華氏451度

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5.17「共謀罪反対緊急集会」の報告

2006-05-18 00:31:36 | 憲法その他法律


5月17日午後6時半から都心で開かれた「共謀罪反対!超党派議員と市民の緊急集会」に出席して来た。会場の星陵会館は全400席。それが満席になり、立ったままの出席者も多かったので、目算で450名は超えていたはずだ(集会の最後に司会者が約500名、と発表)。民主・社民・共産3党の国会議員や、労組、NPOなどの組織の代表、弁護士らがそれぞれの立場から報告や発言をおこなった。行かれた方も多いと思うが、それらの発言の中から特に印象に残ったものをいくつかご紹介しておく(走り書きのメモをもとにしているので、語尾その他、発言そのままではない)。

「共謀共謀といって、いったいそれはどの段階で成立するのか。じゃあ共謀の手前というのは何か、という質疑を重ねている。法務省によると『モヤモヤした段階』などと言うが、モヤモヤしたなどというそれこそ曖昧な表現で法律を応用されてはたまらない」(社民党・保坂展人議員)

「(世論の盛り上がりによって)政府は法務省のサイトで釈明するなど、言い訳に回らざるを得なくなっている。その弁明の中から、(この法律によって権力が)市民団体や住民運動などに介入するという可能性が国民の前に明らかになりつつある」(共産党・赤嶺政賢議員)

他の国会議員も口をそろえて「国会の中の空気も変わりつつあり、19日に採決強行とはいかなくなっている。これも世論が盛り上がってきたおかげである」と発言。東京新聞をはじめとして新聞も共謀罪を取り上げ始めた(たとえば毎日新聞では5月9日から『共謀罪新設に言いたい』を連載、朝日新聞も5月9日に、第3社会面でやや大きく取り上げたなど)ことで、強行に通してしまえなくなり、弁明を繰り返してはボロを出している。これからも反対の声を広げ、その声で野党の後押しをして欲しいと壇上から訴えた。

「この法律の一番いやなところは、人間の良心を信じないという哲学を基盤にしていることだ。普通の法律は犯罪を犯そうと思っても、後悔して後戻りすれば罪に問わないが、共謀罪は中止しても罪になる。今、国会は数の上ではいつ通されてもおかしくない。しかし国民の関心の高まりによって、数のみでは押し切れない状況が生まれつつある」(中村順英弁護士ら、日弁連・共謀罪立法対策ワーキンググループの3弁護士)

「やっと野党がスクラムを組んだ。これはすぎらしいことだと思う。万が一強行採決されてしまったとしても、私達は諦めない。野党の大連立で政権を変え、廃案にもっていきたい」(グリーンピース・ジャパン事務局長)

「4月30日におこなわれた『自由と生存のメーデー06』に対する異様な弾圧は、共謀罪を先取りするものだと弁護士の先生がたにも言われた。あらゆる表現行為を弾圧しようする意図が明らかになっていると思う」(メーデー救援会)※

注※「自由と生存のメーデー06」事件/プレカリアート(不安定な雇用を強いられた人々)が訴えを発し、集会の後にサウンド・デモ(音楽を流しながらデモ行進するもので、海外はむろんのこと、最近は日本でもよく見られる)を計画した。このデモはむろんあらかじめ届け出られ、原宿署の許可を得ておこなわれたのだが、公安と機動隊がデモ出発点のそばで待ちかまえていた。そして3名を道路交通法違反や公務執行妨害で逮捕し、デモをつぶしたという事件。メジャーな団体のデモではなかったため、つぶす対象ににしやすかったのでは、とも言われている。詳しくは下記。
http://mayday2006.jugem.jp/

共謀罪(をはじめとする現政権の動き)に反対する集会などが、今後も数多く計画されている。そのうちの1つをご紹介しておく。

☆「小泉暴走にSTOP! 6.1集会――共謀罪、憲法改悪国民投票案、米軍再編に反対しよう」
6月1日(木)日比谷公園野外音楽堂にて。午後6時半から集会、7時半からデモ。連絡先=フォーラム平和・人権・環境(03-5289-8222)、憲法共同会議(03-3221-4668)、共謀罪に反対する市民と表現者の集い実行委員会(03-5155-4765)

他にもあるが、それはまたあらためて。


コメント (10)
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