノート・レコードのセッションで即席の編曲家を務めることもあった。

部分的には薬物依存症との闘病生活のために、一方ではビッグ・バンドの人気が凋落したために、ケベックは1950年代を通じて散発的にしか録音しなかったが、それでも定期的な演奏活動を続けていた。ケベックはジャズの新たな展開に通じており、後にハード・バップやボサノヴァ、ソウル・ジャズの要素を取り入れて演奏している。1959年には、一連の録音によってブルーノート・レーベルへの復帰作に取り掛かる。同社の最高顧問アルフレッド・ライオンは、ケベックの音楽をずっと気に入っていたものの、十年ほど人目につかなくなっていたサクソフォン奏者に聴衆がどう反応するかに不安を覚えた。しかし聴衆の好感を得て、たくさんのアルバムが温かく歓迎された。
1963年に肺がんのために早世した。 ”

 ⇒やはり、昔のジャズマンによくある薬物依存症との闘病生活に苦しんだんですね。かれのスタイルを聴くと、やはりコールマン・ホーキンスの影響が大きいですね。ソニー・ロリンズもホーキンスの近所に住んでいてサインを貰うためにホーキンスの自宅に押しかけたと聞いたので同じような道を通っているんでしょうか。
 モンクやバド・パウエルをアルフレッド・ライオンの所に紹介するため連れて行ったり、RVGスタジオまでミュージシャンを乗せて送るドライバーを買って出たり裏方の仕事もこなす苦労人。
 音楽理論をきっちり習得した上でアドリブを事前にスコアで緻密に構築してからプレイに入る、そんな感じがします。自己の音楽を冷静で客観的に見る視線と、過剰を律する自己に対する厳しい姿勢を持っていると言っている方がおられますが、当にそんな感じですね。同じホーキンス流でもロリンズとは全く違うタイプ。

 ■2)”イージー・リビング”のCD
 表は、

 内側は、

 ジャケット写真を見ると、素朴の田舎のおじさんと言う雰囲気を漂わせています。少しアップセットしたような表情。”俺はどうすりゃいいんだ?”とぼやいてます。

 ■3)”イージー・リビング”の曲とメンバー
 曲順は、
 1. See See Rider (M.Rainey-L.Arant) ・・・・・ 9:01
 2. Congo Lament (Bennie Green) ・・・・・ 6:52
 3. Que's Pills  (Stanley Turrentine) ・・・・・ 5:39
 4. I've Got a Crush on You(I.Gershwin-G.Gershwin) ・・・・・ 6:50
 5. Nancy (With the Laughing Face) (P.Silvers-J.V.Heusen) ・・・・・ 7:24
 6. Easy Living  (L.Robin-R.Rainger) ・・・・・ 5:01
メンバーは、
  Ike Quebec (ts), Bennie Green (#1-3, 7, 8: tb),
  Stanley Turrentine (#1-3, 7, 8: ts), Sonny Clark (p),
  Milt Hinton (b), Art Blakey (ds)
  Recorded at RVG Studio, Englewood Cliffs, January 20, 1962.
 多分A・ライオンが彼の趣味で呼んできたと思われるアート・ブレイキーがドラムを叩いている割には、4~6曲目のバラードもここでは控え目なバッキングで上手く合わせています。

 ■4)”イージー・リビング”のお気に入り
  やはり皆さんの感想と同じで、前半のセクステットでのアップテンポなマルチホーンより後半のアイクのワンホーンのバラードが良いです。
 吹き方としては、ほのぼの感満載のムードでベン・ウェブスター(彼は蒸気機関車風ですが、アイクは違います)の音を引っ張るような粘っこい感じのプレイ。
 これが嫌いな人はダメなんでしょうね。私も若い頃なら聴かなかったでしょう。
 今は、”ナンシー”がお気に入り。”ナンシー”とは勿論ナンシー・シナトラのことです。歌手で女優。お父さんは、フランク・シナトラ。
 トレーンの”バラード”のラストの”ナンシー”(これはストレートなメロディ)が有名ですが、このナンシー(少し粘ってセクシーでブルージー)も勝るとも劣りません。
 初めて聴いた時は、ゾクッとしました。
 ソニー・クラークのしっとりとしたピアノも燻し銀。
 それにしても、この録音の1年後にソニー・クラークとアイクが僅か3日違いで亡くなってしまったと思えない程の迫真のプレイです。
 4.や6.も同じくビブラートをかけたバラードプレイが堪能できます。

 You Tubeにも全曲上がっています。
コメント
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