「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

秋だというのに虫の声が聞こえてlこない

2013-09-07 06:07:06 | Weblog
羽化したばかりの油蝉が舗装された道の上で後ろがえったままだ。痛ましい。そっと手をそえて僅かに土のあるポットに移してやった。猛暑だった夏もようやく終わりに近ずいてきた。だが、東京のわが家のまわりは、一向に秋の気配を感じない。昔はこの時季になると、虫の声が小さな庭から聞こえてきたものだがー。

♯ 虫のこえ(尋常小学校唱歌)
(1)あれ松虫が鳴いている チンチロ チンチロ チンチロリン
   あれ鈴虫も鳴き出して リンリン リンリン リン―リン
    秋の夜長を鳴き通す ああおもしろい虫のこえ
(2)キリキリキリ キリギリス ガチャガチャガチャガタ クツワ虫
   あとから馬おい 追いついて チョンチョンチョン スイッチョン
   秋の夜長を鳴き透す ああおもしろや虫のこえ

明治43年、103年前に発表された歌である。その当時は住家の周りに松虫も鈴虫もキリギリスも馬おいもいたのであろう。僕が子供だった戦前昭和の東京ではさすがに開発されて、この種の虫のこえは聞こえなかった。しかし、名もしらない虫たちが夜通しすざいていた。そしてその声を聞きながら夜長を読書で親しむ姿も見られた。灯りは白熱灯電球であった。しかし、今日本では白熱電球は手に入らない。政府の省エネ政策で昨年から蛍光灯かLEDにとって変わられた。

まさか白熱灯と虫とが相関関係があるとは思えないが、昔のよすがが次第になくなり、昔の夢追い人にとっては寂しい限りだ。

”千年猛暑” ”千年豪雨”

2013-09-06 05:06:38 | Weblog
首都圏は昨日猛暑から一変して台風崩れの豪雨に見舞われた。幸いわが家には被害はなかったが、古都鎌倉から逗子葉山の高台にも一時土砂災害警報が出た。気象予報士、森田正光氏は今年は”千年猛暑”になるかも知れないと予測していたが、まるで”千年豪雨”の年でもあるかのような異常気象だ。

”千年猛暑”というのは森田氏によると、千年前の平安鎌倉時代も文献から猛暑の時代だったことから来ている言葉だ。徒然草の吉田兼好も家は暑い夏を考えて建てるべきだと書いている。この猛暑の影響なのかもしれない。この時代はまた地震、豪雨などの自然災害も多かった。鎌倉幕府三代将軍、源実朝(1192-1219)は27歳という短い一生だったが、その間、なんと地震が鎌倉に18回も起き、1211年(建暦元年)には、関八州に豪雨による大被害が出ている。実朝の”時によりすぐれば民の嘆きなり八大竜王雨やめたまえ”はこの時の歌だ。

僕が子供だった戦前昭和の時代には「二百十日」「二百二十日}という言葉をよく聞いた。立春から210日、220日目で台風の来襲が多く農家にとって厄日であった。”二百十日もことなくすんで村の祭りの太鼓が響く稲は実がなり日和は続く”(「田舎の四季」尋常小学校唱歌)のどかな日本の風景である。

今年は異常な猛暑だけでなく、竜巻が起きたり各地にゲリラ豪雨が発生、被害が出ている。”千年猛暑””千年豪雨”の年なのだろうか。八大竜王にお願いしなければならないのかも。

宮内庁長官の任命に問題があるのでは!

2013-09-05 06:43:01 | Weblog
風岡典之宮内庁長官がIOC(国際オリンピック委員会)総会への高円宮久子さまの派遣について”官邸からの圧力による皇室の政治利用である”と批判したという。これに対して菅義偉官房長官は、風岡長官が天皇皇后両陛下の思いを推測しての発言というのは違和感があると反論した。率直に言って、この問題に限って言えば、僕も宮内庁長官発言には違和感を感ずる。しかし、戦後歴代の宮内庁長官の任命が、どうなっているのか不信感を持っている。

7年前、天皇陛下が靖国神社参拝を中止したのは、陛下がいわゆるA級戦犯合祀に反対したからだとする”富田メモ”が突如日経新聞に載った。”富田メモ”の富田氏は、中曽根内閣当時(昭和57年―62年)の宮内庁長官(昭和53年―63年)であった。このメモの真否をめぐって色々問題があるそうだが、なぜ富田氏の死後3年もたってしかも小泉総理の靖国参拝が問題になっている、あの時期に明らかにされたのかー。富田氏は警察庁出身で、中曽根氏の海軍時代(短期現役)の2期下で、警察庁時代の後輩。中曽根内閣の官房長官だった後藤田正晴氏が警察庁長官だった時の警務局長であった。

どういうわけか戦後の宮内庁長官は全員、戦前の内務省官僚出身である。風岡氏も経歴を見ると旧内務省の建設省出身である。風岡氏の前任の羽毛田信吾氏も厚生省出身であったが、例の習近平中国副主席(当時)の天皇陛下との拝謁問題で、民主党とトラブルをお起こし辞任した。ネット情報によると、風岡氏と特定の宗教政党との関係が色々取りざたされている。折りも折、憲法改正論議で安倍政権と宗教政党との間にミゾがあるようだ。宮内庁長官の任命は”無色透明”に願いたいものだ。

”ホニャナラナラ”おかしな日本語使うNHK

2013-09-04 06:42:06 | Weblog
NHKの昼間の連続クイズの男性司会者が”ホニャラナラナラ”という僕には意味不明な日本語を連発している。子供に聞いたら、なんだか判らない「伏字」の意味だという。おそらく漫画かお笑いから来た言葉なのだろうが、NHKは公共放送である。80老とて、きちんと聴視料を支払っている。

岐阜県に住む71歳の男性が”NHKは外来語を多用しすぎる。聴視料を支払っている自分には精神的苦痛だ”と名古屋地裁に訴えたそうだが、結果はどうなったのだろうかー。外来語だけではない。最近NHK,とくにラジオ第一には老人には解らなかったり、耳障りな日本語がめだつ。”すっぴん””ちょめちょめ””だんとつ” ”いけめん” ”いくめん””ぞんげ”etc。外来語多用について感想を求められた松本NHK会長は”古い世代なのだろうか、自分もそう思う”と語っていたが”ホニャナラナラ”はご存知なのだろうか。

おかしな日本語番組の最たるのはNHK第1の日曜日夜の若者向け番組だ。毎日が日曜日な老人にとっても日曜日は日曜日だ。楽しみにスイッチを回すと、若者同士のふざけた番組で聞くに堪えない、それも1時間以上にわたって放送している。ここまで若者に媚びる番組つくりをする必要があるのだろうか。

高齢者に人気のある「深夜便」も最近、僕らみたいな”超”のつく高齢者には面白くなくなった。アンカーも若返り、かっての宇田川清江さん的な同時代人がいなくなったせいなのだろう。これは仕方がない。しかし午前2時台の音楽番組の選曲が若者向きに偏っていて、したり顔でしゃべるアンカーの説明も、外来語が多すぎておかしい。いつの時代にも通じるクラッシク音楽をもっと放送してもよいのではないだろうか。

「風船爆弾」と化学兵器

2013-09-03 05:31:58 | Weblog
亡き親友の夫人、80歳がこの猛暑の中「風船爆弾」について関連の研究施設、川崎市の明大平和教育資料館(旧陸軍登戸研究所)と埼玉県東福岡市の民族資料館を訪れ,その感想記を「戦争と私」というエッセーにして送ってくれた。

夫人は戦争末期、疎開先の神奈川県小田原高女(旧制)1年の時、勤労動員で「風船爆弾」の材料和紙の原料楮(こうぞ)の木の皮むきをしていた。ネット情報によると、その頃全国各地で、夫人と同年代の女学生たちが楮などの皮むきに従事していた。老妻も長野高女で桑の木の皮むきをしたといっている。

「風船爆弾」は和紙をコンニャク糊で張り合わせアドバルンのような大型風船を作り、その中に爆弾、焼夷弾をいれて水素ガスによって大気圏のジェット気流に乗せて米国本土攻撃した兵器である。昭和19年冬から20年春にかけて千葉、茨城、福島の海岸から9300発が放球され、約1000発が米国本土に到着したといわれているが、戦果は明らかではない。

夫人のエッセーの中に当時登戸研究所では、爆弾、焼夷弾に代って生物兵器(牛ウィルス)を搭載させ米国の家畜を殺傷する計画で兵器化にも成功していた。しかし、米国の報復を恐れ実現しなかったという。しかし、当時米国では、もっと恐ろしい大量殺人の核兵器が生産され、実際それが広島、長崎の原爆として使用された。

米国がシリア政府の化学兵器(サリン)使用に対して攻撃も辞せずという立場をとっている。人間とはいつまでたっても愚かだ。なぜシリアは自国民の殺害に、こんな恐ろしい兵器を使用するのか。また、米国は他国の出来事に対していつも戦争手段で介入したくなるのか。

一体どうなっているのだ東電の汚染水処理

2013-09-02 06:17:13 | Weblog
東電福島第一原発の汚染水問題は一体どうなっているのだ。2日付けの産経新聞(首都圏版)は社会面で「汚染水2か所で漏洩か」と2段見出しで報じている。三重県四日市の女子中学生殺人の後追い記事より扱いが小さい。先日原子力規制委員会が汚染の国際的評価を従来の1から3(重大な異常事象)に上げた時も、この新聞は他紙に比べて扱いが小さかった。

一方8月30日の朝日新聞のデジタル版は、この問題について政府は2020年の五輪開催地が決まる9月7日まで、悪影響を危惧して、そっとし、国会審議を先送りにした、と報じていた。国会で審議すれば、事の重大さが判り、委員が東京を候補地として投票しないだろうというのだ。”アサヒル”報道であるか、どうかは別として、どうも政府はこの問題の責任を東電任せにしているように国民にはとれる。

野党民主党も相変わらず無責任だ。原発事故当時菅首相の事故対策補佐官だった馬淵澄夫氏が8月31日のTBS系の「報道特集」番組に出演し、東電が今計画中の汚染水の海への斜壁計画は、2年前の事故2か月後の6月に実施に移される予定だった、と発言していた。発言の真意は不明だが、今さら死んだ子の年を数えても仕方がない。それより、何故、特別国会を開くなどして、国全体で汚染水問題に取り組まないのかー。

一番僕らが理解に苦しむのは、連日マスコミが汚染水問題を報じているのに、政府の対応がどうなのか解からないことだ。東電の責任が第一だが、今さら、一企業の責任を追及しても解決には至らない。国を上げて一日も早い解決を望む。安倍内閣の真価を問う問題だといっても過言ではない。

孫の格安航空券による1か月貧乏海外旅行

2013-09-01 06:36:06 | Weblog
大学生の孫が友人と二人でインドネシアを中心に貧乏旅行を計画していたがやっとその骨格が決まった。LCC(格安航空券)を使って上海経由クアラルンプールへ行き、さらにコタキナバルへ飛んでインドネシアのバリ島へ行こうというものだ。すべてネットで調べて計画したものだが、料金は驚くほど安い。往復3万円だという。しかし、日本を出てバリ島に入るまで、各地に滞在しながら9泊もする。時間に余裕のある若者ならではの旅だ。

孫たちの旅行の目的の一つは、僕のインドネシア人の友人である、元義勇軍兵士で、現在中部ジャワのテマングン(Temanggun)で日本語塾「寺子屋」を経営しているバンバン.プルノモさん(86)を訪れ、ホームステイをしながら現地の若者と交流しようというものだ。LCCを使っての旅行なので、スケジュールが決まらず、バンバンさんに迷惑をかけたが、やっとバリ島までたどりつけることが出来たので、メールで連絡したところ、バリからテマングンまでの夜行バスの会社と運賃を知ららせてくれた。

僕も半世紀ほど前、スマトラのメダンからパダンまで夜行バスの旅行をしたことがある。当時は途中で虎に出会ったことがあり、スリルに満ちた旅だった。バリ島からフェリーでジャワ島へ渡り、テマングンまでは900㌔ぐらいある。15時間以上の長旅である。バンバンさんのメールによれば、料金は日本円で2千800円である。80老にはもう耐えられないが、若者には冒険的な楽しみもある。

テマングンは観光地ではないので、ほとんど日本人は訪れない。町にもインドネシア式のホテル(ロスメン)が一軒あるだけだ。ホームステイ先には温水はでない。食事もインドネシア式をお願いした。日本でヌクヌクと育っている若者にはよい体験になるものと期待している。