脳のミステリー

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247.MRI

2008-03-02 09:20:22 | Weblog
うるう年談義をミクシィ上でやった。
うるう年を漢字で書くと閏年、英語だと平年common yearに対してleap yearと言う。 leapは飛び跳ねるという意味でjumpにも似ている。「一足飛びに」なんかはwith a leapと言ったりして、leapには「飛躍」という意味がある。
日本では、閏から潤を連想して「潤い」を当て字にして平仮名で「うるう年」にしたのかしらね~
因みに、漢字の本家本元の中国では「王が門の中に居る」という事で「暦からはみ出した月には政務を執らない」という事なんだって!
損なのか得なのか? と思っちゃうけど、やっぱり得なのかなあ!
休息を取って、気持ちが潤って、今年は特に29日は金曜日でTGIF(Thank God It's Friday)!とくれば、やっぱり得でしょう!!!
私らしく書き綴ると、すぐにコメントが入って来た。殆どの人が「得だ!」と思っているらしい。という事はマイミクシィの仲間は夫々が幸せに毎日を過ごしていると解釈できる。年を重ねる事に迷いがあると、不幸に繋がるのではないかと考えるからである。
何の迷いも寄せ付けまいとプラス思考をよしとする私は一抹の不安も抱かず「私に限って!」と、その得した2月29日にMRIを受ける事にした。

数週間前の金曜日、偶々主治医が休みでこの日は他の大学病院から来ていた女医さんが診察してくれた。何度か院内では見かけた事があって会話を交わした事はあったが、診察を実際に受けた事はなかった。
「ああ、やっと会えたわ!」
何を意味するかは時間が経つに連れて分かってきた。
「そろそろMRIを又撮って貰ったらいいかしら?」
私は何気なく聞いてみた。私は時々主治医ではない医師に診て貰っているが、彼女は初めてだった。夫々違う説明があるが、異口同音宜しく結論がほぼ同じだととても安心する。
結構美人系の女医さんとはつい数週間ほど前に会ったばかりだが、人間とは初対面で相性がいいか悪いかは分かるものである。私の答えはYESと出た。
そして、今日MRIを撮り終わって、説明にきた例の女医さんから感じた事はどうも彼女もYESと出ていたようだ、という事だった。有り難い! あれから女医さんは「マイ・ラブ、マイ・ドック」を読んでくれたらしい。
「あなたが好むような説明の仕方をしますね」
私が好む説明はYES/NOを明確に、曖昧な日本語はひたすら避けて、という事である。彼女は笑みを浮かべながら、説明を始めた。
「結論から言いますと、救急病院で処置して貰って、出血で破けた血管は自然に繕いが施されたのはこの画像から見えますよね」
「はい、見えます」
「あれから何の変化もありませんね」
「好いも悪いもですか?」
「イエイエ、取り合えず悪い変化は見られませんよ」
「好い変化は・・・感覚が戻ってきているという事実ですね」
「それは痛みを感じるようになってきているからですか?」
「そうです。歓迎したくないでしょうが・・・」
「そうですよ。医者は患者の痛みより感覚蘇りを歓迎するという訳ですか?」
「まあね!」
「本人は痛みを感じなければ鈍感を大歓迎しちゃうのに・・・」
「大がついちゃうんだ! あなたらしい!」
「とにかく痛みを感じる私の本体には既に痺れが蔓延っているって訳ですね」
「そう、うまい事を言う。その通りです。痺れという置き土産は捨てようにも強力接着剤で体内に張り付いちゃったのね」
なるほど、強力ボンド以上の接着剤は漆という接着剤だったのかも知れないぞ~っ! 内心の思いはチョッとお預けにする事にした。私に結構興味を持ってくれた女医さんは「何、何? どういう意味?」と聞いてきて次の患者さんに悪いから・・・ それでも感のいい女医さんは「何、何考えてるの?」ときた。私はすかさず「先生、今日の事、マイブログに書き込むから読んで下さいね」と言った。
「ああ、あの『脳のミステリー』ね。あれは面白いわ!」
「ありがとう」
私のハイパーグラフィアをけし掛けて「脳のミステリー」を書き綴る事を進めて下さった熟年脳外科医からこの病院に診察に来る医師達の間でマイブログは密かに広まっていたのである。
帰り掛けに女医さんは「常用している薬もそのままでいいし、血圧も安定しているし・・・安心して!」と言って、患者である私から「ありがとうございました!」という言葉を貰って笑った。
狭い診察室で電動車椅子をスピンさせてクルッと一回転すると「巧いもんだわ!」と女医さんは再び笑った。

MRIは磁場と電波とコンピュータで画像を作るのだが、実際のMRI装置と体の内部では何が起きているか? 実際の検査の流れにそって御紹介してみるから、興味があったら読んで下さいね!
①先ず、自然状態では体内の水素原子核は夫々バラバラな方向を向いている。
その際、MRI装置からは大きな磁場が発生している。
MRI装置の架台に自分の頭部が入る。
MRI装置の架台の内部には強くて均一な静磁場が常時発生している。
エレキバンの強さは1000ガウス前後だが、MRIではその10倍前後の10000ガウス近辺の非常に強い静磁場が発生している。
②次に、そこに強力な静磁場を与えると、水素原子核は一斉に一方向に向く。
そこを撮影(スキャン)をする。
MRIでは体内にある水素原子核から発生するごく弱い電波を受信して画像化する。
見たい部分に電波のアンテナ(受信コイルやRFコイル)を装着してから検査を始める。
撮影が始まると装置からコンコンという音がする。
この音は、必要な断層像を得る為に加えられる微弱な傾斜磁場によるもので、撮影中ずっと鳴り続けている。
③次に、電波(RFパルス)を当てると水素原子核は一斉にある特定の方向を向く。
これを磁気共鳴現象という。
④電波を切ると水素原子核は②の状態に戻る。
この時の水素原子核の戻り方の緩急によって、疾患の状態がわかるという事である。
⑤最後に画像を作る処理という事になる。
体内からの電波信号は、コンピュータによってデジタル画像に再構成される。
この時、病気の部分と正常の部分の水素原子核のふるまいの違いをコンピュータが画像の白黒として認識する訳である。

このMRI画像を前にして女医さんと私の会話があったという訳である。私は実に有意義に得したうるう年の2月最終日を過ごしたものである。

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1 コメント

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Unknown (魔法遣いの弟子)
2008-03-02 21:22:04
なんとも♪素敵な女医さんですね!!

クーさんとの息も相性もピッタリ!

と、言った感じで読ませて頂きました。

息子の主治医の小児腎内科の先生も

とっても素晴らしい方で

治療に関しても、子供にも分かるように

説明してくださり!

精神面のホローも極め細やかで

先生の温かい人間性が伝わってきます。

それにしても・・・

結果が良好で何よりです!!

電動車椅子の運転も

なんだかクーさんらしくって♪

笑ってしまいました!!



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