いよいよアンコールワット ハーフマラソンの朝を迎えました。
朝の4:00 起床。
睡眠状況は、まずまず。
緊張感が早くも高まってきました。
顔を洗い、テキパキと準備を開始。
自分のゼッケンに完走への思いを込めます。
朝食は、日本から持参したもので、エネルギーチャージ。
準備が整い、出発時間を待つ間、どうも落ち着かずソワソワ。
テレビでは、ちょうど体操の時間でした。(日本は、2時間先のため、7時前)
画面を見ながら、体操のお姉さんと一緒にイチ、ニ、サン、シー、体をほぐします。
そして、5時。ホテルを出発。
真っ暗の道をアンコールワットを目指し、トゥクトゥクは走ります。
私の胸は、緊張感と期待で高まるばかり。
夜明け前の少し涼しい空気が心地よく、トゥクトゥクは進みます。
いよいよ出発地点に到着しました。
まだ、真っ暗です。
それでも、たくさんの人がぞくぞくと集まってきて、ますます気持ちが高揚していきます。
そんな緊張感の中にも、目立ちたいと言う心理から私のランニングスタイルは、こんな感じ。
現地の子供ランナーとソフィアと一緒に絶対乗れない表彰台の上で、記念撮影。
ぼちぼち夜が明け出しました。
幻想的なアンコールワットの様子です。
明るくなると、開会式会場の様子が見えてきました。
たくさんの国から、たくさんの人が集まってきています。
エライ方のインタビューに遭遇。何が何だか分からないのに、記者の方に混じっている私。
その後、21キロランナーが集合する場所の、遅いランナー用の位置である後方で待機。
そんな中、祭りのハッピは目立ちます。
日本人の方はもちろんのこと、外国人の方からも、モテモテ状態。
言葉は通じなくても図れる国際交流を楽しみます。
ものすごく明るいシンガポールから来られた方々。
この後のマラソン中にも、何度も励まされました。
そして、予定より遅れて6:45くらい、ついにスタートです。
高鳴る興奮。
この瞬間が、堪りません。
後方からのスタートの私たちが、実際に走りだすのにはしばらくかかりましたが、その間、スタートの余韻を長く楽しめました。
最初のうちは、まだ三人一緒です。そのため、よく目立ちます。
1キロ、2キロと行くころには、二人は先へ。私は、マイペースを保ちます。
今回のコースで、4キロくらいのところで折り返しがあり、ランナーがすれ違います。
みなさん、とてもイイペース。しかし、私は、いつものマイペース。
やがて、折り返してきたY隊長とま~とんとすれ違い、互いに励ましの声を掛け合います。
この時点では、とてもハイテンション!
しかし、やがて私の身に異変が・・・。
5キロ快調。前を横切る猿にも、余裕の対処。
だんだん暑くなってきました。
早めの給水に努めます。
地元の子供たちが手伝っている給水所。
この大会では、すべて水のペットボトルが配られます。
ランナーが飲んだ後のペットボトルを拾う多くの子供たちがいます。
リサイクルと言うより、僅かですが生活の資金源と言う感じです。
走っているすぐ横には、遺跡があります。
7キロを過ぎたころ、どうも体調がおかしい。
疲れ方が激しいです。
それでも、ペースはトコトコと進みます。
疲れが出始めた私を現地の子供たちが声援してくれます。
そんなみんなとハイタッチ!
これで、またまた元気が出てきました。
先へと進みます。
しかし、しばらく行くとどんどん足取りが重い。
どうもいつもと違うなぁ~。そんなことを考えて走る私。
気温も上昇してきて、汗の量も半端ではありません。
当然、ハッピを着ているため、余計です。
それでも、イイ遺跡を見つけると、沿道の人にお願いして記念撮影。
撮影ではVサインで笑顔。走りだすと苦しい表情の私。
どうも今回はおかしい。
13キロを通過。走れない。
我慢ができず歩きだしました。
そんな私の周囲には、同じような状況のランナーがたくさんおられます。
お互いに「ファイト!」 「がんばってぇ!」と声を掛け合います。
とても、心地よい瞬間です。
一瞬ですが、やる気が沸いてきます。
そこで、東京から来られた若い御夫婦の方と知り合いました。
旦那さんは、マラソン経験豊富な感じ。
奥さんは、初心者、と言うより私と同じハーフマラソン初参加。
そのため奥さんの疲れが大変そうです。
そんな奥さんを気遣い、手を携え、声を掛ける旦那さんが素敵でした。
私も近くを走りながら声を掛けました。
50歳を目前にハーフマラソンに初めて参加し、こんな暑い中、ハッピを着て走るバカな私の姿を見て、俄然やる気を出された奥さん。
結果は、見事完走されました。
人にやる気を出させても、こちらの足取りはどんどん重くなるばかり・・・。
やっと15キロ。
とにかく、がんばります。
ゾウのテラスまできました。
すると外国のランナーが写真をとってやろう。とジェスチャーです。
そのため、クタクタなのに無理をして笑顔を演出。実は辛いです。
それからも、走ったり、歩いたりの連続。
周囲のランナーも少なくなってきました。
これは、だいぶ遅い感じです。
Y隊長やま~とんは、もうとっくにゴールしているだろうなぁ~。
そんなことを思いながら、トコトコ・・・。
あと2キロほどになりました。
もうマラソンコースは、通行規制はとっくに解除され、車やバスなどがどんどん走ってきます。
そのため、排気ガスにほこりが大変。
余計に辛くなります。トホホ・・・。
私の様子は、最悪。
息遣い荒く、足取りは、とにかく前へ。
それでも、ゴールが見えてきました。
ま~とんたちからも声がかかります。
その声をうつろに聴きながら、やっとゴール!!!!!!!!!!!
両腕を上げて、ゴールをくぐりましたぁ~。
しか~し、その後は、立っていられません。
倒れ込んで、肩で息をする状態。
エライことです。
いくら水分を補給しても、バナナを食べても回復せず。
それでも、途中、励まし合った東京の若夫婦の方が見事ゴールをされて声を掛けてこられました。
無理をして、パチリ。
あの奥さんは、私よりはるかに余裕の感じ。
しばらく休んでホテルへ帰ろうとトゥクトゥクのところまで行こうとするのですが、歩けない。
みんなに介抱をしてもらいました。
その後、何とかホテルに戻り、部屋に入った途端に強烈に気分が悪くなり、頭くらくら。
トイレの便器を抱え込み、おう吐。
オェーッ。これは、ヤバい!
と思いながら、便器から動けず、頭くらくら。
隣の部屋のま~とんに助けを求めることもできず、しばらくなすがまま・・・。
しばらくそんな状態が続きましたが、少しずつマシになってきました。
それからは、何とかシャワーを浴び、エアコンを効かして、ペットでバタンキュー!
一時間ほど眠ったところ、やっと回復しました。
一時は、どうなることかと、不安いっぱい。
みんなで話したのですが、どうもあのハッピが悪かったようです。
きちんとしたランニングウェアを着ていながら、その上に目立ちたいためのハッピを着たことで、暑くなり汗がドバァー。
その汗を吸ったハッピが発散を抑えてしまい、余計に熱がこもり、悪循環。
そんなこんなで、いくら水をとってもダメで、熱中症のようになった模様。
もう、ハッピはこりごりです。
まさにアン・ハッピーでした。
というような、アンコールワット ハーフマラソンでした。
これが名誉の金メダル。
おもちゃみたいなものですが、ものすごく重みがあり、ものすごく価値があり、ものすごく遠かった金メダルでした。
◆記録
私 2時間51分 1キロあたり 8分9秒
1054人中984位
ちなみに1054位の方は、3時間53分でした。
ま~とん 2時間24分 1キロあたり 6分53秒
1054人中779位
Y隊長 2時間38分 1キロあたり 7分33秒
1054人中904位
取り敢えずは、法被ぃエンドでめでたしめでたし・・・
せっかくカンボジアまで行ったのに・・・。
それでも、振り返れば一生の思い出に残る大会となりました。
と言うことで、やはりハッピーエンド!