昨日・26日、日本弁護士連合会(日弁連)が主催する「共謀罪に反対する大集会」に参加してきた。弁護士会館(東京・霞ヶ関)の講堂に集まった参加者は、500名余。ここを覗いてくださった方の中には私以外にも出席された方が何人もおられると思うが、そうでない方のために簡単なご報告をしておく。
〈野党3党が共闘を表明〉
会場には野党の国会議員8名が参集。「与党の共謀罪を廃案にすべく、3党が共闘する」と表明した。
民主党――菅直人・平岡秀夫・高山智司・千葉景子 各議員
社民党――福島みずほ・保坂展人 各議員
共産党――仁比聡平・赤嶺政賢 各議員
〈各団体、個人からの意見表明〉
グリーンピース・ジャパン事務局長、アムネスティ・インナショナル日本事務局長、全国労働組合総連合組織局長ら団体を代表する人々や、映画・音楽などの関係者らが、それぞれの立場から「なぜ共謀罪に反対するか」という意見を述べた。
〈発言の中から〉
いくつかの言葉をご紹介しておく。正確に伝えるためにはそれぞれの発言を要約して載せるべきだが、要約すると「全員、結論はほぼ同じ」になる。むしろ部分的ではあっても共謀罪を考える上で参考になる「言葉」をそのまま載せた方がよいだろうと判断した。再現した言葉はメモによるものなので、語尾などは違っていることをお断りしておく。
吉岡桂輔・日弁連副会長(開会挨拶より)
「犯罪というのは、すべて“被害”があって初めて犯罪と呼ばれるのだが、共謀罪には被害がない。しかも“犯罪に資する行為”を罰するというのだから、予備よりもはるかに対象範囲が広く、これは近代的法体系をくつがえすものである」
※共謀罪の与党修正案に対する日弁連会長の声明は下記
http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/statement/060421.html
菅・民主党代表代行
「解釈に幅のある法律を作ると、どのようにでも適用できる。むろん凶悪な犯罪にはしっかりした対応が必要だが、必要な法律と、拡大解釈されうる法律とは区別しなければならない」
平岡・民主党議員
「我々は、与党案を抜本的に見直した修正案を作った。これは与党案の問題点を世の中の人達に広く見てもらおう、文書として示そうということで出したものである」
千葉・民主党議員
「与党はこのような法律を作ることばかり熱心で、人権を守る法律など全然作る気配もない。その流れに非常に危惧を覚えている」
仁比・共産党議員
「与党のルール破りの姿で、与党の反国家性が浮き彫りになった」
寺中誠・アムネスティ・インターナショナル日本事務局長
「現在でも、国によってはアムネスティの活動そのものが犯罪になる。たとえばネパールで私の友人が、政権に反対するデモを共謀した罪で逮捕されたといったこともある。世界を見渡せば監視し合う社会は珍しくないが、そういう社会では市民運動が真っ先に封じられてしまう」
森達也氏(映画監督)
「今の日本の流れは“民意”によるもので、ちゃんとした敵がいない。そのためレジスタンスしにくいのが大きな問題だと思う」
朴哲鉉氏(映画監督)
「私は、ひょっとすると日本の憲法には表現の自由を保障する条文がないのかと思いました(笑)。どこの国でも、国がおかしくなってくると、こういう法律が出てくるような気がする」
外山雄三氏(指揮者・作曲家)
「共謀罪というと、私は自分が子供だった頃の灯火管制を思い出す。隣組が見張っていて、“誰それの家で灯りが漏れている。あれはアメリカに通報しているに違いない”などと言っていた。またああいうことになるのか」(注/氏は1931年生まれ)
〈与党が連休前の強行採決を急ぐのは?〉
ということについて、保坂展人・社民党議員のおもしろい言葉があった。
「与党が28日の裁決強行にこだわっている理由は、たったひとつです。“連休があるから、みんな忘れてくれるだろう”」
問題意識が広まり、多少は報道もされ、強行採決に眉を顰める人達が大勢いたとしても、ゴールデン・ウイークで浮かれている間に忘れちゃうだろう、ということだ。そう思われているとすれば、我々はよほどバカにされきっているのである。う~ん、ますます頭に来た。
さて、明日は問題の28日――。
この法律は今は一般人に害がなくても国民の我慢が限界にきて国の政策に反対するとき脅威となって国民を取り締るでしょう。
そんな日が近づいていると思う今日この頃です。
ご報告大変参考となりました。ありがとうございます。
先程、筑紫哲也氏のニュース番組で集会の模様と発言の内容が、かなり詳しく報道されていました。参加された皆さんの揺るぎ無い信念がよく伝わる内容でした。
「連休があるから、みんな忘れてくれるだろう」
いかにも考えていそうなことです。
私も参加してみたかったけど、さすがにあきらめました。地方では共謀罪の“き”の字も出てきません。
みんな、ホリエモンの保釈で騒いで・・・、どうなるのでしょうか?
はじめの一歩さんも行かれていたようです。他にもブロブを書かれている方がいらっしゃったんでしょうね。不思議です。
こういう民主主義を脅かす法律を平気で許すようでは愚民といわれても仕方がありません。
マスコミも筑紫哲也氏のようなリベラル言論人が取り上げているにしても、他のマスコミは牙を抜かれた状態。
気付いた時には既に時は遅し、という状況を絶対に防がなければならないと思います。これは民主主義を守る闘争だと思う。
生の声が伝わってきます。
共謀罪の話題、27日の夜は、唯一「News23」が5分ほど時間をかけて報道していて、わかりやすくインパクトもありました。
(嬉しかったのでさっそくゲキレイメールを送りました!)
同じ日、報道ステーションでは桜の映像(それはそれで美しいけど、なぜこの日に桜・・・強行採決かと言われてた前日だよ?!)を長時間流した後、エンディングでたった一言、数秒でした。NHKやフジテレビでは全く触れられませんでした。(T T)
新聞では、やはり東京新聞が熱心にわかりやすく伝えてくれています。この日の集会の事ももちろんですが、ブログでの検索数のことにも触れていました。新聞を読んで興味を持ち、検索をかけてくれる人もいるのではないかと思います。(^ ^)