9/18の最後に伝達関数のみ載せていますが、RDA560のHPF(ハイ・パス・フィルタ)についてもLT Spiceで調べてみました。
■1)RDA560のHPFの伝達関数
・Q指定
2次HPFは、Qを使うと伝達関数は、
G(S)=s**2/(s**2+s*wc/Q+wc**2) です。
・簡易設定(次数設定)
4次以上の場合:2n次HPFの伝達関数は、(n=2、3・・・・・・)
G(S)=s**2n/(s**2+1.4142*s*wc+wc**2) **n です。
■2)RDA560のHPFのレシピー画面
Q指示の場合は、カットオフはH(620Aの同軸ツイータ用)で1.5KHzとして
左上①はQ=0.5、右上②はQ=0.577(準BS)、 左下③はQ=0.642、右下④はQ=0.5、です。
グラフ中に縦線があるカットオフの1.5KHzで①はー6db、②はー4.9db、③はー3.97db、④はー3dbとQが上がるに従って肩が尖っていることが判ります。しかし肩を外れると低周波数では12db/Octで①~④まで同じで2次です。
以下カットオフは1.5KHzとします。
■3)RDA560のHPFの2次HPFのQ指示のLT Spice 振幅
これは
黄緑線がQ=0.707(BW)、紺色線はQ=0.642、赤色線はQ=0.577(準BS)、水色線はQ=0.5 です。
Qが下がるに従ってカットオフの肩の曲りが緩くなっています。
.meas AC out FIND v(out3) AT 1.5k コマンドで1.5KHzでの振幅を出すと、 v(out3) =Q=0.707(BW)でー3.01db、v(out4) =Q=0.642でー3.96db、v(out5) =Q=0.577でー4.78db、v(out6) =Q=0.5でー6.02dbとRDAのレシピー画面とほぼ同じです。
■4)RDA560のHPFの2次HPFのQ指示のLT Spice 群遅延Tg
これは
Q値別の線の色は上記と同じです。
黄緑線Q=0.707(BW)の場合はカットオフの近くでピークを迎えますが、紺色線Q=0.642はピークが小さくなり、赤色線Q=0.577(準BS)は1KHzまではほぼフラットで、水色線Q=0.5は200Hz辺りから単調減少しています。
このカーブはLPFとほぼ同じですので、予想としてはHPFなら左右逆転して欲しいです。正しいかどうかは?です。これが正しいとするとHPFを入れると位相歪がカットオフ以上で大きいことになります。Q=0.642辺りがベスト条件としてカットオフ付近の160μSから20KHzで0になりますので160μSの群遅延のバラツキが耳に位相歪として聴こえることはまずは無いとは思いますが・・・
■5)RDA560のHPFの2次HPFのQ指示のLT Spice 矩形波応答
入力矩形波は、ピーク1vで周期4mSで立上り・立下りは1μS、です。
矩形波をHPFに入力すると出力はパルスになります。
パルスとして+ピークが一番鋭いのは、黄緑線Q=0.707(BW)の場合ですがアンダーシュートも最大になります。Qが下がるに従ってそれがなだらかになっていきます。
■6)RDA560のHPFの2次HPFのQ指示のLT Spice パルス応答
入力パルスは、ピーク1vで周期4mSで立上り・立下りは35μS、ピークホールドは2μSです。
これも矩形波と似ていますが、-側にもパルスがあり、+・-ピークが一番鋭いのは、黄緑線Q=0.707(BW)の場合です、Qが下がるに従ってそれがなだらかになっていきます。
■7)バターワースフィルタ(BW)のLPFの次数に対する最終段Q値のグラフ
これは、
ほぼリニアーになっています。
(1次9次10次についてはデータが無かったので、以下のP.12のバターワースの分母の多項式の固定数を1とした場合のn-1乗の係数の1/2の値とした。)
https://www.ti.com/jp/lit/an/jaja256/jaja256.pdf?ts=1596335989979&ref_url=http%253A%252F%252Fsearch.yahoo.co.jp%252F
■8)ベッセルフィルタ(BS)のLPFの次数に対する最終段Q値のグラフ
これは、
ほぼリニアーになっています。傾きはBWより低い。
■1)RDA560のHPFの伝達関数
・Q指定
2次HPFは、Qを使うと伝達関数は、
G(S)=s**2/(s**2+s*wc/Q+wc**2) です。
・簡易設定(次数設定)
4次以上の場合:2n次HPFの伝達関数は、(n=2、3・・・・・・)
G(S)=s**2n/(s**2+1.4142*s*wc+wc**2) **n です。
■2)RDA560のHPFのレシピー画面
Q指示の場合は、カットオフはH(620Aの同軸ツイータ用)で1.5KHzとして
左上①はQ=0.5、右上②はQ=0.577(準BS)、 左下③はQ=0.642、右下④はQ=0.5、です。
グラフ中に縦線があるカットオフの1.5KHzで①はー6db、②はー4.9db、③はー3.97db、④はー3dbとQが上がるに従って肩が尖っていることが判ります。しかし肩を外れると低周波数では12db/Octで①~④まで同じで2次です。
以下カットオフは1.5KHzとします。
■3)RDA560のHPFの2次HPFのQ指示のLT Spice 振幅
これは
黄緑線がQ=0.707(BW)、紺色線はQ=0.642、赤色線はQ=0.577(準BS)、水色線はQ=0.5 です。
Qが下がるに従ってカットオフの肩の曲りが緩くなっています。
.meas AC out FIND v(out3) AT 1.5k コマンドで1.5KHzでの振幅を出すと、 v(out3) =Q=0.707(BW)でー3.01db、v(out4) =Q=0.642でー3.96db、v(out5) =Q=0.577でー4.78db、v(out6) =Q=0.5でー6.02dbとRDAのレシピー画面とほぼ同じです。
■4)RDA560のHPFの2次HPFのQ指示のLT Spice 群遅延Tg
これは
Q値別の線の色は上記と同じです。
黄緑線Q=0.707(BW)の場合はカットオフの近くでピークを迎えますが、紺色線Q=0.642はピークが小さくなり、赤色線Q=0.577(準BS)は1KHzまではほぼフラットで、水色線Q=0.5は200Hz辺りから単調減少しています。
このカーブはLPFとほぼ同じですので、予想としてはHPFなら左右逆転して欲しいです。正しいかどうかは?です。これが正しいとするとHPFを入れると位相歪がカットオフ以上で大きいことになります。Q=0.642辺りがベスト条件としてカットオフ付近の160μSから20KHzで0になりますので160μSの群遅延のバラツキが耳に位相歪として聴こえることはまずは無いとは思いますが・・・
■5)RDA560のHPFの2次HPFのQ指示のLT Spice 矩形波応答
入力矩形波は、ピーク1vで周期4mSで立上り・立下りは1μS、です。
矩形波をHPFに入力すると出力はパルスになります。
パルスとして+ピークが一番鋭いのは、黄緑線Q=0.707(BW)の場合ですがアンダーシュートも最大になります。Qが下がるに従ってそれがなだらかになっていきます。
■6)RDA560のHPFの2次HPFのQ指示のLT Spice パルス応答
入力パルスは、ピーク1vで周期4mSで立上り・立下りは35μS、ピークホールドは2μSです。
これも矩形波と似ていますが、-側にもパルスがあり、+・-ピークが一番鋭いのは、黄緑線Q=0.707(BW)の場合です、Qが下がるに従ってそれがなだらかになっていきます。
■7)バターワースフィルタ(BW)のLPFの次数に対する最終段Q値のグラフ
これは、
ほぼリニアーになっています。
(1次9次10次についてはデータが無かったので、以下のP.12のバターワースの分母の多項式の固定数を1とした場合のn-1乗の係数の1/2の値とした。)
https://www.ti.com/jp/lit/an/jaja256/jaja256.pdf?ts=1596335989979&ref_url=http%253A%252F%252Fsearch.yahoo.co.jp%252F
■8)ベッセルフィルタ(BS)のLPFの次数に対する最終段Q値のグラフ
これは、
ほぼリニアーになっています。傾きはBWより低い。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます