Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

ロースクールにおける人格蹂躙とクソな競争

2018年08月25日 08時22分23秒 | Weblog
弁護士事務所への就職活動の全体像
 「第一期に採用活動を行う事務所は、ほぼ全部ビジネス系である。ビジネス系の事務所が全部この時期に採用活動を行うわけではないが、ビジネス系を目指すならば、頑張りたいところではある。いわゆる大規模事務所(及びそこから独立した事務所)と外資系事務所の大半が、この時期に採用を行う。サマクラで活躍した人はすでに内定が出ているらしく、面接回数も少なく(時に0回で)オファーがでる。これを俗に「サマクラ枠」といい、「サマクラは就活だ」と言われる所以である。なお、印象としては、サマクラ枠とその他で半々といった感じだが、詳細は知らない。」

 木庭先生によると、現在は「先端のビジネスローヤー」がキャリアの頂点にあると考えられているとのことだが、それを目指すロースクール生は、大手事務所の「サマー・クラーク」に応募することになる。
 「サマー・クラーク」はいわゆるインターンで、夏に法律事務所に一定期間行き、研修することを指すが、実質は「青田買い」であり、この際に内定が出ることもあるようだ。
 司法試験は翌年の5月だから、試験の1年近く前に内定を出してしまうわけだが、これはひとえに大手事務所の都合によるもので、要するに、木庭先生のいわゆる「クソな競争」の一環である。
 ところが、試験は水物なので、不運にして不合格となるロースクール生が存在する(ちなみに、昔の話だが、ある元最高裁判事(弁護士出身)は、司法試験の二次の口述試験で落ちている。)。
 大手事務所の採用担当パートナーにとって最も辛い仕事は、こうしたロースクール生に対し「内定取消し」を告げることだという。
 だが、1年近くの間、食事や飲み会など(これは他の事務所に引き抜かれないことも目的であろう。)で親しくなったのに、試験に落ちたからと言って、「ハイ、さようなら」と縁を切ったり、他の合格者で「補充」をしたりするのは、いかがなものだろうか。 
 こういう風に人間を扱うのは、「人間は、ひとりひとりがかけがえのない存在である」という法の基底にある発想とは相容れないもので、人格蹂躙といってもよいだろう。
 

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