ワーグナー:オペラ「ローエングリン」よりファンファーレ
(当初プログラムより変更)
オネゲル:交響詩「夏の牧歌」
Honegger: Pastorale d'été
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 Op.58
Beethoven: Piano Concerto No.4 in G-major op.58(ピアノ:反田恭平)
ウィンケルマン:ジンメリバーグ組曲
Winkelmann:Simmelibärg-Suite(アコーディオン:ヴィヴィアンヌ・シャッソ)
メンデルスゾーン:交響曲 第4番 イ長調 Op.90「イタリア」
Mendelssohn: Symphony No.4 in A-major op.90 ”Italian”
バーゼル室内管弦楽団は初来日ということで、私を含め殆どの人が初見のはず。
冒頭の「ファンファーレ」だが、トランペットが今一つ安定せず、モヤモヤした感じのまま、オネゲル「夏の牧歌」に入る。
弦楽器は上手いようだが、やはり金管楽器はやや弱いという印象。
次に反田さんが登場し、ベートーヴェンのコンチェルト4番がピアノ・ソロで始まる。
この始まり方は当時では画期的であり、初演がなされたウィーンのファンには大きな衝撃を与えたらしい。
1楽章のオケはまずまずだが、目だったのは反田さんの動き。
ときおり手を動かして指揮をしそうになる。
ここで私はハタと気付いた。
推測だが、反田さんは、ベートーヴェンのピアノ協奏曲(おそらく全曲)を、自身の「弾き振りレパートリー」に加えたいのではないだろうか?
さて、バーゼル室内管弦楽団だが、後半で特色を前面に出してきた。
「ジンメリバーグ組曲」は、スイスの民謡で構成された、実質的な「アコーディオン協奏曲」で、聴いていて心地よい。
ラストの「イタリア」も、25名前後の編成にはピッタリで、良い感じである。
おそらく一番楽しい曲は、アンコールのロッシーニ「La Danza」だろう。
コントラバスやチェロの奏者が、ときおり楽器を回転させるのである。
ダンスを踊っているのは、何と楽器だった。