昨日、菩提寺の源空寺(浄土宗)の御忌会(ぎょぎえ),施餓鬼会(せがきえ)に久しぶりに老妻と一緒に参加した。東京浅草の川時代からの古刹で、檀家はほとんど三代以上続く江戸っ子である。墓地には著名な地理学者、伊能忠敬とその師、高橋至時の墓が並んでおり、隣には芝居でも有名な幡髄院長兵衛の墓もある。
広い本堂にはおよそ150人もの檀家が集まって、昼食のおときを共に食べた後、有り難いお説教を聞いた。法要には近くのお寺さんから応援もあって15人の僧侶が参集、ともにお念仏を唱えた。御忌会は浄土宗の宗祖、法然上人が80歳でお亡くなりになった記念日で、明治時代までは1月に行なわれていたが、今は大体季節の良い4,5月である。施餓鬼会は、宗派、お寺によって違うが旧盆の前が多いらしいが、源空j寺では御忌会と同じ日に行われる。
年に三回、春秋のお彼岸とお盆にしか墓参しない”仏教徒”だが、たまにこうした法要に参加するのもよい事だ。昨日のお説教の題目は「邂逅」であった。この世に生を受けて、いろいろの巡りあいがあり、法然上人よりも長寿で生きられているのは、やはり「邂逅」による有り難さである。毎日お念仏を唱えて感謝しようという趣旨だった。昔はお説教など馬鹿にしていたものだが、次第に解るようになってきたようだ。長寿のお蔭であろう。
しかし、祖母が亡くなってからは、そのような話を聞くことはありません。やはり時代なのでしょうか。これから仏教などは、日本ではどうなっていくのでしょうね。
浄土宗総本山の知恩院を中心に関西では御忌会は今でも盛んなようですね。”着倒れの京を見に出よ御忌まふで”(蕪村)といったように、昔は関西各地からバスで参拝したのでしょう。笙や太鼓を駆使、坊さんが散華する法要は見ものです。東京では増上寺が有名です。