バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

パンセとは文字通り考えること。

2023-07-22 08:53:13 | パンセ
 今年度からリスタートした小学生作文教室「パンセ」
 第1クール、12回コース終了。
 7月の3回は学校の夏休みの課題である読書感想文に備え、感想文を書く練習を行った。
 感想文を書く視点が学習のテーマだったので、視点考察するためには授業内で読み終える課題でありたい。そこで選んだのは、絵本。
 3回の課題図書は、
 1.つみきのいえ
 2.きたかぜとたいよう
 3.つるのしかえし

 1回目の課題「つみきのいえ」は大人の絵本だけあって読みがしっくりこなかった。地球温暖化問題に触れるのは優等生的作文で、おじいさんが過去を振り返る感情に寄り添うのは年齢的に無理があり、薄い感想になってしまった。やはり大人向けだった。
そこで2回目と3回目はイソップ物語から選考。

 イソップ物語は動物などに例えて人の業を語っている。それをどう読み解き、さらには今後とりかかる創作分の参考になればと思い取り上げた。
 どちらもすぐ読める。その場で感想を言い合う。
 少し先生がヒントをだしてしまうと、目が上向いている。何か考えている。

【「きたかぜとたいよう」を読んで編】
 数人は、人は叱られるよりも褒められた方が結果が出やすいと勉強やスポーツ活動を引き合いに説明した。うーん、大人として頭が痛いご指摘。気をつけます。ぽかぽか太陽(褒められる)だけでもダメで、ときおり北風(しかる)も必要だと付け加える子もいた。いいね、将来学校の先生向きだね。
 一人は全く違う視点。
 きたかぜとたいようの対決に旅人を巻き込むなんてひどい。コートは旅人が大切にしているものかもしれない、飛ばされてしまったらどうするんだ!と鋭いご指摘。子供の頃からこのような視点で読んだことなかった。いえ、もしかしたら最初は同じ感想を抱いたのかもしれない。
 状況を自分に置き換え「こんなことやめて下さい」と言える感性。さすが子供。教訓が白々しくなってしまう。

【「つるのしかえし」を読んで】
 これは少し難しかった。キツネがツルを家に招待し平らな皿にもったごちそうを振る舞った。ツルは食べることができなかった。その後ツルがキツネを招待し、細長いグラスにごちそうを入れ振る舞い、キツネは食べることができなかったという話。
 きつねの意地悪にツルがしかえししたことで、「いじめ」問題に触れるまでいった。ツルにやり返されて、キツネが自分のいじめを反省するだろうという解釈までは出せた。しかしなぜ最初にキツネはツルに意地悪したのか? という問いにはうまい言葉が見つからず目をグルグルさせて考えていた。
 相手の弱点を突くことでキツネは優越感を持ちたかったのでは? と先生が解釈をくわえると、一同「なーるほど」と納得しつつも、さらに「それだけか?」と思考の海にはまった感じ。
 「平等」と「障害がある人」いうキーワードを使って感想を述べようとした人もいた。何を言いたいのかうまくまとまらないけれど、この話に重要なワードだという。
 ドキッとした。鋭い感性。やはり通り一遍の教訓で読むだけでない。この話に隠されたものは深い。

 12回コースで、エッセイ、意見文、読書感想文をテーマに書く練習した。
エッセイが難しかったようだ。しかしイソップ物語読み込んだ後の今なら、そこそこのエッセイかけるかもしれない。
「どうして?」と考えることが哲学だよと伝えると、「テツガク」が流行っている。
「先生、この作文テツガクしてる?」とか「ここからここまでがテツガクだからね」って。

9月以降がますます楽しみなパンセクラス。




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