バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

語り継がれるもの

2008-03-28 07:50:18 | Badminton
 春休み突発的朝練を2日間やりました。

 平日の朝だから、小学生は暇でも、保護者の送り迎えができるか、コーチが出席できるか、そのような問題は多々あります。それでも両日とも10名集まりました。
 川間ジュニアの卒業生で、先日高校を卒業して、こちらも春休みを謳歌している暇?なプレ大学生にアシスタントに来てもらった。
 日頃見ていない子も含まれていたので、「何やるんだろう」というビビリと緊張感が漂っていただけに無駄口のない、静かな朝練となった。
 せっかく来てもらった新人コーチをどう使うか? ただヒッティングパートナーにしておくのはもったいない。そこで選手2人を完全に任せることにした。最初に選手個々の指導箇所を一言触れ、あとはコート1面使って自由にやってもらった。

 とかく学生さんコーチだと、何やればいいんですか? と途中で聞いてくることが多いが、彼女は最後まで一度も質問してこなかった。
 何やっているかな?と途中チラチラ見ていると、かなりいい指導していました。内容が段階を踏み、子供を飽きさせない、さらにその日なりに課題をクリアする目的が練習に組まれていた。さらに素晴らしいのは、子供の1球、1球に言葉をかけていた。「いいね、いいねー。」とか「もう少し前で打って!」など。
 自分がその日与えられた選手とコートに魂を込めていた。
 いきなり名コーチですよ。数年経験しているみたいですよ。

 彼女は小学生のころは川間ジュニアの選手で、はずかしながら私が指導していました。
 それから中学、高校と部活で夫が指導しました。いつの間にか名選手、名コーチに育ったのですね。
 
 彼女は高校時代、朝練に毎日通っていました。
 それを指導していたのは、夫。
 毎朝、こんな風に指導受けていたんだろうな。


100万回生きたねこを読む

2008-03-28 06:48:03 | バネ
3/28のバネ

 国語読解問題に全員で取り組んだ。
 テキストで採用している文章は、中学生が読むにふさわしい良文が多い。
 ことに手元にあったのはスポーツマンにとってじっくり味わってほしい内容だったので、細かく解説を入れながら読んだ。
 せっかく素晴らしい内容なのに、時としてただ文字をなぞるだけで表面的な理解にとどまることが多い。そもそも問題が悪い。大事なところを穴埋めにしたり、設問の傍線が目障りだから、味わう気持ちを損なってしまう。
 設問は無視しながら文章そのものを一緒に読み、見解を加えると、「なーるほど」と何人かから心のため息が聞こえた。もうこういう状態になったら、設問を解くのは無粋です。 このムードならいけると思い、引き続き絵本読みをいれた。

 「100万回生きたねこ」

 全員が一度は読んだことがある。なかには小学校で劇をやった人もいた。が、13才には、13才なりの理解があるはず。

 さて「なんで最後は生き返らなかったのでしょう?」
 ありきたりの答えが返ってくる。「最後は満足な生き方ができたから」と。
 ふーん、そうだね、と相づちうちながら意見を引き出すが、それじゃ読みは不十分だよ。

 「王さまも、ふなのりも、おばあさんも、みんなねこのこと愛したのに、ねこは無償の愛に気づかなかったんだよね」
 なんで今さらこの絵本読むの、といぶかしげな表情だった子たちが、この瞬間心が止まった。
 「結婚して、子供を持ち、自分が無償の愛を与えて、はじめてわかったんじゃないの。これまでたくさん無償の愛を受けてきたことを。そしてそれまでの多くに感謝したから生き返らなかったんじゃないの」
 更に、ここまで言うと説教じみてしまうが、追加してしまった。
 「みんなは親から無償の愛を受けているんだよね。」
 おりしも今朝の「ちりとてちん」で若狭が母の無償の愛に気づいた。
 「このねこは自分だから。この本を手にとって読んだ人そのものがこのねこだからね」とたたみかけてしまった。

 子供達の心の準備ができていたから、楽しい授業ができました。
 ありがとう